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【第94回天皇杯 準々決勝 C大阪 vs 千葉】プレビュー:リーグ戦ではそれぞれの目標に邁進するC大阪と千葉。2006年シーズン以来、8年ぶりの対決。(14.10.14)

公式戦では2006年度のJ1リーグ戦以来、そして、天皇杯では05年度の第85回大会5回戦以来となる顔合わせとなるのは、J1のC大阪と、J2の千葉。2年ぶりのベスト8入りを果たした両者は、前身のヤンマーディーゼル、および、古河電工の時代には、この日本最古のカップ戦を幾度も制したことがある古豪同士。現在のチームになってからの天皇杯初制覇を目指して、雌雄を決する。

C大阪も、千葉も、互いのカテゴリーで、さらなる高みを目指していた今季。しかし、その思惑通りにはいかず、ともにシーズン途中での監督交代を実施。C大阪はJ1残留争い、J2の千葉はJ1昇格争いにて、もがき続けている。ただ、最近の動向を見ると、調子が上向きなのは、千葉。7月9日から指揮を執る関塚隆監督のもと、リーグ戦15試合では6勝7分け2敗と勝点を積み重ね続け、特に最近5試合では3勝2分けと負けなし。J2プレーオフ圏内を争う福岡、札幌とのライバル対決に連勝し、今季最高の5位まで浮上してきた。天皇杯でも、3回戦では、12-11というPK戦スコアの末に柏との千葉ダービーを制すると、ラウンド16では長崎に2-1と競り勝った。

一方、今季3人目の指揮官として、アカデミーダイレクター兼U-18監督の大熊裕司氏が9月8日から采配をとるC大阪は、リーグ戦では12試合ぶりの白星でリスタートすると、首位の浦和にも勝利し、一時はJ2降格圏を抜け出したが、前節では、同じくJ1残留を争う清水に、アウェイで0-3と完敗。主将の山口蛍が負傷で長期離脱を強いられているだけでなく、南野拓実がU-19日本代表のため不在。さらには、丸橋祐介と長谷川アーリアジャスールが累積警告で出場停止ということもあり、限られた戦力での試合だったが、痛恨の敗戦で、今季最低となる17位に順位を落とした。

それでも、C大阪としては、大熊監督初陣だった天皇杯ラウンド16の磐田戦のように、このカップ戦から再びチーム状況を上げたいところ。リーグ戦中断期間では、2014 AFC U-19選手権に出場中の南野や、韓国代表のキム ジンヒョンが不在の中でも、指揮官や選手たちがプレーの確認で意見を交わしながら、ピリっとした雰囲気の中で、充実したトレーニングを実施。イレブンのモチベーションや団結力は上がってきている。「天皇杯は、1つのタイトルを獲れるチャンス」と扇原貴宏も言うように、今季目指していた悲願の初冠に向けて、大事な戦いとなる今回。リーグ戦での巻き返しのためにも、「千葉戦に勝って、いい流れでリーグ戦の鳥栖戦に向かいたい」(扇原)ものだ。さらには、ホームの1つであるキンチョウスタジアムでの試合となるのも、C大阪にとっては大きなアドバンテージ。桜色のサポーターの大きな後押しを力に、3年ぶりのベスト4を狙う。

06年最後の対決となったJ1第23節では3-2、05年度の天皇杯では5-2と、いずれもC大阪が千葉を下しているが、果たして今回はどのような結果になるのか。U-19日本代表のグループリーグ突破に大きく貢献した南野の活躍を励みに、フォルラン、カカウをはじめとするC大阪イレブンがJ1の意地を見せつけるのか。それとも、古巣対決に臨むケンペスや、リーグ戦2試合連続得点中の森本貴幸など、J1と遜色ない実力者揃いの千葉が、現在の勢いをそのままに、C大阪を倒して02年度の第82回大会以来となるベスト4入りを果たすのか。ともに、天皇杯だけでなく、今後のリーグ戦の動向も占うような、ビッグマッチになることは間違いない。

以上

2014.10.14 Reported by 前田敏勝
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