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【J1:第32節 鹿島 vs 鳥栖】レポート:公式戦3連勝だった鳥栖が相性の良い鹿島を撃破!鹿島は痛恨の敗戦で7年連続タイトル獲得が遙か遠くに(13.11.24)

静かに流れる涙は、拭っても拭っても止まらない。鳥栖の先制点に絡んだ青木剛は、つめかけたサポーターに挨拶する間、あふれる涙を押しとどめることができなかった。首位の横浜FMが勝利したことで、勝点差は6に開き、さらに得失点差は12。まだ可能性は残されているが、ヤマザキナビスコカップを逃し、天皇杯も敗れている鹿島にとって、7年連続のタイトル獲得が遠のく痛恨の敗戦となった。

序盤から相手ゴールに迫ったのは鹿島だった。鳥栖の攻撃を阻止すると、鋭い攻撃を繰り出す。多くの選手が同時に動き出す攻撃は迫力があった。守備の要である菊地直哉を欠いた鳥栖は、前半の比重を守備に置き粘り強く守ることを選択する。そして、背後を取られることを徹底的に抑えてきた。
とはいえ、それでもチャンスをつくる鹿島。11分には遠藤康がゴール右の得意の位置からミドルシュートを放つ。惜しくもバーに弾かれたが、そこに詰めたジュニーニョがハーフボレーを放つも今度は林彰洋の正面を突いてしまう。さらに21分には決定的チャンス。ジュニーニョのクロスに大迫が抜け出し林もかわしたが、バランスを崩しながら放ったシュートはゴール横へとそれてしまう。その4分後にはジュニーニョがネットを揺らすもオフサイドの判定。バイタルエリアから大迫が立て続けにシュートを放つも林が弾き出し、圧倒的な前半で得点を奪えなかった。

結果としては、これが後に響いてしまう。チャンスはつくるものの攻撃パターンが少ない鹿島は徐々に攻め手が少なくなり、後半に入ると鳥栖にエンジンがかかってくる。前半は、ほとんどできなかったポゼッションも、鹿島の守備に鋭さがなくなってくると落ち着きを取り戻し、相手を後追いさせるパスワークさえ見せるようになる。
すると64分、高い位置で青木剛からボールを奪った金民友が、そのまま左サイドをドリブルで駆け上がり体勢を崩しながらゴールに突き刺すシュートを見舞う。鹿島としては絶対にやりたくない先制点を奪われ、スタジアムの雰囲気が異様なものに変わっていった。

反撃に出たい鹿島だったが、勢いを増す鳥栖にビルドアップさせてもらえない苦しい状況に追い込まれる。疲れが見える遠藤康、中田浩二に代えて、土居聖真、西大伍を相次いで投入して流れをイーブンに戻すと、84分にフリーキックから青木が頭でねじ込みようやく同点に追いつく。しかし、前掛かりになったところ逆に狙われ、90+5分に再び左サイドを突破した金が決勝点を奪うのだった。

「まずは1回リフレッシュして、頭を切り替えること、まず休むことを考えなければならないと思います」
試合後、セレーゾ監督は切り替えることを強調した。それだけ受け入れがたい敗戦だったことは確かだろう。「自分たちが準備してきたものがうまくできていました」というとおり、練習してきたバイタルエリアを使った攻撃で形でチャンスはつくれていた。しかし、ゴールが奪えなかった。前半抑え気味だった鳥栖のプランが奏功したのも、前半の決定機を逃し続けたからこそ。

天皇杯の広島戦に続いて、公式戦ホーム2連敗は想定していなかっただろう。両方のタイトルが遠くなる敗戦だ。ただ、あと2試合の結果如何では来年のシーズンが大きく変わる。ACLへの出場権を逃すわけにはいかない。

以上

2013.11.24 Reported by 田中滋
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