3月に開幕したリーグ戦もいよいよラストゲームとなり、あっという間に桜を楽しむ季節から、紅葉を愛でる時期へと移り変わった。そして今週迎える最終戦では、前節で21位が確定した讃岐と現在4位につける千葉が激突。讃岐はJ2・J3入れ替え戦、対する千葉はJ1昇格プレーオフの出場、さらにこの試合の3日後に行われる天皇杯と、共にリーグ戦後の試合につなげたいところだ。
讃岐は前節ホームで大分と対戦。序盤から大分が主導権を握るも、讃岐も必死の守りで前半は0−0に終わる。防戦一方だった讃岐は後半、木島良輔、古田寛幸、さらには西野泰正を投入し、パワープレイを仕掛ける。そこから少しずつ讃岐はチャンスをつくるが、なかなか得点に結びつかない。すると大分は76分、フリーキックのこぼれ球から松本怜がドリブルで仕掛けると、最後は左足で落ち着いて決めて先制。パワープレイに出た讃岐はその一瞬のスキを突かれ、結局1−0で大分の勝利に終わった。
これにより讃岐は21位が確定し、自動残留の夢は断たれた。しかし練習場に足を運ぶと、いつもと変わらぬ雰囲気でトレーニングに励む選手の姿が見られた。それどころか全員が声を出し、時には選手同士でアドバイスを送るなど、これまで以上にハツラツとした雰囲気でトレーニングが行われ、すでに気持ちの切り替えはできている様子だった。
4月の対戦では1−1のドロー。その千葉をホームに迎える北野監督は「うちがやることは変わらない。ホームでの最終戦なのでしっかりやりたいし、(千葉戦が)入れ替え戦の準備や調整とは思っていない」と、まずはリーグ戦を戦い抜くというのが重要と語った。相手に関しては、「森本貴幸やケンペスなどを始め、個の能力が非常に高い。そのストロングポイントを消し、相手の攻撃をどうかわすかだと思う」と話し、その強みをチーム力で封じ込めたい。
対する千葉も前節はホームで試合を行い、J3降格が決まった富山と対戦。試合は序盤から富山が鋭い攻撃を見せ千葉にとってはペースをつかめず苦しい展開となり、53分には相手に先制点を許してしまう。ただこれで目が覚めたのか千葉は58分、クロスボールを森本貴幸ヘディングで決め同点に追いつくと、その5分後の63分には、途中出場のケンペスが走り込みながら頭で合わせて勝ち越しに成功。後半で一気に動いたゲームは、2−1で千葉が辛くも勝利。試合後の会見で関塚監督は「ここ3試合は先制点を奪われて、もうひとつエンジンがかかるのが遅い」と選手の奮起を促すも「得点の場面は非常に我々らしい得点が取れた」と振り返った。
千葉は前節の勝利で勝点を65とし4位に浮上し、この試合に勝利すれば文句なくプレーオフ出場が決まる。そのためにはここまで4試合連続先制点を許している守備の改善が急務。特に自分たちの攻撃を決められず、逆にそこからカウンターを仕掛けられる場面も多く、守りでのスピートアップと適切な対応が求められる。また攻撃に関しても、フィニッシャーの森本貴幸やケンペスの活躍はもちろん、中村太亮や谷澤達也が讃岐の守りを崩し、チャンスを演出できるかがポイントになるだろう。
讃岐と千葉。順位は大きく離れているものの、この試合の先にある戦いに向け勢いをつけたい両チーム。ある意味、今後の展開を占う戦いを制するのは果たしてどちらか。
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2014.11.22 Reported by 小谷秀斗(オフィスひやあつ)