●清原邦彦社長
「今季のクラブスローガンは「蒼力結蹴」とした。「総力結集」を基にした造語。蒼は濃い青色。ファン・サポーター、株主・スポンサー、行政、県民のみなさんをはじめカターレを支えてくれているすべての力を「蒼力」と表現した。多くの力を結び付け、それを後押しとして我々クラブのスタッフが一致団結して勝利、前進につなげていくとの想いを込めた。
今季の目標をいくつか示す。Jリーグ加入から5年が経ち、今年は次の5年間の最初。意義のある1年にしたい。Jリーグは昨年20周年を迎えたが、我々のクラブは他に比べると緒に就いたばかり。次の5年は、これまでの経験をもとに成長していきたい。
昨年は(2015年までの)中期目標をもとに15位を目指したが18位だった。今季は10位を目指す。そして北陸新幹線の開通する来年は昇格プレーオフ進出を目指すという構想を描いている。10位は必ず達成できるようにチームのみなさんには頑張ってもらいたい。
実績、技術のある選手に新たに加わってもらい、10位を目指せるだけの補強はできたのではないかと思う。また、これまでのカターレはどちらかといえば静かな、闘志を内に秘める集団であったが、今回は声を出してチームを引っ張る元気のある選手に加わってもらったことも大きい。全体のレベルを上げることができたと思うので期待している。シーズンは3月から始まるがウインドーがあく夏にもチームの状況を見て、補強すべきポイントが明確になれば適切な対応をとりたい。
集客の目標はホーム1試合平均4,500人とする。昨季は目標の4,000人を大きく上回る4,474人だったが、これにはG大阪戦で1万人を超す入場があったためであり、私どもの実力は4,000人ほどと認識している。今季は4,500人に挑戦したい。4,500人をクリアしなければ5,000人もないと考えており、着実な成長を遂げたい。
3つめの目標は健全経営の維持。2013年度は多くの支援をいただいたおかげで、黒字になる見込み。4月の株主総会で公表できると思う。これまでかなり苦しかったがなんとか黒字化できた。今回は選手レベルを引き上げるための投資を行ったが、2014年度も黒字にしたい。
フロント、チームが力を合わせて頑張っていく。今年はワールドカップイヤー。また、富山第一高校が(全国高校サッカー選手権で初優勝するという)大変な活躍をした。同じ県民として誇りに思うし、我々も大きな動機づけをいただいた。プロのサッカーチームとしてしっかり結果を出して10位をクリアし、昇格プレーオフに進出できるだけの力をつけたい。熱く燃えていくので、よろしくお願いしたい」
●安間貴義監督:
「2014年シーズンも指揮をとらせてもらう。選手補強について説明したい。私たちは「有り得ないことを成し遂げる集団になろう」とこれまでもやってきた。富山第一は選手権で優勝するというこれまで有り得なかったことを達成して県民のみなさんに活力を与えた。同じサッカーファミリーとして、さらなる驚きをもって県民のみなさんに元気になってもらいたいと思っている。目標を達成し、プレーオフに進出したい。そのために必要な選手をそろえる努力をした。
勝つためには(昨季の)中心選手に残ってもらうことが必要だった。例えば白崎(凌兵)選手。他のクラブからも多くの誘いがあったようだが、昨季終盤のプレーが示しているように、うちにとって大切な選手であった。彼ら多くの選手が残ってくれたのは大きい。
昇格プレーオフを実際に体験している選手がほしかったが、(秋本選手、水谷選手が加入して)それも準備できた。また、うまくはなったが、おとなしい選手が多かったので、熱をもった選手をそろえることが重要だと考えていた。チームを変えていってくれる選手が来てくれたと思う。これまでは、選手層の薄さが露呈してシーズン途中に失速した。サッカーをする以上、けがが発生するのはしょうがない。負傷した選手をいかに早く回復させ戦列に戻すかポイントになると思い、メディカルスタッフにも変化を与えた」
〜キャプテン御厨選手、新加入選手のコメント〜
●キャプテン・御厨貴文選手:
「僕の役割は今まで通りピッチで(プレーによって)示すこと。加えて監督のサッカーを理解してチームメートに伝えること。まわりの目は気にせず信念を貫いてやっていきたい」
●GK・水谷雄一選手:
「アビスパ福岡から加入した水谷です。カターレでプレーすることを本当に楽しみにして移籍してきました」
●GK・柴田大地選手:
「藤枝MYFCから加入の柴田です。年間を通してカターレ富山の勝利のためにやるぞという覚悟ができている。皆さんに早く柴田大地という人間を認めてもらえるようしっかり頑張る」
●DF・秋本倫孝選手:
「京都サンガから加入の秋本です。今までJ1昇格やJ2優勝を目指すチームでプレーしてきた。今年もJ1昇格を目指してやる。1年間頑張る」
●MF・内田健太選手:
「清水エスパルスから期限付きで加入する内田です。カターレ富山に移籍するにあたり、僕を必要としてくれた安間監督、竹林強化部長をはじめカターレ富山に関わるすべての人のために頑張る」
●FW・三上陽輔選手:
「コンサドーレ札幌から加入の三上です。カターレ富山の勝利のために全力を尽くしたい」
●MF・田中寛己選手:
「山梨学院大から加入の田中です。チームで感動と感謝を伝えるとともに、チームに貢献し、全力でぶつかっていく」
●MF・梅村晴貴選手:
「ジュビロ磐田ユースから加入する梅村です。1日でも早くカターレ富山の戦力になれるようがむしゃらに頑張る」
●DF・内田錬平選手:
「金沢星稜大から加入した内田です。カターレ富山のJ1昇格のために一日一日ベストを尽くしたい」
●MF・棚橋雄介選手:
「期限付き移籍していたFC琉球から戻ってきた棚橋です。今度こそカターレ富山の力になれるよう、精いっぱい、サッカーを楽しんでやっていく」
●DF:吉川拓也選手
「期限付き移籍していたツエーゲン金沢から戻ってきた吉川です。昨年の1年間で成長した姿をピッチで見せられるように頑張る」
●山本良一トレーナー:
「愛媛FCから加入した山本です。安間監督と10年ぶりに一緒に仕事をさせてもらうことを光栄に思う。選手のために必死に頑張り、カターレ富山に関わるすべての人に喜んでもらえるようにしたい」
〜質疑応答〜
Q:安間監督に質問。新加入選手それぞれにどんな役割を期待しているのか。
「秋本選手は昇格争いにずっと携わり、自身で勝ち取ってJ1でもプレーした。昇格プレーオフで昨年も、一昨年もプレーしており、プレーオフとそこに出場するためのリーグ戦での立ち振る舞い方を知っている。想像ではなく体験していて、リアリティーのある言葉をもっているのは強み。ディフェンスではセットプレーでの高さというストロングポイントを全面に出してプレーしてくれればチームにとってプラスになる。
内田健太選手は、うちがこれまでボールを失うことが多かったワイドの位置でプレーして前線につなぎ、得点につながる決定的なパスを出せると思う。逆サイドまで届くキック力とその精度はうちになかったものだ。自分の力で勝ち取ってJ1でプレーしており、成功体験をもっている。それをうちの選手たちに伝えてくれたらよい。
三上選手は札幌でも、うちに練習参加した時にも見せてくれたようにシュートを偶然ではなく狙って決められる選手。昨シーズン後に、うちで練習試合に出場した時にはゴールのニア上を狙った難しいシュートをしっかり決めていた。うちはこれまでも『富山でやりたい』という選手を集めてきた。練習参加後にすぐ加入を決心してくれたところにも彼の意気込みを感じた。
水谷選手の獲得は守田選手の新潟への移籍が決まる前から考えていた。福岡との契約も残っていたが移籍を決断してくれた。京都時代から闘志あふれるプレーでDFラインを鼓舞する姿は印象に残っている。その部分でチームに喝を、熱を与えてくれたらよい。
棚橋選手は期限付きでFC琉球に移籍していたが、得点力と技術のある選手。しかし以前の富山では彼を生かすことができなかった。(パスをつなぎ)地上でコントロールするゲームができるようになった今なら彼の良さが生きると思うので、今までやってきたことを自信をもって発揮してほしい。
吉川選手は金沢でプレーしてもらった。高さがあり、足元の技術もある。試合経験を積ませるための期限付き移籍だった。今年は富山で勝負したいという自分の意志で戻ってきた。私たちも意志のあるプレーヤーを必要としていたので期待している。
梅村選手は磐田ユースの出身でしっかりとした技術がある。練習参加の際に、高校生なのにうちの選手に交じって違和感なくプレーしていて驚かされた。その実力をコンスタントに出せるようにゲーム体力をつけて少しでも早く試合に絡んできてほしい。課題である選手層の薄さをカバーしてくれる選手になってくれるのではないかと思う。
内田錬平選手は昨シーズンのチーム事情が厳しい時期に特別指定選手として来てくれて、プレーで実力を示してくれている。このチームでやりたいと思って籍を置いてくれたことに感謝している。ポジション争いに加わってDF陣の競争を活性化させてほしい。
田中選手はうちでプレーしたいとの意思が強く、最後までこちらからの返事を待っていてくれた。横浜FMのジュニアユース出身で技術があり、中盤、サイドバック、センターバックと器用にこなすオールラウンドの能力はチームにとって大きなものになるだろう。
柴田選手は強気が魅力の選手。チャンスさえあればそれをつかもうとの気持ちがある。それが他の選手にも伝わればよいと思うし、成功してほしい選手だ」
Q:新加入選手に質問。自身のセールスポイントを聞かせてほしい。
水谷雄一選手:
「闘志あふれる姿勢とプレーはプロに入って続けてきたところなので出していきたい」
柴田大地選手:
「強い気持ちをもち続けてサッカーに取り組んでいる。そういう部分がピッチでも出せたらよい。ボールを捕った後のプレーにも注目してほしい」
秋本倫孝選手:
「空中戦や1対1の強さ、奪ったボールをつなげるところを見てほしい」
内田健太選手:
「左足が武器だと思っている。その全てに注目してほしい」
三上陽輔選手:
「体の強さとシュートが長所です」
田中寛己選手:
「止めて蹴るという技術、いろんなポジションでプレーできる器用さが長所です」
梅村晴貴選手:
「特技は攻撃のテンポをつくるところ。ボールを持った時に注目してほしい」
内田錬平選手:
「向上心をもってサッカーに取り組んでいる。高さを守備、攻撃に生かしてチームに貢献したい」
棚橋雄介選手:
「ドリブルで局面を打開することや、ゴール前で仕事をするところが特長です」
吉川拓也選手:
「ビルドアップとキック精度が長所なので、攻撃の最初のパスをつなげるところを見てほしい」
Q:新加入選手に質問。富山というチームに対する印象と、その中での自分の役割をどう考えているか聞かせてほしい。
水谷雄一選手:
「僕が出場して対戦した時は勝ったので弱いなと(笑い)。その中でも、サッカーに対するひた向きさを感じたし、攻守の切り替えなど真面目な選手が多いなと思った。こういう選手の集まりの中でプレーできたらいいなと思った。安間さんとは何度も話していて選手を大事にしてくれる監督だと思っていて、一緒にチャレンジしてみたかった。この集まりに加われたことが嬉しい。キャプテンのミク(御厨)を助けてやっていけたらよいなと思っている」
柴田大地選手:
「昨季の試合はDVDで数試合か見た。守備、攻撃ともにアグレッシブな素晴らしいサッカーをしていると思った。GKのポジションから支えられると思うと楽しみな気持ちでいっぱい」
秋本倫孝選手:
「在籍した京都とは昨季1勝1敗だった。当地で行われた試合では、富山がずっと同じことをやり続けて、最後に(ソ)ヨンドクが得点を決めて勝った。1つのことをやり続ける強さがある、よいチームだと思った。富山は昨秋のG大阪戦のように前半と後半で別のチームになるような試合がある。勝つ可能性のあるチームだと思うので、試合の最初から戦えるようにするのが自分の役割だと思う」
内田健太選手:
「富山に対しては、ひた向きに走る、頑張るイメージがある。(愛媛に在籍した)一昨年の対戦で、勝ちなしだった富山が苔口さんの得点で勝った試合のスタジアムの雰囲気が印象的だった。僕はアシスト、ゴールにつながる部分で貢献したい」
三上陽輔選手:
「僕が出場して富山に負けた昨季の試合が印象に残っていて、後ろからつないでボールを大事にするチームだと思った。練習に参加し、こういう練習をしているからボールを大事にするサッカーができるんだと分かった。雰囲気もよく、こういうチームに入りたいと思った。加入することができ光栄に思う。FWなので競争相手は多いが、試合にでて結果を残し、チームを勝たせられたらと思う」
田中寛己選手:
「大学時代に練習試合をさせてもらい、監督の人柄がよく、その好みを理解してひた向きに、ひとつのところを目指して頑張っているチームだと思った。若手としてチームを底上げできるようにし、いろんなポジションの選手を脅かすつもりでやっていきたい」
梅村晴貴選手:
「練習参加した際に、よい緊張感があって楽しかったことが印象に残った。僕も楽しくやることが一番大事だと考えているので、ここでやりたいと思った。どんどん中盤でボールを受けて、相手にとって最も怖い選手になりたい」
内田錬平選手:
「サッカーを始めたころの楽しさを改めて感じさせてくれるチームだと思った。選手もスタッフも人がいい。昨季は結果が出なかったが、練習で頑張っているから今年は結果がでると思う。自分のヘディングがチームの武器になるように頑張りたい」
棚橋雄介選手:
「以前在籍した時から真面目で一生懸命に頑張るチームだった。安間監督のもと、学べることが多いチームだと思う。試合に絡んで選手層アップにつなげられるように頑張る」
吉川拓也選手:
「棚橋が言う通り、真面目なチームで、真面目な選手が多いと思う。違うチームでプレーしてみて、真面目に練習に取り組む、試合に取り組むことの難しさも感じた。真面目に練習し、それをやり続けて結果を残したいと思う」
Q:御厨キャプテンに質問。全国高校サッカー選手権で優勝した富山第一高校にどんな感想をもったか。
「すごいことだと思う。サッカー選手としてうらやましくも感じた。最後まで勝ち続けた高校は富山第一だけだった。サッカーの力で富山の街を活性化させたと思うし、リスペクトしている。僕たちは今日からスタートなので、自分たちの力で未来を変えていきたいと思う。モデルを示してくれた高校生に負けないように1年間やっていきたい」
Q:御厨キャプテンに質問。富山がどんなチームとして評価されるようになればよいと思うか。
「チームワークのよさは特長。しかし仲良しであるのがチームワークではなく、それぞれの役割を果たすことは仕事であると思う。目標を達成するために、それぞれが、その日によって、状況によって、1年目も10年目の選手も一人ひとりが勝利のためにベストを尽くせるのがチームワークのよいチームだと思う。そういうチームにしていきたい」
Q:安間監督に質問。御厨選手に今季のキャプテンを託した理由は。
「彼はキャプテンである前に本当に必要な選手である。グラウンドで必要とされる選手であるかどうかは大事なところで、他の選手に対する影響力が違う。グラウンドで凛としていてくれるのは大きい。昇格争いも経験しており、以前にいたチームでもキャプテンとして引っ張っていた。昨季も怪我はあったがシーズンを通しての立ち振る舞い、チームに対するサポート、発言などを見ていると自然とこうなった。チームを引っ張っていってくれると期待している」
以上