前節の柏レイソル戦で、リーグ戦では8月16日の名古屋グランパス戦以来、9試合ぶりに黒星を喫し、連勝記録が7でとまったガンバ大阪。もちろん、選手たちの胸に敗戦の悔しさはあるはずだが「もちろん、目の前の試合に1試合ずつと思っていますが優勝争い、ACL枠ということも視野に入れて戦っている中で、大事なのは連敗しないこと」と長谷川健太監督。実際、中断明け、最初の黒星となった名古屋戦のあと、続く甲府戦を苦しみながらも3−3と引き分けに持ち込んだことが、そこから続いた7連勝に繋がったと考えても、また、終わった試合は戻ってこないからこそ、今節のFC東京戦をいかに戦い、勝点を得るかが今後の明暗を分けることになるはず。その使命を、選手がしっかりと受け止め、結果を得るために戦い抜くかが今節、最初の見どころとなるだろう。残念ながら、今節、守備の軸であるDF岩下敬輔は出場停止だが、選手たちの胸には、この後半戦はメンバーを入れ替えながら結果を勝ち取ってきたという自信がしっかりと宿っている。DF岩下の代わりにピッチに立つことが予想されるDF金正也選手も含め、ハードな日程が続く終盤戦を「全員で」勝ち抜いてきたチーム力を信じ、勝利を目指したい。特にFC東京はG大阪にとって前半戦で3−0で完敗を喫した相手。それだけに同じ相手に二度負ける訳にはいかないとの思いも強いはず。事実この後半戦では前半戦で敗戦を喫した相手に対し、柏戦をのぞく全ての試合で−−鳥栖、鹿島、川崎F、横浜FMとリベンジを果たしてきている。今節もその再現といきたいところ。中でも、前節、9試合ぶりに無得点で試合を終えた攻撃陣の奮起を期待したい。
「次の試合は1点目がすごく大事になる。自分たちが先に取ることで相手も前に出てくるし、そうなればよりスペースも生まれる。チームとしてしっかり先制点に拘って戦いたい。また個人的なことですが、明日は僕の27回誕生日で僕にとっても特別な日。勝つことでチャンピオンになることも現実味を帯びてくるという意味でも、大事な試合になる。自分自身へもゴール、勝利というバースデープレゼントを贈れたら嬉しい。(FWパトリック)」
「リーグ戦ではここ4試合ゴールがない中で、もちろん獲れればいいけど、獲れる時もあるし、獲れない時もあるもの。獲りたいと思いすぎるのもよくないですから。FWとして一番前にいれば、必ず1試合に1〜2回はチャンスがくるだけに、その回数を増やすことと、確率をあげることを考えたい。ただFC東京戦はヤマザキナビスコカップでゴールを決めているしいいイメージもある。チームを勝たせるゴールを獲れれば理想ですね。(FW宇佐美貴史)」
対するFC東京は前節、勝点で並ぶサンフレッチェ広島との一戦を勝利。FW渡邉千真のゴールで先制しながらも、後半立ち上がりに広島に同点弾を許したが、しぶとくFW武藤嘉紀が逆転弾を決めて連敗を2で止めた。特に、新生日本代表の注目選手の一人で、現在チーム最多となる12得点を挙げているエースFW武藤のゴールは決勝点ということのみならず、連敗に苦しんでいたチームの士気を高める上で大きな意味をもつ得点になったはず。彼が今季ゴールを挙げた8試合の成績が、6勝2分と負けなしなのも、決して偶然ではないはずだ。何より、獲るべき選手が獲ることのチームへの影響力は他ならぬピッチでともに戦う仲間も感じ取っていることだろう。ちなみに、そのFW武藤は前半戦、3−0で勝利したG大阪戦でもゴールを挙げている。もちろん、今節でも、チームを勢いづける『ゴール』を狙いにくるのは間違いないはずだ。ちなみに武藤は先にも書いた通り、現在J1リーグで12ゴールを挙げており、新人最多ゴール数(13)タイ記録まであと1に迫っている。これについて、本人は「記録は意識していないと言えば、ウソになるけれど、チームが上位に食い込むためにも記録よりまずはチームの勝利。それにゴールがついていけばいい」と語っており、そうした個人記録もゴールへの欲を高める要素の1つになっている。それをこのG大阪戦で決められるのかも含めて、注目したい。
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2014.10.24 Reported by 高村美砂