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【J1:第25節 C大阪 vs 名古屋】プレビュー:J1残留へ、勝利が欲しいC大阪。生え抜き親友コンビをはじめとする若き桜色の戦士たちが、今夏加入の強力助っ人擁する好調・名古屋に挑む(14.09.22)


C大阪と名古屋。ともに今季はここまで下位での低迷を余儀なくされているチーム同士の対戦が、この第25節にやってくる。ただ、C大阪がJ2降格圏の16位を抜け出せていないのに対して、名古屋は最近5試合で3勝2分と負けがなく、一時は16位まで落ちていたチームが12位まで浮上している。対照的な状況で迎えるこの対決だが、C大阪としては当然、降格圏を抜け出すため、勝利が欲しい大事な1試合となり、なおかつ、名古屋を再び残留争いに巻き込みたいところ。一方の名古屋としては、C大阪を振り切って、残留争いから中位争いに移行していきたいところだ。

そのなかで注目は、前線の泥臭さが持ち味のストライカーと、彼らに好機を演出するパサー。C大阪では、第23節・柏戦でプロ4年目にしてリーグ戦初得点を決めたFW永井龍と日本代表MF扇原貴宏の同期親友コンビ。名古屋では、出場した第20節以降、チームの負けなしに貢献しているFW川又堅碁と、中盤の核となっているMFレアンドロ・ドミンゲスの、今夏加入コンビ。互いにそれぞれ、試合に飢えていた選手たちの活躍は、間違いなく勝敗を左右するだろう。

9月8日から指揮官に就任した大熊裕司監督(C大阪アカデミーダイレクター兼U-18監督も兼任)のもと、アカデミーでも実践しているような、全員攻撃、全員守備のスタイルを、トップチームでも生え抜き選手たちを中心に実践。そこで、前線からのプレスの先導役として、90分間走り続ける背番号9、永井の存在は、日に日に大きくなっている。しかも、大熊新体制後、桜の聖地・ヤンマースタジアム長居では現在公式戦2試合連続得点中。現在リーグ戦でも2試合連続先発中の彼の調子如何が、今ではチームの結果に直結しつつある。

前節、G大阪との大阪ダービーの敗戦でチャンスを決めきれず、心底悔しがっていた永井だが、もう後ろは振り向かない。振り向く暇はない。「きわきわの勝負を自分の力でできているのは、プロになってからなかったこと。チャンスであり、試合での喜びを感じているし、プロになって初めてきちんとサッカーをしている感覚」というストライカーは、「相手にも闘莉王選手(田中マルクス闘莉王)とか本当に強いDFがいるし、そこで対峙して勝てれば自信になる」と、闘志をメラメラと燃やしている。

永井や杉本健勇ら、前線への貴重な配球役でもある扇原も、前節は累積警告による出場停止で、大事な大阪ダービー欠場を余儀なくされ、悔しさを味わった1人。それだけに「次の名古屋戦では、前に出られなかった分、しっかりとチームに貢献したい」と意気込む。「名古屋は個の力はもちろんあるチームだが、かといって何も怖がる必要はない。自分たちがやろうとしているサッカーがしっかりできれば勝てると信じて戦えたら」とぶれずに突き進む覚悟のC大阪のナンバー2は、「どこかでリズムを変えられたり、スピードを上げるパスを出せたりしたら、前線の選手は活きると思うので、そこはイメージしている」と、自慢の左足で、ゴールを、勝利を導く。

一方、名古屋の川又は、永井謙佑とのコンビでチームに活力を与える存在となり、すでにこのチームで2得点を記録。前節こそ「よくなかった。ダメでした」と反省のコメントを残したものの、今季の移籍前、新潟で出番を失っていたときの鬱憤を晴らすかのように、今は前線で活きのいい動きを見せている。それは、柏からシーズン途中で名古屋に電撃加入したレアンドロ・ドミンゲスも同様。前節、この司令塔は、矢田旭のJ1初得点をお膳立てするなど、2アシストを記録。いまやチームの柱的な存在にもなっている。西野朗監督の求めるサッカーを具現化させつつ、結果を出せる32番、33番の『助っ人』陣は、かつてC大阪戦でもよくゴールを決めていただけに、今節も期待は高まる。

果たして、輝きを見せるのは、C大阪の親友コンビか、名古屋の強力なホットラインか、それとも新たなスターが勝負を決めるのか。かつては、C大阪の流動的な攻撃サッカーと、名古屋の個の力が激しくぶつかりあったこの顔合わせ。今回はどんな結末が待っているのか。とにかく勝利が欲しい両者、特にホームのC大阪としては何度も言うように、勝点3が絶対に求められる試合になるのは、言うまでもない。中2日でも、どこまでハードワークできるかが、ポイントになるだろう。

以上

2014.09.22 Reported by 前田敏勝
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