2011年に来日し柏、湘南でプレー、2013年途中に群馬へやってきたクォン・ハンジン。日本語がみるみる上達している心優しき韓国人DFは群馬2シーズン目となった今春、愛車を購入し練習場まで“マイカー通勤”している。
運転歴が1年未満のため車には“初心者マーク”。右側通行の韓国と違い、日本は左側通行となっていることもあり、最初は戸惑いを隠せなかった。ハンジンは慣れない日本の道や標識と格闘しながらドライバーズテクニックを上達させてきた。
夏前にマイカーライフについて尋ねた時は「練習場へ行く以外に遠出はしたことはありませんね。近くのショッピングセンターに買い物へ行くくらいで、まだまだ初心者です(笑)」と謙虚な姿勢を見せていた。
そんなハンジンに試練が訪れた。今秋、韓国から親しい友人が来日。車を買ったことを伝えたところ、その流れで群馬から都内までドライブすることになってしまったという。ハンジンが焦ったのには理由があった。彼の車には、ナビがないのだ!
ドライブ当日、さらなる試練が重なった。スマホのマップを参考にドライブをスタート、高速道路へ乗った車を台風の豪雨が襲ったのだ(台風だったら中止すれば良かったのに笑)。不屈の魂を持つ韓国人DFは、激しい雨がフロントガラスを叩く中、都内へ向かったという。
関越道から外環を経て都内へと近づく。首都高から銀座までの道のりは、悪夢だったそうだ。雨で視界が遮られる中、複雑な道を進む。2人を乗せた車は何度も道を間違えて、やっとのことで銀座へ到着。友人は銀座でショッピングを楽しんだが、ハンジンは復路が心配で満喫できなかった。
銀座を後にした一行は、その次に向かった新大久保で韓国料理を食べて帰途へついた。帰りもお決まりの大雨がハンジンの車を歓迎。ハンジンは慣れない長距離運転にふらふらになりながら、やっとのことで群馬へ帰ってきたという。
「東京は楽しかったのですが、都内までの運転は二度としたくないですね。次に行く時は絶対に電車で行きます。東京は車で行く場所ではないということがわかりました」。日本で多くのことを吸収しているハンジンだが、また一つ成長を遂げたことは確かだ。
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2014.10.14 Reported by 伊藤寿学