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【J1:第1節 C大阪 vs 広島】プレビュー:フォルランを加え、強力な陣容で初冠を狙うC大阪。開幕戦で2連覇中の王者・広島に挑む。(14.03.01)

柿谷曜一朗や山口蛍、キム ジンヒョンといった日韓代表選手をはじめ、昨シーズン4位に躍進したメンバーを主体に、久々にJリーグへやってきた世界のビッグネーム、2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会得点王&MVPのウルグアイ代表FWフォルランを加え、悲願の初タイトルを狙うC大阪。2014年、J1開幕戦では、森保一監督のもと、佐藤寿人、青山敏弘、高萩洋次郎らを擁し、今季3連覇を目指す広島と、ホーム・ヤンマースタジアム長居で対戦する。初陣にして、プレシーズン中から常に脚光を浴び続けた桜色の戦士たちと、成熟の域に達しつつある王者との、注目のマッチメイクが組まれた。

両者ともに2月25日にAFCチャンピオンズリーグ初戦を戦い、C大阪はアウェイで浦項に、広島はホームで北京に、それぞれ1−1と引き分け、中3日で開幕戦に臨むことになる。広島はFUJI XEROX SUPER CUPの横浜FM戦から8日間で3試合目となり、一方のC大阪も、韓国移動を強いられたハードスケジュールで迎える、今回の一戦。条件的には、どちらにもそれほど差はないだろう。鍵は、攻守に連動したサッカーを繰り広げる広島に、若き桜の戦士たちが国際経験抜群のフォルランを加え、どこまえ対峙できるかというところに尽きる。

ちなみに、昨シーズン終盤、優勝争いの真っ只中で、両者がキンチョウスタジアムで対戦したときには、しびれるような緊迫した展開のなか、C大阪がシンプリシオ(現神戸)のゴールで広島を1−0と下し、上位戦線に生き残った。それまでは3連敗中だった広島相手に勝利した事実は、C大阪のイレブンに大きな自信を与えた。

ただし、広島という相手が強敵であることには変わりない。実際にその勝利した試合でも、1点リードしたあとには、広島の怒濤の攻撃を耐える展開が続いただけに、C大阪は広島の戦いをリスペクトしている。「広島相手だと、ああいう(接戦で、先行する)展開にせざるを得ない。固い試合で、(途中まで)0−0で持って行けたらなと思うし、昨年の最後のほうのような試合をもう1回できればなと。ウチのチームは、1点は入ると思うし、(C大阪の攻撃陣を)信じているので。あとは、どれだけチームとして守れるかというところ(がポイントになる)」というのは、チーム最古参の酒本憲幸。また、舵取り役の扇原貴宏も「固い試合になると思うが、しっかり我慢強く戦えば、勝てるチャンスは十分にあると思う」と述べ、C大阪としては我慢比べに持ちこむことが、勝利への近道になりそうだ。

そうなると、やはり、一発を持っているフォルラン、柿谷への期待は大きくなる。浦項戦では勝利につながらなかったとはいえ、エースの柿谷にゴールが生まれたのは、チームとして明るい材料。浦項戦の引き分けを悔やんだ柿谷は「今度は勝利につながるゴールを取りたい」と、さらなる気合いを込める。また、フォルランは、2月中旬の来日から、タイトな日程が続き、まだ本調子とまではいかないものの、「チームのためにプレーすること、そのためにゴールをするだけを考えている。今季がいいシーズンだったと言えるようにするためにも、いいスタートを切りたい。年間を通してだが、とにかく皆さんに勝利を捧げられるように頑張りたい」と、改めて決意を述べている。

一方の広島は、FUJI XEROX SUPER CUPでは野津田岳人、浅野拓磨の19歳コンビのゴールで横浜FMを2−0と下し、今季初タイトルを獲得。ACL北京戦では勝点1の確保に留まったが、開幕前に負傷者が出た影響もあり、ベストの陣容とまではいかないなかでも、「(佐藤)寿人さんのところにとか、どこからでもパスが出てくるし、気を抜いていたらすぐに裏を取られる。本当に常に集中しておかないといけない」とC大阪DF藤本康太も警戒するような、広島らしいサッカーは変わらず。FUJI XEROX SUPER CUPのときのように、開幕戦でも、序盤から攻勢を仕掛けて、敵地でも試合の主導権を奪いに来ることが、容易に想像できる。

それでも、攻撃が特長の両者の戦い。見応えあるゴールショーを期待せずにはいられない。果たして軍配が上がるのは、C大阪か、広島か。ピッチで輝くのは、フォルランか、柿谷か、佐藤か、はたまた、新たなスターの登場なるか。14時キックオフとなる試合で、そのすべては明らかになる。

以上

2014.02.28 Reported by 前田敏勝
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