本日行われましたコンサドーレ札幌の新加入選手会見での出席者のコメントは以下の通りです。
◆新加入選手へのメッセージはこちら
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●三上大勝GM:
「まず全体的な話としまして、チームの目標は今シーズン、J1昇格という形で置いています。さらに昨年から取り組んできました、財前恵一監督が目指す、攻守両面における連動性というものをテーマとして考えたときに、昨シーズンはいい形というのは見えましたけれど、最終的にはJ1昇格プレーオフ進出というのが叶わなかったなかで、チームとして解消できなかった課題が何点かありました。象徴的なところでの課題を言いますと、相手チームに引かれてブロックを作られた場合になかなか崩しきれなかったというところ。それを一番に感じておりました。ですので、この2014年シーズン、攻守ともに連動するというテーマを継続してやっていくということ、そして昨シーズンに解消できなかった課題を改善できるように、という狙いから声を掛けさせてもらったのが、ここにいる選手です。そうしたことを前提としたなかで、個人それぞれについてのお話しをさせていただければと思います。
まず薗田淳選手に関してはセンターバックとして考えています。昨年、最終ラインでは数名の選手が切磋琢磨するなかでやっていましたが、チームとしてJ1昇格さらに定着というものを目指したなかで、センターバックというのは非常に大切なポジションだと思っております。そのなかで、先ほどお話しした攻守連動の『守』のところにおいての役割を果たせる選手を考えたときに、私のなかでは薗田選手が一番に浮かびました。個人的に彼のプレーは彼の高校時代から見てまして、その頃からポテンシャルの高い選手という印象を持っていました。残念ながら本人が言うように、怪我等々で昨年はなかなか活躍する機会がありませんでしたけれど、怪我が治ってからのトレーニングゲームなどを見させてもらっていて、高校3年時に感じたポテンシャルまたはプロを経験したことによる成長、そういったものは見られました。ある意味では、ここまでなかなか大きな活躍ができなかったということが、私のなかでは不思議という感覚です。何とか彼の持っているポテンシャルを引き出し、それができた場合にはチームとしての目標達成を果たす大きな要因になるだろうと思っております。
次に菊岡拓朗選手。先ほど言った、ブロックを作られたときに崩しきれなかったという課題を解消しようというなかで、攻撃の連動性のところで、もう少しボールをテンポよく回したいというのがあります。菊岡選手の特徴としては非常に技術が高く、そういったテンポ良いボール回しというのができる選手だと思っています。彼の特徴を考えたときには、4−2−3−1のフォーメーションの3のところであればどこでもできるだろうと考えています。また、フリーキックというのも彼の特徴です。精度の高いキッカーとして見てまして、彼の水戸時代、そこから東京Vに移籍してから。そうした時期にもチームとして非常に注目させていただいていました。昨シーズンの課題を解消するうえで、菊岡選手のような特徴を持った選手が加わることで、1段も2段もチームがレベルアップできるのではないかと思っています。そして同時にセットプレーの精度もさらに上げていきたい。彼の力があれば、そうしたことができるのではないかと思い、声をかけさせていただきました。
続いて石井謙伍選手です。皆さんご存知のように、5シーズンぶりに札幌に帰ってきてくれました。個人的には、5年前に彼に対して厳しい決断をさせていただいた張本人として、そのときに交わした石井選手との言葉というのは、彼がもっと成長をすることを考えたときに、一度外のチームを経験することがいいと判断し、そのなかで『必ずクラブとしてしっかり見ているから、成長して、また一緒にサッカーができるように頑張って欲しい』と送り出しました。その後彼は愛媛さんで選手としても人としても成長をしてくれたと思っています。そのなかで、今シーズンの三十数名という選手のなかでも、アカデミー出身、北海道出身の選手というのは多いのですが、その選手たちにはまだまだ足りないところがあると思っています。その選手たちに、いい刺激を与えるためにも彼のような選手が帰ってきてくれることは非常に大きいと感じていましたし、また戦術的なところでも、4−2−3−1のサイドハーフまたはFWもこなせるユーティリティさも持っています。そういったところを期待して、また声をかけさせてもらいました。
次に金山隼樹選手ですが、GKとして昨シーズンはイ ホスン選手が予想以上の長期離脱となってしまい、層を厚くすることができませんでした。やはり失点を最小限に抑えながらゲームをコントロールし、攻守ともに連動したサッカーをして、かつ結果を出していくということを考えたときには、GKというのはより大切なポジションになってくると考えています。そうしたなかで金山選手のプレーを昨シーズン1年間、見させていただいたのですが、非常に能力とポテンシャルの高い選手だと感じていました。そして金山選手と年末にお話しをさせてもらったときに、彼のプロ選手としての心構えだったり、考え方というのは私自身が非常に刺激を受けるところでもありました。その彼が加わってくれたことは、GKの層を厚くしてくるだけでなく、チームとしても最少失点を目指すという部分を言葉だけでなく、中身も充実したなかでやれるのではないかと思い、彼に声をかけさせてもらった形になります。
上原拓郎選手はアカデミー出身、北海道の大学経由という形で加わってもらいました。彼は高校時代から強いキャプテンシーを持っていまして、そのキャプテンシーやハートの強さというのは教えられて身に付くものではないものです。ただし、その当時はまだまだ体ができていなかったということもあって、彼のポテンシャルを引き出すことができていなかったのかな、という風に当時は思っていました。そこから大学での4年間で彼なりに努力をし、学生としての勉学もそうですが、人としての周囲との付き合いかたや社会人としての成長。そういったものが身体とともにできてきていました。彼はボランチもしくはサイドバックとしてもプレーできますし、先ほどお話ししたように、キャプテンシーがあるというところで言うと、若い選手が多いなかでそうした選手がいるというのは、非常に大きなポイントになると考えています。そうしたことも期待しています。
同じく工藤光輝選手もアカデミーから大学を経由して加わってもらいました。彼は高校時代から得点にこだわる、言葉に語弊があるかもしれませんが、わがままなくらいゴールにこだわる選手でした。それは非常にいい特徴だな、と思っていましたが、一方で当時はグループのなかで自分を生かすという術をまだまだ身に付けることができていなかった。そうしたなかで、大学4年間で経験してきて欲しいとアカデミーから送り出したわけですが、上原拓郎選手同様にその4年間というものをプラスにしてくれたと思います。彼の特徴である得点への嗅覚やこだわりといったものを残しながら、かつ足りなかったグループでの役割も学んできてくれたと感じます。ウチの攻撃陣も層は厚くなってきていますけれども、ぜひ彼にはその一角を担い、結果を出してもらいたいと思っています。
そして内山裕貴選手になりますが、彼に関しては非常にこの年代で注目されているセンターバックのひとりです。私自身、彼を初めて見たときに『久々クレバーなタイプのセンターバックが出てきてくれたな』と感じました。現在ウチにいる、あるいはアカデミーにいたセンターバックというのは、どちらかと言うと人に強いタイプの選手が目立っていました。内山選手は人への強さもありますが、私のなかでは現在トップチームでコーチを務めてくれている名塚善寛コーチのようなクレバーなDFだなという印象を持っています。その意味では、現在トップチームにいないタイプのセンターバックでもありますし、この内山選手のようなセンターバックを育てていくことが札幌がJ1で安定した戦いをすることにつながっていくことと思っていますし、さらに言えば日本サッカー界のレベル向上にもつながるのではないかと思い、そういう期待を持って声をかけさせてもらいました。
今日、出席している選手に関しては以上が経緯となりますが、不在の選手について言えば、前寛之選手は兄の貴之選手と同様、その年代にしては珍しくフィジカルに強さを持った選手だと言えます。かつ技術的にも優れており、ボランチなどで相手ボール保持者をつぶし、そこからパスをさばくというプレーができる選手だと思っています。体がかなりできていますが、もっともっと成長できるものがあると思っていまして、それができればさらにスケールの大きなプレーができるだろうという期待も持っています。
そしてヘナン選手ですが、小気味よいドリブルが武器で、例えばウチのチームで言えば前田俊介選手のように1人でボールを保持して時間を作れる選手がいますが、それに対してヘナン選手は自分ひとりで相手を1人、2人とかわすことができるタイプのドリブラーで、そこからチャンスメークができるという特徴を持った選手です。チームの課題解消を目指したなかで、そういったオプションを持った選手を加えたい、といった考えからの獲得となっています。以上、簡単ではありますが、チームが目指す方向と、それに合わせた選手獲得の狙い、そして選手個々の特徴についてお話しさせていただきました」
<各選手挨拶・質疑応答>
●薗田淳選手:
「川崎フロンターレから加入しました、薗田淳です。僕自身、昨シーズン1年を棒に振って、そのなかで札幌からお話しをいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。プロ8年目になりますが、7年間はプロとして思うように結果を残せなかったので、札幌で人生を変えるつもりでやって来ました。これからよろしくお願いします」
Q:ストロングポイントは?
「自分の良さは球際の強さだと思っているのですが、最近はあまりプレーができていないので、自分の良さを忘れかけているようなところもあると思うので、この札幌でまた自分の良さを出していきたいと思います」
Q:札幌への移籍を決めた理由について。
「川崎F、町田でプレーをしてきて、その環境に慣れてしまい、自分に甘くなっていたようなところもあったので、そういう意味で環境を変えたほうがいいのかな?とも思っていましたし、新しい自分をこの札幌で見つけたいという気持ちもあります。札幌は若い選手も多く、ボールを動かしながら戦える、いいチームだという魅力を感じていました」
●菊岡拓朗選手:
「菊岡拓朗です。J1に昇格するためにこのチームにきたので、今年1年、高い目標を持ってやっていきたいと思います。よろしくお願いします」
Q:ストロングポイントは?
「相手ゴールへ向かうプレーとセットプレーです。そうしたプレーから得点に絡んでいくところが特徴だと思っています」
Q:札幌への移籍を決めた理由について。
「J1昇格するために移籍をしてきました。札幌ドームで試合をするたびにいつも、やり難い雰囲気があったので、そのサポーターの皆さんと一緒に戦えるというのは自分にとってプラスになると考えたことも理由のひとつです」
●石井謙伍選手:
「愛媛FCから移籍してきました、石井謙伍です。札幌には5年ぶりの復帰となるのですが、以前所属していた時とは違い、自分の年齢もチームの中で上のほうになってきたことと、アカデミー出身者のなかでは最年長にもなるので、新加入ではありますが、チームを引っ張っていけるようにやっていきたいと思います。今シーズンはJ1昇格が絶対目標となると思うので、チーム、サポーター、メディアの方々も含めて一丸となって戦っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
Q:ストロングポイントは?
「皆さんはFWとしてのイメージを持ってくれているとは思うのですが、愛媛に行ってウイングバックやサイドハーフを経験して、上下動を繰り返すということを植え付けられたので、そういう部分だったり、または球際の部分などは成長をしたと思っているので、そこは見て欲しいです」
Q:札幌への移籍を決めた理由について。
「僕は札幌の魅力は充分にわかっていますが、J1昇格を目指せるチームだと思いますし、アカデミー出身者の最年長となるので、そのことは自分にとっても大きいと思いますし、そういった部分でも移籍を決めました」
●金山隼樹選手:
「長崎から移籍してきました、金山隼樹です。今年1年、J1昇格に向けて精一杯やることと、自分としては昨年に続き、2年連続のJ2最少失点を目指していきたいと思っていますので、よろしくお願いします」
Q:ストロングポイントは?
「GKとしてまずは失点をしないことが大事だと思うのですが、そのなかで自分としては、キックで攻撃の起点を担ったり、ビルドアップをしたりというところを発揮したいと思っています」
Q:札幌への移籍を決めた理由について。
「去年、2試合を札幌と対戦しましたが、チームに力があってやり難い相手でしたし、J1に近いチームだと思い、自分もそれに加わってJ1に昇格したいと思い、ここに来ました」
●上原拓郎選手
「上原拓郎です。アカデミー時代から札幌に親しみを持っています。僕の活躍次第でこれから北海道の大学も注目されるかもしれないですし、北海道の大学からプロへ進めるという機会も増えるかもしれませんので、その代表としても活躍したいですし、チームのJ1昇格にも貢献できる選手になりたいと思っています。よろしくお願いします」
Q:ストロングポイントは?
「自分はコーチングに強みを持っています。年齢に関わらずしっかりコーチングをして、チームを勝利に導く声を出していきたいです。また、ポゼッションのなかでの攻撃の起点となるパスが持ち味だと思っています」
●工藤光輝選手:
「阪南大学から加入する工藤光輝です。去年1年、特別指定選手として出場機会をいただきましたが、思うように結果を残せず、大変悔しい思いをしました。また、チームとしてもJ1昇格ができなかったことも、自分自身、悔しい思いをしているので、今年こそは何としても『強い札幌』を見せられるように、そして、J1昇格を果たせるようにチームの力になりたいと思っています。よろしくお願いします」
Q:ストロングポイントは?
「ゴール前での嗅覚や感覚を大事にしていますし、そのための駆け引き、ボールのないところでの動きというのを特徴にしていると思っているので、そこを見てもらいたいです」
●内山裕貴選手:
「コンサドーレU−18からトップ昇格しました内山裕貴です。夢だったプロ選手になることができて、嬉しく思っています。自分のポジションはセンターバックなのですが、このポジションは人数も多く、出場機会を得ることも簡単ではないとは思いますが、今年1年は自分にとって勝負の年だと思っているので、1年目であることに関わらず最初から飛ばして、早く試合出場を果たし、『札幌のセンターバックは内山だ』と思ってもらえるようにやっていきたいと思います」
Q:ストロングポイントは?
「自分はカバーリングの部分を強さとして持っていると思っています。ガッチリとした体格がないぶん、センターバックの華である、相手を潰すというプレーはまだなかなか出せないかもしれませんが、そのぶん、相方を際立たせるという部分での良さを持っていると思っています」
以上