●曹貴裁監督(湘南):
「雨の中、遠い北九州の地までたくさんサポーターが来てもらってあと残り2試合になりますが、いつも我々を後押ししてもらえる声と姿勢で今シーズンだけじゃなくて先シーズンもおそらく来年もですが、力強いサポートいただけるサポーターに心から感謝します。
今日は北九州さんは勝てばおそらく3位になったと思いますが、非常に年間を通して6位以内に入ってもJ1に上がれないとう状況にありながらも選手全体が一体感を持ってひとつのスタイルを信じてやっているのは前期も思っていましたし、その後の映像を見てもブレないでやっている。本当に難しい試合になるなと思ったんですが、スタイルは違うんですがお互いに信じたものをやるという中で、相手のスタイルに飲まれないように、逆に自分たちができると思って試合しないように。ひとつのミスやひとつのパスやひとつの何か集中力のないプレーが絶対に勝負を分けるという話をしました。昇格や優勝が決まって長い時間、日々いろいろなことはありますが、その中で全く来年のことは考えずに今週良かった選手、また相手にとって脅威を与えられる選手をチョイスしながら試合に臨んでいるんですが、今シーズン当初80ポイント、80点を掲げて、あと5点足りないなという話をしました。今日4点も入るとは思いませんでしたが、残りの1点を次の試合で何とか決めて、ポイントと得点と失点の数が当初予定していた以上のものになるように選手と一緒に最後シーズンを終わりたいなと思います。
失点に関しても去年、ケルンが2部から1部に上がった時にドイツの歴史を塗り替える34試合で20点という記録があるんですが、我々はそれ以上に失点をしていない。1ゲームあたりおそらく0.5前後の数字になったと思いますが、なんとかクリーンシート、今日で23試合目になりますが、24、25と積み上げて、頑張った選手たちが最後、生涯そういうところに戻ってまた観てたお客さんや、やってた選手や、我々スタッフ、会社の人を含めてこういう努力が次に繋がっていったというシーズンに最後はしていきたいと思います」
Q:閉塞感があった中で中村祐也選手を起用して流れが変わったが、交代起用選手の評価は?
「今日の勝因はGKを含めた後ろの選手が横着をせずにしっかりゼロに抑えるリスクマネジメントしたのが大事なところ。前半から相手のリズムでやられた場面もありましたが、狙いとしていたところでチャンスを掴みそうだったので、停滞感、ああいう形に持っていくのが北九州のスタイルだったと思うが、僕はそんなに前半から悪いとは思っていなかったです。交代選手の特徴でドリブルができる選手だったり、最後は宇佐美(宏和)がクロスで得点に絡みましたが、(中村)祐也のアイデアやゴール前での精度、こういうことをうまくミックスさせて使おうかなと思っていましたので、それに関して言えば、岩尾(憲)と(中村)祐也と今日はちゃみ(宇佐美宏和)が出ましたが、彼ら3人がゲームを変えてくれたのは間違いないですし、逆にそれまで出ていた選手や最後までピッチに残った選手が彼ら3人を引き立てたということもあります。彼らが良かったというのもありますが、周りがひとつにして彼らの特徴をいかしたということのほうが正しい表現かなと思います」
Q:北九州というチームの印象は?
「北九州さんはシュート数が少なく、打たれたシュート数が多い。順位が高いと逆のことが多いが、ボールを持たれてもしっかり失点しない守備の法則というのが染みついている。少ないシュートでもカウンターを中心に池元(友樹)とか原(一樹)とか今日で言うと渡(大生)とかのキープ力を生かしてミドルシュートを決めるのが十八番なので、そういうところを選手全員が信じてやりきっているのは素晴らしいと思います。チームによっていろいろなスタイルがあっていいと思いますし、チームによって大事にしているものが逆にないと、J1、J2、J3合わせて何チームもある中で地域に根ざした特徴が日本全国に広まることがJリーグの理念の百年構想に寄与できることだと思うので、北九州のスタイルと選手やサポーターが一体となって信じているということは試合をして思いました。勝ち負けはありますが、一体感のあるチームという印象は変わっていません」
以上