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【J2:第37節 京都 vs 松本】レポート:勝点1を分けあう結果だが、内容を高めた京都とプレーオフ圏内を獲得した松本。次節へ向け、希望を見出せる試合に(14.10.20)

西京極での京都と松本の一戦は、互いに譲らずスコアレスドローとなった。
メンバーでは、京都は三平和司を先発させ、駒井善成をボランチに起用。試合は、松本が長いボールで京都陣内に攻め込む形で入る。左クロスから山本大貴が頭で落としたボールをゴール前でフリーになった船山貴之が押し込む。だがこれは京都GK杉本大地がナイスブロックを見せ、ピンチを防ぐ。
京都も徐々に盛り返し、21分に左サイドでパス交換から駒井が抜け出し、中央の三平へ。三平のシュートは力がなくGKが捕球。その後も山瀬功治がシュートを放つも枠を捉えきれない。再度、左サイドで駒井が仕掛けて中央へ送ると工藤浩平のスルーから大黒将志がシュートを放ち、スタンドを沸かせた。松本も、CKから飯田真輝が頭で合わせ、京都ゴールに迫る。

後半に入り、京都が右サイドを使って松本を押し込み始める。しかし、松本も京都の背後を突くカウンターで形勢逆転を狙う。63分には右サイドでの松本のロングスローが、京都ゴール前にこぼれ、喜山康平が決定機を迎えるがシュートは左にそれる。
74分の京都、山瀬から裏へ走る大黒へ渡り、大黒がDFをかわすと、このボールがそのDFの腕に当たる。だが故意ではないと審判は判断し、プレーオンとなる。
その後も76分にドウグラスが右サイドから、77分には工藤がミドルレンジのシュートを放つも決まらない。83分には左から駒井がクロス。これが裏に流れて工藤が追いつくと、中央でポジションを取り直した大黒へ。フリーになった大黒のシュートはバーに当たり外へ。その後もシュートを放った京都だったが、結局松本ゴールを割れず、スコアレスドローに終わった。

試合後、松本・反町康治監督は、勝点1によって今季目標としていた6位以内を確定させ「もう一つ先の目標(自動昇格)に向かって残り5試合を戦いたい」とした。ボールをつなぐこと以上に前に送るサッカーで迫力を出してきた松本が、このまま2位を獲得するか、注目だろう。

京都はまたも引き分けで、勝点1の積み上げに留まった。ただ、試合後に京都・川勝良一監督が「今日は攻撃的に、シュートの本数が示す以上の試合だった」と口にした通り、前節の熊本戦よりも内容は上向きになっていた。
内容が上向きで、勝点3が欲しい、となると、色々と「こうした方が良い」とか、「これができれば良かった」となるが、まずはこの内容を次節の磐田戦でも出来るようにすることではないか。土台をしっかりとさせる、ということである。
今節の京都は、松本の攻撃をしっかりと跳ね返して、セカンドを拾い、しっかりと攻撃につなげていた。これが「サッカー」だと思う。必要以上に守備に偏ることもなく、無理やりな攻撃に出ることもなく、自然に、ある意味淡々と、攻撃と守備が絡み合っていたという印象。これを次もしっかりと出すことが大事ではないか。反省点や改善点に取り組むことも重要だが、今節の骨太のサッカーをもう一度繰り出すこと。なぜなら、このサッカーが土台だと感じるからだ。土台がしっかりすれば、落ち着きも生まれ、新たなアイデアも生まれるのではないか、そこを信じたいのだ。
次節、磐田戦。特に前田遼一は動きを止めないFWで、スペースをわざと空けて、そこに飛び込んでくることもできる。ゴール前で彼を含めた磐田の攻撃を見極められるか。それこそが守備者の醍醐味でもあるだろうし、そこで落ち着きが生まれれば、守備から攻撃につなげることもできる。その当たり前のことをチーム全体が一つになって表現出来るか。アウェイではあるが、勝点3奪取を何としても達成して欲しい。

以上

2014.10.20 Reported by 武田賢宗
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