本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【第93回天皇杯 準々決勝 大分 vs 横浜FM】プレビュー:悔しさの残るシーズンを終えた両チームが対戦。35歳のレフティーのキャプテンシーがカギを握る(13.12.22)

12月22日(日)第93回天皇杯 準々決勝 大分 vs 横浜FM(13:00KICK OFF/大銀ド)
-試合速報はこちら-
----------
8強、激突!
聖地・国立を目指して8強が出揃った天皇杯。J1から8チームが参戦するが、好カードとして注目されるのが「大分vs.横浜FM」の一戦だ。ともに2013リーグ戦では悔しさを残したチームである。

ホームの大分は来季J2で戦うことを余儀なくされている。今季は個の能力、組織力、クラブの財政力でJ1のどのチームより劣り、田坂和昭監督は「弱かった」と潔く認めるしかなかった。
それは数字でも現れている。今季のリーグ戦での成績は2勝8分24敗。総得点31はリーグワースト2位、総失点67はリーグワースト、最少勝利数とJリーグ創設以来初めてホーム未勝利という不名誉な記録を残した。
屈辱のシーズンを終えたチームは、いつもより1日長いオフを挟みリフレッシュし、天皇杯モードに切り替えた。選手によっては契約の関係上、心理状況は複雑ではあるが一切ピッチには持ち込まず、「集中して練習ができている。一日でも長く今のメンバーでプレーできることを望んでいる」と宮沢正史が語れば、「今季はチームに何も貢献できなかったので天皇杯は勝ちたいという思いは強い」と村井慎二。ともに契約満了により今季限りでチームを去るふたりだが、想いは同じだ。そして、全選手も。
クラブ初のベスト8に進出し、チームは未知の領域に踏み出した。個で太刀打ちできなければ組織で勝負するしかない。リーグ戦で横浜FMと対戦し、一方的に押し込まれる時間帯も想定済み。粘り強く戦い、「120分もしくはPK戦で勝てばいい。一発勝負のトーナメントなので何が起きるか分からない」とPK練習を終えた宮沢は、勝機は十分と言わんばかりの笑顔で話した。番狂わせの予感はある。

一方の横浜FMは、シーズンを通して安定した戦いぶりが際立った。リーグ戦のほぼすべてを平均年齢30歳以上のスタメンで戦い、試合巧者を存分に発揮した。監督および選手による投票結果をもとに選ばれた2013Jリーグアウォーズでは、優秀選手賞32名中に10名がノミネートされた。今季のリーグを象徴したチームでもある。それでもリーグ戦で優勝を逃し、大分とは異なる屈辱を味わった。その記憶が生々しいうちにリベンジの機会が訪れたのは好都合だ。エースのマルキーニョスが契約満了で帰国したが、今季はここまで無冠であり、これがタイトル獲得の最後のチャンス。総力戦で挑むはずだ。

この試合でキーマンを挙げるなら、やはり2013Jリーグ最優秀選手賞を受賞した中村俊輔である。海外を含めてもキャリアハイの10ゴールを叩き出したレフティーは、チームの中心であり、今シーズンの主役であった。大分との2度の対戦では、その左から繰り出す高精度のプレースキックで大分のゴールを脅かし、30節の試合では右サイドの角度のない場所からFKから決勝ゴールを決めた。セットプレーの数がそのまま決定機数となる横浜FMが優位であることに異論はない。

ただ、大分の35歳のレフティー宮沢も、チームへの影響度では中村に匹敵するものはある。これまで歩んだサッカー道は、華やかにスポットを浴びてきた中村とは異なるが着実に歩を進めきた。
ふたりとも「キャプテンとしてチームを勝たせることができなかった」とリーグ戦を同じような言葉で振り返っている。だからこそ、この天皇杯に懸ける思いはどの選手よりも強い。ポジション的にもマッチアップするであろう35歳のキャプテンの気持ちを汲み取り、試合を観戦してみると味わい深いのかもしれない。

以上

2013.12.21 Reported by 柚野真也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP