本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第30節 徳島 vs 名古屋】レポート:モチベーションを持って戦った徳島だがまたしても致命的ミスが発生。名古屋に勝利をさらわれてJ1ホーム初勝利には今節も届かず。(14.10.27)

「沢山の人が入られていて期待されているのを感じました。より早くリカバリーした姿を見せなければいけないと思いましたが、それは今日のゲームでは動いてくれたしやれたと思います。ただ、その中で結果を出せなかったことは力が足りないということです」とは試合後の小林伸二監督の言葉。そこからは指揮官の深い苦悩がうかがえた。
徳島は今節もJ1ホーム初勝利ならず。またしてもファン・サポーターに歓喜の瞬間を届けることが出来なかった。

ゲームの内容に関して言えば、最下位が決定してしまったものの徳島はその勝利を目指してモチベーションを持った戦いが出来ていたと言えよう。
開始4分いきなり長いスルーパスを通されて決定機を作られるなど立ち上がりこそややルーズなところを見せたが、それでもチームはその後落ち着いた試合運び。名古屋に多くボールを持たれながら、バイタルエリアへは決してパスを入れさせない対応でしっかりした守備を築いていた。実際そのことを物語るように、名古屋のトップ川又堅碁は中盤近くまで落ちてボールを受けるしかなかったし、ボランチの田口泰士とダニルソンも徳島の守りの前に効果的な縦パスをほぼ入れられないまま。そうした状況を考えると、ある意味徳島は非常にうまく名古屋にボールを?もたせていた?と言えるだろう。

そしてそのようないい守備が徳島は徐々に攻撃の活性に結び付いていく。まず31分には左サイドから衛藤裕が上げたクロスに合わせてアドリアーノが惜しいヘディングを見せると、続く40分には前からのプレスで奪ったボールを濱田武がアドリアーノへスルーパス。アドリアーノの突進は田中マルクス闘莉王のさすがの対応にあって止められてしまったが、スピード感をもってペナルティエリア内へ入って行くことが出来た。
さらに折り返した後半は、いっそう徳島のギアが上がる。プレーに雑な面が出てきた名古屋に対して中盤での素早い寄せを展開し、名古屋陣内でボールを動かす時間を目に見えて増やしていったのである。

しかし勝負については残念ながら今季これまでと変わりないものになったのが現実だ。78分、名古屋が深く蹴り入れてきたロングフィードを福元洋平がワンタッチでアレックスへ繋ごうとしたところ、そのボールが中途半端に短いものとなったことで名古屋のインターセプトを許し、結果田鍋陵太の思い切ったフィニッシュにネットを揺らされた。このシーズン何度も見られた自分たちによる致命的なミスの発生…。その時間帯までJ1ホーム初勝利の期待が膨らむゲームを続けていながら、徳島は再びそれを起こしてしまった。

結局その失点で精神的ダメージを受けた徳島は4分後ダニルソンに直接FKも叩き込まれて万事休す。是が非でももぎ取りたかったJ1ホーム初勝利には今節も辿り着けなかった。そうなった結果に橋内優也は「ホームで勝つためにも来年に向けて自分たちが少しでも成長するためにもやっていくしかない」と言葉を絞り出したが、残された節はあと4つだけで、ホームスタジアムへ歓喜を届けられるチャンスはそのうちの2戦のみ。自分たちの引きずるミスという悪い部分が勝利を引き寄せられないひとつの大きな原因であるのは明らかなのだから、選手たちは最後に何とかそれを改善出来るよう、最大限の努力をまた明日から必死の姿勢で続けなくては。

さて対し名古屋は、勝利したと言っても納得いく内容からはほど遠かったはずだ。事実西野朗監督も「本当に厳しいゲームをもぎ取ったという感じで、今のチーム状況からするとラッキーなゲーム運びが出来たなと思います」とコメント。差を見せて勝ち切った一戦ではなかったことを認めていた。だが、殊勲の一発を決めた田鍋や矢田旭、松田力など、チームの変革・進化を実現させられるだけの若い力は着実に伸びてきている。苦しみながらモノにした今節のこの勝利も糧にして進めば、きっと実りある形で残りのシーズン最終盤を戦えるに違いない。

以上

2014.10.27 Reported by 松下英樹
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP