ガンバ大阪は直近の公式戦から7人、大宮アルディージャは9人入れ替えて臨んだ天皇杯・準々決勝。両チームのフレッシュな顔ぶれが、どんな輝きをみせるのか。注目の一戦は19時にキックオフを迎える。
ともにメンバーを大きく入れ替えての戦いもあってか、立ち上がりは相手の出方をうかがいながらスローペースで試合が進む。
15分を過ぎて、主導権を握ったのはG大阪。序盤はフィニッシュに繋がる攻撃が思うように仕掛けられず、ペナルティエリア付近まで近づいては弾き返されるというシーンが続いていたが、36分にようやくFW倉田秋やMFリンスらが鋭くペナルティエリアに切れ込むシーンを作り出す。だが、大宮の守備も落ち着いて対応。DF福田俊介、DF高橋祥平らを中心とした身体を張った守備に弾き出され、ゴールを奪えない。その流れからのコーナーキックでもゴールは奪えずスコアレスの状況が続く。
対する大宮は「守備でしっかりと4−4−2を作り、相手にボールを持たせ、奪ったところからカウンターで仕掛ける」という狙いが感じられる立ち上がり。序盤こそ、守備にチグハグさが見られたが徐々に落ち着きを取り戻し、連動した守備でG大阪の攻撃に対応する。ただ、ボールを奪っても効果的な攻撃を仕掛けられない。ペナルティエリアまで切れ込んでいくシーンも殆どなく、シュート数1本で前半を終える。
0−0で迎えた後半。「もう少しテンポをあげよう」という長谷川健太監督の指示のもと、立ち上がりからG大阪の攻撃がテンポアップ。FW倉田とMFリンスのポジションを入れ替えたこともあってか、相手の裏を狙った攻撃が次々とはまりだし、流れを掴む。その勢いの中で、58分にはペナルティエリア付近で突破を試みた倉田に対し、相手DFがたまらずファウル。それによって得たFKをゴールに繋げたのは、MF二川孝広だ。59分、ペナルティエリア付近で得たFKのチャンスにキッカーに立つと、右足で放ったシュートはゴール左上隅へ一閃。MF遠藤保仁が欠場する中、プレイスキッカーを任された男が期待に応える一撃でリードを奪う。
これによりビハインドを負った大宮は、ゴールを求めて前がかりに試合を展開。攻撃への勢いをみせるが、G大阪も今季初めてセンターバックを預かったDF今野泰幸を中心に、全員の守備意識も高く、大宮選手をゴールに近づけない。リードを奪った余裕もあってか、ボールを奪ってからの攻撃も攻め急ぐことはなく、チャンスとあらば一気にスピードアップさせゴールを目指すといったシーンが続く。また右サイドバックにDFオ ジェソクを入されてからは、それまで右サイドバックに入っていたDF丹羽大輝をセンターバックに戻し、DF今野をボランチに上げて、より安定感のある攻守で優位に試合を展開。その中で73分に倉田がゴール前中央から思い切りよく右足を振り抜き右ポストを直撃するなど、追加点こそ奪えないものの、G大阪の勢いが大宮を上回る。
その圧力を警戒してか、先制された後は前がかりに試合を進めていた大宮の守備も徐々にラインを下げ始め、受け身の展開に。攻撃にかかっても、全体が間延びしていることもあって思うような仕掛けもみられない。MF泉澤仁、FWムルジャの二人がピッチに立ってからは攻撃がやや勢いづくも、決定機を作り出すほどの勢いもなく、流れを掴むには至らず。しかも、まずは同点に追いつきたいはずが、84分にはカウンターからG大阪のFW佐藤晃大に再びゴールを決められ、2−0と突き放され万事休す。
結果、後半、明らかに攻撃のリズム、テンポを上げたG大阪がその勢いを確実にゴールに繋げ2−0で勝利。2大会ぶりのベスト4進出を決めた。
以上
2014.10.16 Reported by 高村美砂