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【J2:第40節 長崎 vs 東京V】レポート:痛恨のスコアレスドロー。救われたのはホームの長崎。執着心で上回った東京Vの試合に(14.11.10)

「自分たちの誇りの為に戦う」、「引退するユキさん(佐藤由紀彦選手)の為にも」。
試合前に長崎の選手たちは東京Vとの試合についてこの様にコメントしていたが、試合は残留という明確な目標を持ち、尻に火がついた状態の東京Vがポゼッションに成功。ホームの長崎を凌駕した。スコアこそ0−0だが、「個」で長崎を上回る東京Vの選手は長崎のプレスを寄せ付けず、自分たちのサッカーを表現できた。逆に引いた時間の多かった長崎は練習で積み重ねてきたコンビネーションで相手を崩すことはできなかった。

とは言うものの、立ち上がりは長崎のペース。8分に長崎は左サイドをイ ヨンジェが相手DFを引っ張りながら突進する得意の重戦車ドリブルで突破。シュートを放つもボールはゴール前を横断。「誰かがつめていれば」というような惜しいシーンだった。15分過ぎまで長崎はコンパクトな陣形を保つことができていたが、その後は「個」で上回る東京Vが長崎のプレスを剥がし始め、ボールポゼッションに成功。何より東京Vの若い選手たちが長崎のお株を奪う激しい守備を見せて先手を取り試合のペースを掴んだ。

そうなると東京Vは両チームのシステム上のポケットを上手く使い始める。東京Vはサイドにトップの平本一樹が流れ、そこに長い縦パスが入る。21分、長崎の高木琢也監督はすかさず三原雅俊を呼び、「守備がはまらなければ、4−5−1で落ち着いて守ってもいい」とアドバイスを送るも、長崎は広がった選手間の距離は修正できず攻められる時間が続いた。

そんな中、東京Vは32分、前半最大のチャンスを迎える。カウンターで長崎のゴールに迫り、平本がフリーでダイレクトボレーを放つ。これは惜しくも枠を外し得点には繋がらなかったが、東京Vは前半を通じて惜しいシュートが多かった。長崎は押されながらも前半を0−0で終われたことが最も大きな収穫だった。

ハーフタイム、東京Vの冨樫剛一監督は「もっと細心の注意を払ってプレーすること」「マークの受け渡しをはっきりすること」「苦しくても自分たちがやるべきことをおろそかにしないで続けていこう」と選手に伝え、「一瞬の隙を突かれないように」と細部に執着するよう求めた。

後半に入っても東京Vの優勢は変わらず、長崎は散発的な攻撃に終始。攻めの手立てがない。後半からは奥埜博亮に替えて佐藤洸一(184センチ)を投入していたが、70分には東浩史に替わり小松塁(190センチ)がピッチに立つ。長いボールを有効的に使うことでリズムを変えようと試みた。しかし、チャンスまでは作り出せても、最後の執着心に欠けゴールが遠い。高木監督も「点を取るという事は運なのかもしれませんが、執着心にやや欠ける所があるのかなあと思います。何度がゴール前にボールが横切ったり、キーパーのリバウンドがありましたが、そこに仕事場を求める人間がいない。今季はシュート数も上回ったゲームも多かったが、そういう部分(執着心)がシーズン通して少し足りなかったと感じています」と振り返っている。最後は長崎も猛攻を見せたが、流れは変わらず。先手を取られたまま90分が過ぎた。

一方の東京Vにとっては得点こそ奪えなかったが、若い選手が躍動し、長崎の良さを消す試合ができた。スコアは0−0だが、存在感を示せたのは東京Vだったことは誰の目に見ても明らかだった。残り2試合、長崎はJ1昇格プレーオフには進出することはないが、本当の意味で自らの誇りを賭けた戦いをしなければならない。

以上

2014.11.10 Reported by 植木修平
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