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【toto情報】コラム:地図に残る仕事だからこその、慎重さを(14.10.03)

その昔テレビで放送されていたCMに「地図に残る仕事」というキャッチコピーのものがあった。土木系の会社のCMだったが、地図が変わるだけの仕事をやっていることの矜持をこのコピーから感じとり、なおかつインフラ整備という仕事の重大さを感じた。

先日、JリーグからJクラブにクラブライセンスが交付されたことが報じられた。Jクラブには、各ディビジョンごとに必要なライセンスがあり、Jクラブはこれを取得することが求められている。このクラブライセンスの審査において、重要な要素の一つとなるのがスタジアムだ。現状改善のための意見がついたものの一つにトイレの不足があげられるが、それ以外にも収容人数や屋根の不足があげられており、こうした施設の不備を指摘されるスタジアムが多数に上った。

Jリーグの公式戦を開催するにはその器としてスタジアムが必須となるが、まだまだ日本には陸上トラックが併設されたスタジアムが多い。長く日本に根付いてきた野球文化の影響もあり、日本には野球専用スタジアムは数多いが、サッカー場はまだまだ少ない。スタジアムに意見が付いたクラブは今後、改善計画を作る必要があるが、陸上競技場やサッカー場を改築するのか、それともサッカー場を新設するのかを、クラブが拠点とする自治体やその住民たちが決めていくことになる。Jリーグ開幕から20年を超えた日本では、Jクラブの存在意義や、そのためのスタジアム建設について前向きに議論する余地が増えているのではないかと思っているからこそ、慎重な計画をお願いしたいと思う。なにせ、スタジアム建設は地図に残る大事業である。だからこそ、計画の段階でボタンを掛け違えてはならない。

壮麗な規模で新築されることが決まっているのが2020年の東京五輪に向けて新築される新国立競技場である。コンペで選ばれた最終案は、どれも凝ったデザインのもので、そこから選ばれたザハ・ハディドの最終案はスタジアム以外の設備も、その巨大さが目立つものだった。その後、建設費の高騰や巨大さなどが見直され、当初のザハ・ハディド案は縮小されるのだが、一部の専門家からは工法そのものに疑問符が付けられる事態となっている。要するに、建設するには技術的に高いハードルを超える必要があるというのである。

先日、技術的な問題について、ある建築系の専門家に聞いたのだが、その方は「日本の技術ならできます」と太鼓判を押していた。専門家のその言葉を信じたいと思うが、そのために巨額の費用をかけていいのか、という問題もある。成熟してきた現代の日本においては、インフラ整備には、費用対効果の検討がなされるべきだろうと思う。

そんなことを思っていたのだが、つい先日開かれた新国立競技場計画についてのシンポジウムの席上、競技場のデザインを審査した審査員が、審査について「拙速だったと言われても仕方がない」と話したとのニュースが伝わってきた。このニュースを読んで「何を今更」と強い怒りを感じた。

何はさておき、「国立」との名前が付くスタジアムの新設である。できるだけ誰もに親しまれるデザインで、末永く使えるものにするべきで、奇異なデザインである必要はない。保守的だと言われるかも知れないが、シンプルかつメンテナンス性の高いものでいいと思っている。もし先進性を問いたいのであれば、日本の国情を良く知る日本人の若手建築家からの案を採用して欲しいとも思った。国粋的だと言われようが「国立」の競技場である。それをデザインする能力も、建築する能力も日本人が持つのであれば、日本人が作るべきだったのではないかと、ちゃぶ台返ししたい気分である。

なお、この新国立競技場にもtotoの収益金は当てられる。そう考えると、新国立競技場建設の建設は、審査を担当した建築家だけのものではない。何しろ新国立競技場は地図に残る大事業である。気がつけば、何もかもが決まっていた印象があるデザイン案の決定過程をもう一度やり直してもいいように思うのだが、これは何もかもひっくり返し過ぎだろうか。いずれにしても、日本の叡智を結集すれば、末永く愛されるスタジアムを作り上げられるはず。期待したいと思う。

以上

2014.10.03 Reported by 江藤高志(川崎F担当)

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