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【J1:第26節 G大阪 vs 鳥栖】プレビュー:勝点1差で競り合う4位・鳥栖と5位・G大阪が万博で激突!(14.09.27)

宇佐美貴史がゴールを獲ったらガンバ大阪は負けない―。彼の戦列復帰以降、続いている不敗神話は前節の清水エスパルス戦でも崩れることはなかった。21分、右サイドでボールを受けると、そのままドリブルで左へ流れ、最後は相手DFの股を抜くグラウンダーのシュート。このゴールで先制点を奪ったG大阪は、後半ペースを落としながらも、少ないチャンスをDF丹羽大輝、FWリンスがゴールに繋げて加点し、アウェイの地で0−3と完勝し、今季2度目のリーグ戦4連勝を飾った。

G大阪の勢いが止まらない。それは中断明けの11試合で挙げている、9勝1分1敗、勝点28という数字からも見て取れる。その躍進の要因に挙げられるのが、前述のFW宇佐美をはじめとする攻撃陣の躍動や攻守の切り替えの速さ、そして前線も含めたチームとしての守備の安定だろう。
「先制できている流れもいいし、苦しい時間帯を我慢できているのが大きい。我慢する時間帯はボランチの2人がそういうポジショニングをしてくれていることで、多少FWとの距離は開いたとしても、DFラインと中盤のバランスが崩れずに戦えていますしね。それが無失点に繋がっている一番の要因だと思うので、引き続き追究していきたい」
そう話すのは守備の要、DF岩下敬輔だが、事実、中盤の守備意識の高さもあって、前節の清水戦のように、90分を通してみればG大阪の試合とは言えない展開でも、チームに「獲られない」自信が備わっていることは、我慢の時間帯を耐え切る上で大きな力になっていると言える。

そうして攻守に盤石な戦いを目指しながら、いかに得点チャンスをゴールに結び付けられるかが今節のカギ。特に3月末のアウェイでの対戦時は、チームの自体の調子がまだ上がりきっていなかったこともあって、0−2と無得点で敗戦しているだけに、なおさらだ。だが、「今はどれだけ相手に押し込まれても、しっかり守れるし、点も獲れる自信がある」とFW宇佐美が自信をのぞかせるように、当時と今とでは明らかにチーム状況が違う。その『違い』をしっかり見せつけられれば、結果は伴うことだろう。

中断前を9勝1分4敗の2位で折り返したサガン鳥栖だったが、中断明けの11試合を、5勝1分5敗。黒星が先行しているわけではないないものの、中断前とは一転、五分の戦いとなっている。前々節のベガルタ仙台戦ではエースFW豊田陽平が7試合ぶりとなるゴールを決めたり、ロングボールを主体とした本来の鳥栖らしい攻撃力が垣間見られるなど、勢いに乗るかと思われたが、直近の柏レイソル戦は、完封負け。8月に就任した吉田恵監督のもと、徐々にチームはまとまりつつあるものの、その柏戦後、吉田監督が「まずは体力的にしっかり回復させることが前提だが、自分たちの守備のところでもう少し連携を深めていけば失点は減ってくると思う」と振り返ったように、連携面ではまだまだもの足りなさを感じているようだ。もっとも連戦続きで今はそこまで戦術理解を深める時間がない状況にあるが、試合の中で、あるいは、内容が伴わなくとも『勝利』という事実が組織力をぐっと高めてくれることはある。だからこそ、今節も残り試合で、上位に踏みとどまるための『結果』を求めて万博記念競技場に乗り込んでくることだろう。

注目はその万博記念競技場とも深い縁があるDF安田理大。幼少の頃から同競技場の近くで育った彼は周知の通り、アカデミー時代を含めると実に14年間、G大阪でプレーした選手。フィテッセ(オランダ)から日本に戻り、ジュビロ磐田でプレーした昨年はG大阪がJ2リーグでの戦いとなり、万博でプレーすることはなかったため、今回は2010年にG大阪を離れて以来の万博のピッチとなる。もともとG大阪愛が強かった安田だけに、当然ながら、スタジアムやG大阪への思い入れは心の片隅に持ち続けているはずだが、試合となれば話は別。持ち前の攻撃力を武器に左サイドを果敢に攻め上がることだろう。

両者の勝点は、G大阪が43で5位、鳥栖が44で4位。両者の中断前と中断後の成績が対照的になっている中で僅差で争っている状況だが、上位争いに踏みとどまるためには共に負けられない一戦。両者の勝利への想いが激突する、熱い戦いを期待したい。

以上

2014.09.26 Reported by 高村美砂
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