●樋口靖洋監督（横浜FM）：
「まずひとこと、本当に残念です。今日のゲーム、我々の一つの大きなテーマとして、10位という順位ではありますけど、何とか存在感を示そう、勝って存在感を示そうと選手たちを送り出しました。そういう意味で、結果が出なかったことがまず残念な思いです。ただゲームの戦い方、あるいは選手のメンタル、戦術的な面、これらは非常にチームとして機能しながら戦えたという手応えは持っています。結果という意味でのチームの力、存在感は十分出し切れなかったかもしれませんが、選手のポテンシャルの部分はピッチで発揮してくれたと思っています。
非常に力のある、攻撃力のある浦和に対して、我々がどこでどうボールを奪うかというのを本当にチームとして整理できていました。私はよく“ザ・浦和”というのですけれども、そういう崩し方はあまりやらせませんでした。そういう意味では、チームとしての守備がきちんとできていました。
反面、ウチが良いボールの奪い方をした後のカウンターの精度、あるいはラスト３分の１までだいぶボールを握って押し込む形はつくったけれど、そこから先のところが、これは今シーズンのこの順位にいる結果の大きな要因だと思いますが、そこのところが今日も解決できなかったと思います。残り３試合、チームとして、あるいは選手一人ひとりも未来に向けてしっかり積み上げることを、続けてやっていきたいと思います」

Ｑ：我慢するところと行くところをよく整理して、しっかりと相手に対応できていたと思いますが、これは浦和戦を想定しての戦い方でしたか？
「いえ、浦和とか広島に対して、相手のやり方に合わせてシステムを変えてマンマークにしてのミラーゲームのような形にするチームもありますけど、ウチは基本的なやり方は変えません。４−４−１−１、あるいは４−４−２のゾーンをしっかりとつくった中で、ツーシャドーを切る、あるいはボールの出どころであるボランチの部分を切るというのは、常にやってきて、その積み重ねが、今日はボランチの選手が変わっている中でもしっかりとできました」

Ｑ：ボランチに起用したファビオ選手について？
「ひとことで言えば、素晴らしい発見です。もともとブラジルではボランチもやっていたこともあるとのことでしたが、なかなかF・マリノスでは試す機会はありませんでした。今日一番期待したのは、彼の守備範囲の広さです。これは、多くのボールを奪ったことで証明されたと思います。それから奪った後のボールの展開に関しても、非常にシンプルにボールを動かして、機能しました」

Ｑ：相手の興梠慎三選手の不在に関しての影響は？
「相手チームのことはあまり言いたくないのですが、一つは裏を狙う動きが少なかったので、そういう意味ではうちのディフェンスラインがゾーンの中で下げられないで済んだというのは、影響だったかどうかは分かりませんが、違いがあったのかもしれないと分析をしています」

Ｑ：失点の場面だけは、ラインが下がってしまったのは、悔いが残りますか？
「まずドリブラーが入ってきて、ドリブルで仕掛けられて、その部分で、飛び込んでかわされるよりは、少し下がりながらという形で対応したという部分だと思います。その結果として、バイタルが空いてしまったというのは、後悔というよりは、残念です」

以上