「しっかり決めろ!リョウイチ!」。
26日に行われた紅白戦。“レジェンド”の懐かしい声が、練習会場となったヤマハスタジアムに響いた。
クラブは25日にシャムスカ前監督の解任を発表。また、同時にクラブOBで元日本代表の名波 浩氏の新監督就任を発表した。20日のホーム・北九州戦(3○1)でリーグ5戦ぶりに勝利した磐田だが、続く23日のアウェイ・水戸戦(1●4)に大敗。後半戦の失速を何とか打開するために、クラブは監督交代という大きな決断を下した。
26日の監督就任記者会見に出席した名波 浩新監督は「選手たちと一緒に素晴らしいサッカー、美しいサッカーを目指したい」と宣言。チーム状況を「危機的状況」と分析し、「(選手たちに)勝点3の重み、90分の重みというものをもっと強く感じさせなければいけない」と語気を強めた。
トレーニングは26日より指揮。「プレーオフうんぬんではなく、可能性がある限り上を目指す」と選手たちを鼓舞し、新体制での初練習をスタートさせた。紅白戦では早速独自のカラーを出した。主力組の1本目の布陣は[4-2-3-1]。前体制ではボランチで起用されていた小林祐希をトップ下に起用。また、2列目の右サイドには今季ここまでサブに回ることがほとんどだった松浦拓弥を置き、駒野友一、伊野波雅彦の日本代表経験者も主力組に復帰した。
新指揮官は「リラックスしてできた」と初練習を振り返り、愛媛戦へ向けて「監督としてのデビュー戦をこのスタジアムでできることは嬉しい」と意気込みを語っている。この日、ヤマハスタジアムには平日にもかかわらず、約300人のサポーターが集まり、新指揮官へ熱いエールを送った。多くのサポーターが待ち望んだ“名波・ジュビロ”の初陣。はたしてどんな戦い・采配を見せるか。
対する愛媛はここ4試合負けなし。勝点38の18位とプレーオフ圏内は厳しい状況だが、まだ可能性は残っている。
前節はホームで千葉と対戦し、2-2と引き分けた。36分に堀米勇輝のCKを村上 巧が決め、1点リードで前半を折り返したが、後半は苦しい展開に。50分に谷澤達也、68分に森本貴幸のゴールを決められ、逆転を許した。しかしながら、試合終了間際に西田 剛のゴールが決まり、2-2。「諦めない気持ちが僕のゴールにつながったと思う」(同選手)。20日の岡山戦に続き、劇的な形で同点に追いつき、勝点1を得た。ただし、石丸清隆監督は「劇的だが、そこまでポジティブではない。後半の戦い方はネガティブな捉え方をしている」と語り、手綱を締めた。2連戦を終え、再度チームを微調整して今節に臨むことになるだろう。
今節はエース・河原和寿が出場停止明け。今季はここまでチームトップの10得点をマークしている点取り屋の復帰は大きい。石丸監督が「攻守のスイッチ」と高く評価するFWは、敵陣で起点を作ることができるか。一方、今節は今季ここまでリーグ29試合に出場している守備の要・村上佑介を累積警告による出場停止で欠くことになる。
試合会場はヤマハスタジアム。キックオフは16時。天気予報は晴れ。秋晴れの空の下、好ゲームを期待したい。
以上
2014.09.27 Reported by 南間健治