14日、シーズン終了後に恒例となっているサポーターによるサポーターのためのイベント、「ロアッソ熊本大忘望年祭」が熊本市中央区のサンロード新市街で行われ、多くの来場者でにぎわった。
6回目となる今回、今までとのいちばんの違いは、「女子力」をテーマに掲げて企画から運営までを女性サポーターが中心に行ったこと。約3ヶ月前から準備を始め、選手によるクリスマスケーキデコレーション対決やファッションショーなど、当日のイベント内容も女性のアイデアが生かされた構成。ステージ周りの飾り付けや選手達が首から下げるネームプレートなども手作りで行い、あらためて女性サポーターのパワーとチームへの愛情の深さを見せつけた。
会場の一角にはスタジアムグルメにも出店している店舗のグルメブースが設けられ、またアスリートクラブ熊本もテントを出してグッズや来年のシーズンシートを販売するなど、サポーターだけでなく一般の買い物客らにもアピール。
ステージでは引退を発表した吉井孝輔選手と原田拓選手のトークショーも行われたほか、最後には契約満了となった選手や期限付き移籍期間満了で前の所属チームに戻ることになった選手達も挨拶。それぞれがサポーターへの感謝の思いを述べた。
さて、同日J'sGOAL内で発表された通り、今年の漢字として「力」を選定したのだが、「女子力」というテーマで行われた今回のイベントも含め、チームやクラブとそれを支える周りの人たちの力とエネルギーをあらためて感じさせられた2014年だった。このイベントが始まったのも、サポーター主導で選手達に感謝の気持ちを伝えたり、一緒に楽しんだりできる催しができないかという思いが発端。J1ライセンス取得のための増資と合わせて行われた募金など、特に今年はクラブ経営の面では厳しい状況にあったけれど、ペットボトルを使った募金活動で約250万円を集めるなどサポーターも力も発揮した。今回のことに限らず、あらゆる状況を受けてもサポーターたちが一緒に力を合わせ、楽しみながら壁を乗り越えていこうとする姿勢こそが、何より熊本の力の源泉。思い起こせば、熊本にJリーグクラブが誕生したのも、そうした県民の思いが結集したからだった。
クラブ発足から11年目、J2での戦いも8シーズン目に入る来年は、また対戦相手の顔ぶれも少し変わって一層厳しい戦いになると思うが、地元にJリーグクラブがある喜びを感じながら、1歩ずつ階段を登っていきたいものです。
以上
2014.12.15 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】熊本:女子力炸裂で今年も賑わった大忘望年祭(14.12.15)
今年もアーケード街にメインステージが設けられ、熊本城おもてなし武将隊の演舞、ゆるキャラのショーなどが行われた
ステージ裏のスペースには、過去の地元紙の記事のディスプレイと合わせ、選手1人1人の顔写真が入った色紙を掲示して一般の買い物客にもチームと選手をアピール
ステージでも様々なショーをプログラム。写真は選手達によるクリスマスケーキデコレーション対決のひとコマ
ファッションショーでは、先日のイベントでも発表された来シーズンの正副ユニフォームやスーツ姿で選手達がランウェイを歩いた
スーツ姿で登場したのは、1年目でチーム得点王(9点)となった澤田崇選手とロアッソ君
熊本けいりんとのコラボイベントとして、金井大樹選手らが自転車を漕いで現役競輪選手とスピード対決。金井選手は最高時速106km/hを記録、けいりんスタッフからスカウトされる一幕も
原田拓選手の幕も用意され、多くの人がメッセ維持を書き込み、トークショーの後でプレゼントされた
トークショーでこれまでを振り返った原田拓選手(左)と吉井孝輔選手。いずれも熊本に残って、今までの恩返しをしたいと話した