●青山敏弘選手(広島):
Q:珍しいドリブルシュートでした。
「珍しいね。まぐれっす。この間はシュートを外していましたが…今日はギリギリのところで打てました。(高萩)洋次郎が前でキープした後、みんなでスピードアップして攻撃できていたので、いつかはチャンスはあると思っていました。いい守備から、カウンターにつながりました」
Q:先制点が大きかったと思う。
「今年は自分が得点した時、あまり勝てなかった。それが悔しかったし、次は絶対に勝ちに結びつけたかった。余計に頑張りました」
Q:相手は前半、4バックで臨んできた。
「後ろを固めていましたが、高い位置でボールを動かせれば、チャンスはあると思っていた。いい攻撃は何本もありましたが、その一つが点になりましたね。ただ、今日はいい攻撃だけではダメで、勝つことが一番でした。思い通りの展開になってよかった。後半、追加点がとれればもっとよかったけど、失点をゼロに抑えることが一番だったので」
Q:優勝の可能性が残りましたね。
「今日勝って、優勝したかのような雰囲気になっているけど、全然、まだまだ。気持ちを引き締めないといけません。優勝の可能性があることに変わりはないですが、まずは自分たちが勝たなければいけない。相手も鹿島、強いチームなので、覚悟していかないといけない。鹿島に勝って、初めてチャンスが出てくる。楽して勝てる相手ではないですが、その気持ちを持って1週間過ごしたい」
Q:先制点をとったことで、広島の勝ちのパターンになった。
「リズムがよかったし、より守備から攻撃というイメージもできていた。自分たちらしく時間をつくるところからスイッチをいれて、スピードアップもできた。次につながる、自信の持てるゲームになりました。今年は自分が得点した時、あまり勝てなかった。それが悔しかったし、絶対に勝ちに結びつけたかったので、余計に頑張りました」
Q:鹿島に天皇杯で勝っているし、いいイメージがあるのでは。
「向こうにとっては逆にモチベーションが高くなると思う。天皇杯の時のようにはならないでしょう。より激しくなると思いますが、勝った先には何かあると思うので、しっかり準備したい」
Q:横浜FMの結果については。
「試合が終わってから知りました。それまでは全然知らなかったし、誰1人聞こうとしていなかった。自然と、自分たちの試合だけに集中していました」
Q:相手どうこうより、勝ち続けなければいけない。
「やることは一つ。リーグ戦のホーム最終戦で、お客さんがたくさん入ってくれて、これで勝たないと今年やってきた意味がない。試されていると思っていました」
Q:前節の敗戦から、どう修正したか。
「やることをはっきりさせるだけでした。実際、練習はあまりよくなかった。それは、見に来ている記者さんはわかっていたと思うけど(笑)。
まあ、なんでよくないかって言えば、チームの若手組が頑張ってくれていたから。トップだけでなくサテライトも頑張ったから。その気持ちが伝わってきて、より一つになれた。去年もこういう雰囲気だったなと思いながら、やっていましたね。とにかく開き直って、試合に臨みました」
Q:中島選手への思い出は。
「ナカジさんがきた2009年、一緒にダブルボランチを組んでいました。その時、すっごく楽しかった。お互いに攻撃的で、前向きにチャレンジするタイプだったので、刺激し合えましたし、守備面ではよくなかったかもしれませんが、ミシャ(ペトロヴィッチ前監督)の攻撃的なサッカーを一緒に体現できましたね。あの時、自分は本当に伸びたと思うし、勉強させられることいっぱいありました。感謝しかないです」
Q:去年の優勝争いを経験したことがプラスに?
「それは結果次第。優勝できれば“去年が生きた”といわれるし、負ければ何にもない。結果で示さないといけない」
Q:ゴールパフォーマンスは?
「アップから上がってきたら、ホワイトボードに35番と書いてあった。なんのことかなって、ずっと思っていたんだけど、誰も聞かなかった。でもゴールした後、“やるぞ”と言っていたので、“あれか”と思いました(笑)。
ウチのチームはよくゴールパフォーマンスをしますけど、それによってすごく前向きになれる。そのことを考えていたら、ゴールが自然と生まれる。そんなことを導くポジティブな要素があるので、次もそこを考えてやれたらいい。決してふざけてやっているわけではなく、本気でやっています」
●佐藤寿人選手(広島):
「自力優勝の権利はまだ、横浜FMにある。今日の勝利で、自分たちにも『もしかしたら(優勝)』という状況になったけれど、次に勝たないと意味がない。とにかく、勝つことだけ考えたいし、集中して1週間のトレーニングを過ごしたい。
試合が終わった後、横浜FMの結果が伝えられた。ただ、本来はそういうことで喜ぶべきではない。いかに自力で優勝を勝ち取れるか。去年よりも勝点は少ないし、混戦の中(での優勝争い)という価値はあるのかもしれないが。
でも、今日の試合でも、追加点をとれるシーンもあったのに、とれなかった。勝った試合でも内容を見ないといけない。あれだけゴール前に入ってきたのに、得点できない。合わない。そこはもっと改善しないと、厳しくなっていく。それは、今だけでなく、この先も考えるべきこと。今日の試合であれば、しっかりと追加点を奪って、ナカジ(中島)さんがプレーできる環境をつくらないといけない」
Q:鹿島は、天皇杯とは全く違うチームになってくる。
「彼らにしても、天皇杯でウチに負けた屈辱は感じているだろうし、最終戦で鹿島のプライドを見せてくる。ただ自分たちは、そこを上回るだけのモチベーションはあるわけだし、結果を出すことだけを考えてやりたい。それができるチームだと思う。今日、ホームラストマッチのセレモニーはあったけれど、まだ終わりじゃない。リーグ、天皇杯もある。続けないといけない。一喜一憂するのは、最後の試合だけ。(リーグで優勝したとしても)天皇杯の決勝で勝利した時だけでいい」
●中島浩司選手(広島):
Q:セレモニーについては?
「自分一人を取り上げて、フューチャーしてもらうこともなかった。自分が忘れていたことも映像で思い出したりすることもあったので。挨拶の時も、言葉が二重に聞こえて戸惑った。言った後に自分の方に跳ね返って聞こえるから、いっこく堂さんみたいになって(笑)。その点、(森保)監督や(佐藤)寿人はすげえなって思った」
Q:出場機会はなかったけれど。
「まあ、甘い世界ではないし、競争の中でやってきているから。もちろん、プレーヤーである限りは、最後まで試合に出るように続けてやっていきたい。ピッチに立つことが一番の幸せなので」
Q:大きな声で声援を贈ってくれた広島のサポーターについて。
「嬉しいですね。応援してもらえることって、一番嬉しいこと。生きる上での喜びです。必要とされている感じはする。こういう仕事をさせてもらって、たくさんの人の前でプレーできることは、幸せですね」
Q:いろんな選手が「ナカジさんと一緒に優勝したい」と言っている。
「まあ、それがモチベーションになってくれれば。上にいくための、ね」
Q:この2年間、出場機会もなかったし、苦しかったのでは?
「ずっとうまく行くことはないから。よくない時にほど、楽しいこと・新しいことは見つかるもの。悲観的には思っていなかった」
Q:青山選手のゴールの後、みんなが「35」の人文字をつくってくれた。
「うーん……(笑)、もっと伝わりやすいのは、なかったかなって(笑)。俺の決めポーズみたいなものがあれば、わかりやすかったのかも。ゲッツとか(笑)」
Q:まだ、シーズンは残っている。残り試合についての想いを。
「最後まで、痺れるような試合ができる。それが、プロの最後まで味わえることは幸せ。(優勝)できるんじゃないか。そんな、いいことしか、考えていないです」
●梶川諒太選手(湘南):
「最初はトップ下のような形で入りました。前期の対戦では、自分たちが引いてしまって、相手の思うつぼという感じだったんだけど、最近はずっとできている『前から行くこと』をこの試合でも続けてやっていこう、と。相手が嫌になるまで、プレッシャーをかけていこうという気持ちで入りました。
(先制されたが)もったいない失点ではありましたが、ああいうところをきっちり決めてくるところが、上位にいるチームだと感じました。僕らもボールを回しながら攻めましたが、相手も最後のところは堅い。前半からもっとシュートを打っていったり、早めにクロスを上げたりが、もっとできたらよかったかと思います。でも、ドリブルとかを使いながら、巧く剥がせた部分もあった。なにもできなかった前半での戦いと比べれば、できた部分もあったと思う。
(対広島について)今年、一番できなかったのが広島戦という感覚が自分の中にあった。本当に悔しかったし、だからこそ今日は自分がどれだけ成長できたか、そこが試される試合でもありました。とにかくボールを持ったら前に仕掛けていこうと思ったし、ボールをどんどん受ける自分の持ち味を出していきたかった。実際、ボールにかかわる機会は多かったと思いますが、やはり決定機に結び付けることができてないことがまだまだ課題だと思います」
●岩尾憲選手(湘南):
「CBでのスタートは練習試合でもやっているし、裏を取られないように気をつけた。一本の縦パスだったり、GKから一本で裏を取られるという映像も見させてもらったので、そういういろんな可能性を試合のなかで判断して、カズ(大野)や翔雅(鎌田)と一緒に合わせてやれたらと思って、臨みました。
シュートを打たれたところもありましたが、おおむねよかったかとは思っています。ビルドアップは自分の特長でもあるし、ゲームをつくるという意味でも、せっかくそこをやらせてもらえるなら、いい形でボールを動かしたいと思っていた。思ったより相手が前から来たこともあって難しかったが、切り替えの部分で、前に入れるという意識はあったし、特長は出せたかと思います。
やはり広島の選手は、見ていても今日実際に戦っても、判断のところでミスが少ない。僕らは自分たちで自分たちの首を絞めてしまっているシーンがあることは否めない。今日感じたことを活かして、もっともっと改善していかなければいけない部分はたくさんあると感じました。(ボールを奪った後に再度奪われるシーンがチームとして多かったが)判断の部分というか、一人ひとりの準備というか……。僕らのスタイルとして、縦パスが基盤にあることは全体が解っているが、もっと深く理解して、もっともっと一人ひとりがいい準備をして、速くボールを動かすイメージを共有できなければいけない。ひとりでも判断が遅れてしまうと、こういう相手は切り替えが速いので。準備という部分ではもっとできるんじゃないかと思います」
以上