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【J2:第34節 大分 vs 長崎】レポート:押し込みながらも決定力を欠いた長崎の連勝がストップ。大分は苦しみながらも勝点1を得た。(14.09.29)

チャンスの数も、シュートの数も、ホームチームをはるかに上回った。それでも結果は1−1の引き分け。プレーオフを目指す長崎にとって勝点2を逃した試合となった。高木琢也監督が「90分通してそこそこプレーできたが、追加点を奪えず引き分けに終わってしまった」と振り返ったように、試合の大半を支配した前半に追加点を奪っていれば、違う結果になっていただろう。ただ、押し込みながら勝ち切れないのは、昇格を狙うチームとしては物足りないものだった。

高木監督はポイントとして「2点目を取れない」と課題を挙げた。前半だけで11本のシュートを打ちながら佐藤洸一の1点だけでは、そこに修正点を求めるのは当然だ。ただ、真の課題は別の部分に見出せる。前半からアグレッシブにプレーしていたため運動量が落ちたのは仕方ない。耐えなければいけない時間帯に失点したことが問題だ。「悪い流れのときにしっかり試合を作れるようにならないといけない」と石神直哉が話したように、常に仕掛けるのではなく緩急を付けた試合運びが必要となる。

一方の大分は、体が重く、防戦一方となった前半の見せ場は、試合開始直後に伊佐耕平のパスに抜け出した為田大貴のシュートの場面のみ。空中戦を得意とする長崎に対し、アンカーを置く4−1−4−1から、最終ラインの前にダブルボランチを据えた4−2−3−1に変更。前線からプレスを掛け、パスの出どころを封じた。ただ、その作戦が裏目に出た。プレスを回避しようとロングボールを放る長崎にセカンドボールを拾われた。高い位置を取りたかったダブルボランチが押し込まれ、「後ろが重かった」(高木和道)。クロスからの失点はそんななかでの出来事だった。

業を煮やしたゴール裏のサポーターのブーイングが低調な前半を物語っていた。ハーフタイムに田坂和昭監督の「こんな試合じゃサポーターは納得しないぞ。セカンドボールを拾うには球際で負けるな。しっかり戦おう」という指示が効き、後半はセカンドボールを拾い、ボールが回りはじめた。だがそれでも、シュートまで持ち込める回数は少なく敗色濃厚…とさえ思われた大分を救ったのが、チームに加入して3試合目のダニエルのスーパーミドルだった。56分に為田大貴の折り返しを右足で振り抜くと、低い軌道のシュートがゴール左隅に決まった。

苦しみながらも勝点1を拾った大分は、このあとの対戦が磐田、松本、千葉、岡山と上位対決が続く。「これからの試合で球際の強さ、戦うことがポイントになってくるので、特に今日の前半を教訓にしていきたい」と田坂監督。上位陣で唯一の得失点差がマイナスのチームに、正直なところコレといった武器はない。愚直にひとつひとつ粘り強く戦い、勝点を積み上げプレーオフ圏内を堅持したい。

以上

2014.09.29 Reported by 柚野真也
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