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【J1:第30節 G大阪 vs F東京】レポート:ガンバ大阪がホームで白星。首位・浦和との勝点差は3に。(14.10.27)

ガンバ大阪のFW宇佐美貴史、FC東京のFW武藤嘉紀という若きエースの対決に注目が集まる中、19時4分にキックオフを迎えたこの日の一戦。10月末のナイトゲームということもあり、寒さが心配されたが気温も19.8度とそこまで低くはなく、コンディションとしては決して悪くない中で戦いが幕を空ける。
両者の激しい攻守が火花を散らした立ち上がり。ピッチ上の22人が、局面、局面での強さ、激しさを発揮しながらボールへの執念を示す。そうして相手からボールを奪ってマイボールにすると、一気にエースが待つ前線へ。残念ながら幾度かの決定機を手にしたG大阪のFW宇佐美も、そしてF東京のFW武藤もゴールを奪うことはできなかったが、それぞれにゴールの予感を漂わせながら、スコアレスで前半を折り返す。

試合が動いたのは後半だった。
「後半の入りが大事になるぞ」という長谷川健太監督のゲキに背中を押され、勢いのある立ち上がりをみせたのはガンバ大阪だった。まずは48分。ペナルティエリアのやや外側でMF遠藤保仁からの横パスを受けたMF大森晃太郎が、思い切り良く右足を振り抜くと、ゴールは一閃、左ゴール下のコースをとらえ先制点をものに。この得点でスタジアム全体がヒートアップしたような熱気に包まれると、G大阪の攻撃もさらに加速。再三にわたってF東京ゴールを攻め立てペースを握る。今にも追加点が生まれそうな気配が漂う中、それが現実となったのは59分のことだった。ペナルティエリアのやや外、ゴールラインに近い位置でDF丹羽大輝が倒されフリーキックのチャンスを得ると、キッカーに立ったのは名手MF遠藤。右足で放ったキックは、ニアサイドの狭いスペースをついてゴールに吸い込まれる。横浜FMの中村俊輔がもつJリーグ記録、『フリーキックでの最多ゴール数(17)』に並ぶ、このメモリアル弾で、G大阪が一気に2点のリードを奪う。

対するF東京は前半終了間際に負傷したGK権田修一に代わり、後半からはGK塩田仁史がピッチへ。先にも書いた通り、G大阪に奪われた立ち上がりの、立て続けの2失点は痛かったものの、その後は徐々に落ち着きを取り戻していく。だが、ビハインドを追いかける展開に前がかりに試合を進めようとするも、攻撃を構築する段階でことごとくG大阪の守備にその芽を摘み取られ、思うように仕掛けられない。その状況にマッシモフィッカデンティ監督が動き、59分にDF松田陸、FWエドゥーを投入。システムを4-3-3に変更すると、采配ズバリ。66分には左サイドからのDF太田宏介のクロスにファーサイドでDF松田が頭で合わせゴール。後半最初のシュートチャンスをゴールにおさめ、1点差ににじり寄る。
だが、後が続かない。というより、2点のリードを奪って以降、守備意識高く試合を進めていたG大阪の守備を上回るような攻撃は仕掛けられず。どちらかというと、前がかりになった展開の中でボールを失い逆に、G大阪のカウンターにさらされるといったヒヤリとするシーンも見られながら、2−1で試合終了となった。

余談だが、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ピッチにはガッツポーズを両手で作りながら座り込み、何度も両拳で地面を叩いて喜びを露にしていたDF今野泰幸の姿があった。思えば、試合前日「F東京は古巣だし、今でも大好きなチーム。だけど、勝ちたい」と話していたDF今野。それはもちろん、純粋に優勝争いに食らいつくための『勝利」を求めた言葉でもあったが、G大阪への加入以降、常に必要以上にいろいろなことを抱え込み、自分に対して『責任』を問い続けてきた今野のこと。心のどこかで、G大阪に加入した12年以降、彼が出場したF東京戦で一度も勝利していないという事実を自身へのプレッシャーとしていた部分もあったのだろう。だからこそ、試合後に魅せた改心の笑顔――。
「今日は本当にいい戦いができた。古巣相手に初めて、初めて勝った。(DF今野泰幸)」
前節の敗戦をひきずらずに勝利を手にした喜びと、自らに課していた重圧をはねのけた喜びの両方を示す、DF今野の言葉だった。

以上

2014.10.27 Reported by 高村美砂
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