●城福浩監督(甲府):
「今日の試合から少し外れますが、3年前のキャンプでC大阪さんとTM(トレーニングマッチ))を戦って大人と子供のゲームで0−5で負けました。2年前、F東京とやったときは10回やって10回勝てないと思う試合でした。今日やると、もう一度やりたいと思う試合でした。彼らの成長した姿を見て本当に嬉しく思うし、彼らと一緒に積み上げてきたからこそ勝点3がほしかったと強く思います。勝点1で終わったのでそこは反省しますが、今日の試合後にセレモニーがあるなしに関わらず、彼らの成長の証として結果をあげたかったという思いです」
Q:昨日、契約を更新しないことが発表された水野(晃樹)選手を先発で使った意図は?
「彼もケガで苦しんでいて出場機会を逃してきた選手です。ようやくケガから戻ってきてサブにここ数試合入っていますが、なかなか出場のチャンスを私も与えられなかった。彼も悔しい思いをしてきたと思います。今日はジウシーニョもケガで、松橋優もケガで、やり続けている選手にチャンスを与えろと神様が言っているなぁと思いました。橋爪(勇樹)もいい準備をしていましたが、彼にチャンスを与えるべきだと思いました」
Q:水野選手の気持ちが出たプレーだったと思いますが、パフォーマンスについてはどんな印象ですか?
「日本代表の左SBを、彼は守備が得意な選手ではないけれど、抑えた。これは非常に大きいと思います。彼のサッカー人生において、もちろん、攻撃が武器の選手ですが、計算が出来る、貢献できることを証明したと思うので、どこのチームでやるか分かりませんが、今日のことを忘れないでピッチに立って欲しいと思います」
Q:来年の以降、甲府というクラブにどうなってほしいと思いますか?
「今、山梨県の人口が83万人くらいで、甲府市の人口が16万人くらいの規模で、J2であろうがJ1であろうが予算規模が変らない。なぜならそれは山梨県の経済があまりよくないから。こういう3年間でした。これがこのクラブの現実だと思います。J1のなかでは桁違いに厳しいクラブだし、環境でも厳しいところだと思います。ただ、いろいろな夢を持って、熱意を持っているスタッフがいて、選手がいて、サポーターがいて、スポンサードしてくれている人がいて何とか保っていますが、4人乗りの車に6人で乗って坂道を登っているような印象があります。これをいい方向に向けるには勝点をひとつでも多く積み上げて、ヴァンフォーレというクラブを経済界を良くしていくひとつのきっかけとして一緒にやろうじゃないかという空気が出来てくれれば、人数オーバーの車が人数オーバーじゃなくなる時期が来れば…。山梨には韮崎高校、甲府クラブというサッカーの文化が根付いて、歴史がある中でこんなに熱いサポーターがいる。そこで車輪が回り始めれば本当に素晴らしいクラブになると思います」
Q:最後のホームゲームをどんな思いで試合に入り、中銀スタジアムの雰囲気をどう感じましたか?
「僕個人の思いを入れないようにしましたし、選手も今まで積み上げてきた自負が我々にあるのでそれを出したいと思いだけでした。もちろん対戦相手の対策もしましたし、積み上げてきたものもある。それを100%出すということが今日集まってきてくれた人々への感謝の意を示すことになるし、彼らと私の確かめ合う証でもあるのでそれに集中してくれたと思います。F東京という良いチームを相手に、あれだけの内容の試合ができるもんだというのは、少し感慨を持ってみていました。これだけ来てくれたファン・サポーターと爆発的な喜びを味わいたかったという意味では点を取りたかった。選手も集まってくれたファン・サポーターの皆さんも全てを出し切ったと思っています」
以上