[ 2013年　今年の漢字：湘南 ]
若さに溢れる湘南は、シーズン序盤から溌剌とＪ１の舞台を疾走した。多くがボールに係わりながら、意識を縦に傾ける。差を突きつけられた試合もなくはない。けれどそのたび己に矢印を向け、自分たちのスタイルを研磨した。
「湘南のサッカーはおもしろい」彼らの疾駆は間違いなく、観る者の心を射止めていた。ただし結果の重要性も彼ら自身はわかっている。精度研ぎ、矢数増えねば利は遠い。今後スタイルのその先をよりシビアに求めていかねばならぬだろう。
残留は叶わなかった。けれど、失するのとは裏腹に、得られたものがあろう。矢のごとく真っ直ぐに歩み続けたからこそ、得られたものが。
眞壁潔代表取締役は言った。今年はこれから掴む大きな成功のための起点と言える、その確信がある、と。
曹貴裁監督は言った。必ずやこの経験は人生において勝者に繋がる、そして我々はこれからも日々成長するしかないのだ、と。
湘南スタイルこそが自分たちの最大値と彼らは示し、磨き研ぐ道のりはこれからも続いていく。そうしてのちにひも解いたとき、あのシーズンがあったからこそと、嚆矢となるに違いない。束になり、折れぬ強さを携えて、この舞台に復ることを、彼らはちかう。

Text by 隈元大吾

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2013年12月15日（日）