2月22日(土)FUJI XEROX SUPER CUP 広島 vs 横浜FM(13:35KICK OFF/国立)
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蹴春到来を告げるキックオフの時が迫ってきた。横浜FMは2004年・2005年の連続出場以来、4度目のFUJI XEROX SUPER CUPの出場となるが、まだ一度も勝ててない…。初出場した1996年大会はストイコビッチ擁する名古屋グランパスに0−2。04年・05年の両大会には中澤佑二とドゥトラが、05年大会には栗原勇蔵も先発で出場していたが、ともにPK戦の末敗退。04年は磐田に大会2連覇を許し、05年はホーム・横浜国際総合競技場での戦いで、東京Vに優勝をさらわれた。正直、よい思い出は残っていない。
だが、天皇杯のカップウィナーとして初めて臨む今回は、新たなタイトルを掴み取るチャンスが十分あるとみる。対する広島とは昨年度3回、顔を合わせ3連勝。相性はすこぶるよい。そして今季のシーズンインからの対外試合では5勝1分けと負け知らず。数字だけを見れば、ここまでの調整工程は悪くない。よって、その仕上げの最終段階の今大会で幸先よいスタートを切り、差し迫ったAFCチャンピオンズリーグとJ1リーグ戦の開幕を、勢いをもって迎えたい。さらに1月19日の新体制発表会で、樋口靖洋監督は今季の「5つのすべてのタイトルを掴みにいく」と高らかに宣言。よって、出だし一発目のタイトルから逃すわけにはいかないのである。
試合でまず着目したいのは、指揮官の采配ぶり。具体的に言えば、藤本淳吾(前名古屋)、下平匠(前大宮)といった新戦力をどれほど試すかだ。今シーズンもベースとなるのは、大黒柱・中村俊輔をトップ下に据えた4−2−3−1システムであるのは間違いないだろう。ただ、シーズンインから間もないこの時期、新加入選手たちがまだその戦術に順応していないように見える。13年9月のシステム変更後、ほぼメンバーを固定して戦っていたこともあり、先発組との戦術理解の温度差があるのは仕方がない部分である。だが、「いずれ馴染む」と悠長に構えていられない。前記のとおりACLを挟む例年以上の過密日程がすぐ待ち構える今季は、選手層の厚さが肝となる。だからこそ、現行システムに誰が加わったとしても、一つの歯車として噛み合わせよく回らなければならない。わずか1試合、しかもタイトルが懸かった大事な試合で試すことにも限度があるが、新戦力をフィットさせる貴重な公式戦の場であるのは確か。樋口監督は、まだ馴染んでいない“真新しいカード”をいかに切るかのだろうか。
選手に目を向ければ、宮崎キャンプから通して好調ぶりをアピールしているのは齋藤学。オフに左足首を手術した影響など見せず、練習試合で6戦中4発を叩き出す。代名詞であるドリブルの切れ味も健在だ。昨季リーグ戦16得点のチーム得点王・マルキーニョスの抜けた穴が小さくないだけに、今季はフィニッシュの面でも大きな期待がかかる。好調を持続させ、6月のブラジルワールドカップ本番の日本代表に滑り込むためにも、まずは天皇杯決勝に続く“国立連続ゴール”を狙っているに違いない。
対横浜FM連敗中の広島はトリコロールのユニフォームを見て、闘争心をたぎらせるに違いない。元日に敗れたばかりなのだからなおさらだ。その相手に対し、天皇杯決勝同様したたたかに勝てれば、風格をまとい、本気で「5冠」獲りに挑戦できる。
以上
2014.02.21 Reported by 小林智明(インサイド)