●小林伸二監督(徳島):
「今日のゲームについて、前後半の入りはものすごくよかったと思います。思った以上に選手は前向きにトライしてくれたと思いますし、そのなかで得点を取れたので。ただ、点を取ったあと、少し高い位置になったとき、やはりオープンになってしまうと、ああいうふうに失点を食らってしまう。うまく修正して、後半も攻撃するんだけど、きちっと守備をするというところで、(相手)中盤のボランチからのボールについては、問題なく対応したと思います。リスタートでいくつかのチャンスがあり、(後半のFK時に)一発目で入ったのを(オフサイドで)流されたことや、PKを取られたことというのは、少し検証する必要があるかなと思います。納得がいかないです。
プレッシャーのあるなか、順位がどうなるかというところで、選手はうまく入れたと思います。ただ、点を取られたあと、ミスで3点目を食らったのは、もう1つ修正する必要はあったと思います。これは忘れてはいけない。細かいことですが、相手のプレッシャーがあるなか、今の環境でメンタル的にプレッシャーがあるなか、ボールを止める、蹴る状況を見るというのは、今日出ている選手にしか分からないもの。34分の1のゲームですが、今日のゲームのプレッシャーの度合いを大事にして、選手は残りの5試合と、今後のレベルが上がるところにつなげていければいいなと思います。入りは決して悪くなかったわけで、1-2になったところで、そこを早くリカバリーして、2-2にするというところに行けなかったのが、残念だったなと思います。ものすごく選手は悔しがっています。でも、そこは、もう1個、細かいところが見えて、できるようになれば、今日のゲームは勝点1、勝点3を引き寄せられるゲームになったと思います」
Q:今日に結果により、最下位が決定した形になったことに関しての思いは?
「一度も順位を上げることができなかったことと、オープンなサッカーで打ち合うと、どうしても分が悪いというのを、もっともっと早く、特に前半戦のところで、徹底して守備をやれなかったんだろうかというのは、少し、自分のなかではあります。(J1に)上がった勢いと、何年か(J1から)離れているというところの状況を少しバックできなかったなと感じています。前半戦では、やっぱり1点を早く取られると、どうしても点を取りにかからなくちゃならなくなるので、また大量失点を食らってしまうという前半があったと思います。ただ、中断期間のキャンプのあとでの、7月、8月については、勝点8を取れているので、そこはすごくスムーズに後半戦で入れていたし、勝点4が12になったということで、2倍取れたことは、すごくよかった。ただ、9月がどうしても伸びきれなかったというのはあるなと。10月、少しケガ人が戻ってきて、疲れもとれて、いいゲームができるようにはなりましたが、なかなか勝ちまではたぐり寄せられなかった感じはします。残り5試合ありますし、ホームで1勝もしていないので、そこにモチベーションを変えて戦う必要があるということです。J1のこの状況のなか、選手はたくさんいますから、そのなかで戦える選手を見出して、5試合を大事に戦っていきたい」
Q:ケガから復帰したアドリアーノ選手を先発に起用した意図と、後半途中で下げた意図は?
「だいぶコンディションが戻ってきたということが1つ。ケガから戻ってきて、前回の神戸戦で、2-2になったところで、最後、正直言って使えなかった。守備的に行って、アド(リアーノ)で裏を取るよりも、勝点1ということで、(キム)ジョンミンを選んだところがありましたので。C大阪のいくつかのゲームを観て、前線は若い2トップでプレッシャーをかけてくるだろうということと、コンパクト(な布陣)だということを考えると、裏を取れるということで、アドリアーノは可能性があるということ(で起用した)。久しぶりのゲームということで、彼がどん欲であり、ゲームに飢えているということで、(先発の)判断をしました。前半よくて、後半はもっと裏を取るという意味では、高崎(寛之)の裏に走ってくれたと思います。ただ、中盤で収まらなかったりすることを考えると、彼がいることが脅威ですが、シャドーには活きのいい選手を揃えていたので、そこに代えたというところ。アドが悪いというよりも、フレッシュな選手を入れるという選択を後半はしました」
Q:どういう部分が、今季通用しなかったと考えますか。また、小林監督は成長という言葉をよく口にされるが、今季通して手応えを感じた部分は?
「1対1のオープンなサッカーになると部が悪いと思います。ボールを取る、キープする、(相手を)抜く力というところでは。どうしてもスペースがないようにコンパクトでやって、個人のところを、我々はグループでやるというところの重要性が必要だと思います。そのなかで、飛び出したり、戻ったりということになると、そこにJ1以上の技術があればいいですが、なければ少し動ける力が必要だったんじゃないかなと思います。あと、J1の試合の後半をみると、ただ守備をしているだけではなく、守備から攻撃というところでは、J1トップレベルでは難しいところがありますが、中間層なら自分たちが少しボールを回すところも、少しずつできているのは、感じています。捕まらないポジションで高い位置を取りながら、当然ミスもあるとはいえ、ボールを回すことができ、それは前期よりもよくなってきたと感じています。当然、それが勝利や得点などになってきているので、そこは大事にしたい。ただ、初めてのステージ(J1)で、今までJ2のレベルが、J1に行ったなか、熱いお湯には入ってみないと分からないし、それに慣れてきたときには現状としてこういうふうになっている。高いレベルなので、どのくらい伸びたのかは、はっきり分からないが、あまり変わらなかったり、少し下位のレベルなら、主導権を握れるくらいのサッカーができるようになったと思います。そういうふうなことは、少し感じています」
Q:前半で守備が徹底できなかったというところで、失点が今日で67と、非常に多い印象もあります。守備でここまで通じて、やり残した部分、J1で通用しなかった部分とは?
「やっぱりサッカーですから、点を取る競技だと思います。守る力があれば、相手がかかってくるので、そこをある程度しのげば、チャンスはやってきます。ただ、守ったなか、一瞬の隙をどうついていくかが、J1に定着するいくつかのチームが、何年かかかるところだと思います。要は、ポゼッションじゃなく、守ってカウンターで1、2年はJ1で慣れて、ステージを、チームをどう変えていくというところになると思います。J2のとき、守備と言いつつ、後半はボールを少し回して、シンプルに裏をとったり、後方で回しながら相手がかかったのをみて、裏を素早くとる(ことをやっていた)。守っているが、J2の後半はボールを少し後方のラインで回しながら、高くしておいて、裏を取るということも、少しずつできていた。そのままで、どうにかボールを少しでも回せればというところを、回すことができなかった。奪われて、それが失点につながったところが、前半戦だったと思います。もっと守備のところをやるべきだったかもしれないが、それはちょっと分からないところ。失点が前半戦では多かったので、それは感じました。あとは、我々のチームのなかで、J1でやれてないクラブ、チームと、そこにいる選手が、サブだったり、やれていない選手が伸びることで、J1のなかで主役になれるようになるには、少し時間がかかるかもしれないとは感じました。こういうなかで、もまれて、たくましくこういう経験をしながらも、再度チャレンジすることが、すごく大事。私は今、現場で監督をしていますが、それはクラブとしても、再チャレンジすることがすごく大事になると思っています」
以上