●長谷川健太監督(G大阪):
「本当に選手が最後の最後までよく闘ってくれて、こうして優勝することが出来たと思いますし、スタジアムに駆け付けてくれた沢山のサポーターにタイトルをプレゼントすることが出来たことを、本当にうれしく思います。
0‐2になった時は持ってないな、厳しいゲームだなと思ったんですけど、PKで先制された後から遠藤、今野がチームをまとめてくれたのが大きかったです。前半で1点を返すことが出来て、後半行けるぞと言う雰囲気でハーフタイムをむかえることができました。
後半開始から大森が非常にアグレッシブにプレーをしてくれて、同点に追いついた後もチーム全体がそのままの勢いで、3点目をと試合をし続けてくれたことも大きかったと思います。宇佐美もパトリックもあれくらい守備をしてくれたら楽なんですが、決勝だからあれくらいやってくれたのか、11月22日の浦和戦はどうなのかというのが今の悩みの種です。
これは私自身の話になりますが、なかなか手の届かなかったタイトルを獲れたのは、本当に素晴らしい選手たちがいてくれたおかげ、またスタッフが支えてくれたお陰ですし、みんなが支えてくれたおかげで、こうしてJ2から上がってきたクラブが、まずヤマザキナビスコカップのタイトルを取ることが出来たと思いますので、今日くらいはみんなと一緒に喜んで、また休んでリフレッシュしたらリーグ戦に向けて準備をしたいなと思います」
Q:前半は変則的な布陣に見えたが、後半に大森選手を入れてノーマルな形にしたと思うのですが、後半にかけての狙いは?
「過去2戦、天皇杯とリーグ戦で広島と対戦した時に中盤をひし形でやって機能したということで、前半はそういう形で臨みました。悪かったわけではないですが、点を取るには後ろが重かったので大森を入れていつもの形にしました。やられたシーンはミス絡みだったと思いますし、決して布陣が機能しなかったわけではなくて、明神も良く中盤で戦ってくれました。前半あの形で1点を返せて、後半に点を取るのはああいう形も選択肢に入っていたので、そういう意味では選手も良く理解してプレーしてくれたと思います」
Q:天皇杯もあと2つでタイトルが手に届く所まで来ているがどう考えているか。
「天皇杯というよりは、まずは11月22日の浦和戦の事を考えて戦っていきたいと思います。それをふまえて天皇杯をどう戦うかを考えなくてはいけないと思います。(タイトルまで)あと2つですが、ACLというところは一つチームにとって最低のノルマだと思っていますし、今日一つタイトルを取った事で選手も気持ちが楽というか、このまま無冠だと非常にプレッシャーだと思いますが、いい形で浦和戦に臨めると思うので、結果を踏まえて天皇杯どうするのかは考えたいと思います」
Q:ハーフタイムコメントの意図は?J2からあがった翌年に3冠というのはこれまでの歴史にはないと思うがどう考えるか?
「ハーフタイムにあまり何を言ったかよく覚えていないんですけど、前半悪くはないなかで、負けているので後半明神に代えて大森を入れるのでよりアグレッシブにいこうと。前半、パトリックの動きだしからチームの動きが出てきたのでそこは続けて、前線に入ったときのサポートの数が少なかったので、遠藤がボランチに入ることで、前線への供給は多くなると思いましたし、そこにどう絡むのかは全員で意識してやっていこうと。そうしたら同点に追いつけるし、そうしたらこの試合勝てるという話をしました。
3冠についてですが、ここまで1試合1試合の積み重ねで来ましたし、一つタイトルを取ったからあと2つというほど簡単なことではないのは十分わかっていて、だからこそ次の浦和戦が大事なので、まずはそこに向けて全力で準備したいと思いますし、シーズン終盤にそういう形で終わることができたら最高だなと思います」
Q:今回のタイトルがチームにもたらす意味は?
「今回のメンバーで、前回のG大阪の優勝を経験しているのは明神と遠藤だけだと思います。今野はF東京で優勝していますが、殆どが新しい世代の選手が今日のピッチに立ったと思います。そういう選手が勝つことで自信をつけていくと思いますし、今日(大森)晃太郎が取りましたけど、ここまで高校生も使いましたし、みんなでタスキをつないできました。そういう大会を最高の形で終わることが出来たことは、G大阪にとって財産になると思います。ここからまた新しい時代が始まりと言ってもいいんじゃないかと思います」
Q:試合終了の瞬間の気持ち、表彰式での気持ちは?
「勝つときというのはこういうもんなのかと思いました。表彰の時は広島の選手の事が気になってあまり素直に喜べなかったです。いつもグッドルーザーにならなきゃと思って優勝チームを下から見上げていたので、広島の選手が最後までG大阪の選手をたたえてくれて素晴らしい選手たちだなと思いましたし、(佐藤)寿人にお疲れさんと言えなかったのが少し残念でしたけど、そんな気持ちで見ていました」
Q:試合終了後、最初に広島の選手に握手を求めに行った理由は?
「こういう素晴らしいゲームが出来た、こういう結果を得ることが出来たのは相手があってのことだと思いますし、僕も2位の事の方が多いので、負けた選手、チームの悔しさは痛いほどわかっているつもりなので、感謝の気持ちを込めて握手をさせてもらいました」
Q:表彰式の後、遠藤選手からカップを受け取ったと思うが?
「遠藤に気を使って『カップどうぞ初めてですよね』って言われたので、そうだけどこのカップ自体は(選手時代に)掲げたことがあるので、お前たちが掲げてくれと。照れもあってできませんでしたけど、また帰ってゆっくりとナビスコカップを眺めたい思いますし、こっそりと掲げたいと思います」
以上