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【J2:第42節 長崎 vs 徳島】プレビュー:J1昇格プレーオフ進出を賭けた直接対決。カオスを突き破るヒーローになるのは誰だ!?(13.11.24)

カオスにも程がある−。
前節、引き分け以上でプレーオフ進出圏の6位以内が決まる長崎は終了間際の失点で松本に敗れてしまい、今節長崎と対戦する徳島も前節は勝点3を取ればプレーオフ進出が決まる可能性があったが、東京Vに先制され、追いつくまではできたが追加点を奪うことはできなかった。その結果、両クラブはプレーオフ進出決定を最終節まで持ち越し、直接対決で争う事となった。4位の長崎から8位の松本まで5クラブの勝点差はわずか「3」。まさにカオス。5クラブにプレーオフ進出の可能性が残されているが、この試合が最も過酷でドラマティックな対戦となるのは間違いない。

一部報道によると、徳島の小林監督は「最終節でこういう形で(長崎と)対戦することになるとは」といった話をしていたと報じられていたが、小林監督と親交の深い長崎の高木監督も「たまに、テレビでマラソンを見てると、42キロ走ってきたのに、最後の最後にスタジアムのトラックの中で100メートル競走してる時あるでしょ?なんでこれまで走ってきて、最後にスプリント勝負なの?って思うけどまさにそれだよね(笑)」とカオスな現状を笑う。

ここで、念のために改めて両チームのプレーオフ進出のための条件をおさらいすると、勝点66で4位の長崎はもちろん勝点3を狙っていくが、引き分け以上で進出が決定する。勝点64で6位の徳島は勝てば文句なしで進出が決定するも、引き分ければ札幌と松本が引き分けか負けでないといけなくなるために、もはや勝ちしかない。

つまり、長崎と徳島にとってこの試合の位置づけは今季のどのゲームよりもシンプル。プレーオフ進出を目指す両チームが直接対戦し、どちらのチームが進出するかを決めるのみだ。両クラブともJ1の舞台は未経験。クラブ史に残る過酷なゲームとなることは間違いない。プレッシャーに負けずに、どれだけ強い気持ちを出せるかが鍵となるだろう。と、いうのも多くのチームと同じように両クラブにも「波」がある。徳島はここ5試合は1勝1分3敗とパッとしない。内容がある試合でも競り負けてしまうこともあった。一方の長崎は熊本戦や松本戦など試合によって内容に波があり、そのせいで取りこぼしが生まれている。互いに最終戦はいい状態の「波」を持ってきたい。

長崎の高木監督は最終戦について「徳島は高い位置から守備をするようになって、途中から選手本来の持ち味が出てくるようになった。徳島に自分達のサッカーをされると、個の力で上回る徳島が勝つことになる。ウチはそれをさせてはいけない。順位などは関係ない。有利なのはホームという事だけ。勝点3を取るサッカーをする」と抱負を語る。試合のポイントとなるのは、一般的なセオリーとして「互いに異なるギャップ(間)をどう突くか」という部分と「3バックのサイドのスペース」になるだろう。

前節、長崎は松本の徹底的なロングボールに苦しめられた。チームは既に問題点と解決策を導き、徳島戦に備えている。長崎は激しいプレスを前から賭け続けることで相手の戦術を機能させない事が持ち味。当然、気持ちが入った今節は相当なスピードでやってくるだろう。

一方の徳島の攻撃のパターンはボランチを経由して、裏を狙う事が多い。リーグ最小失点の長崎のホームで得点を挙げるのは至難の業。強力な2トップにパスを届けられるかが大きな見所になるだろう。0−0の展開が続けば、徳島は攻めに出なければならなくなる。そうすることでスペースの位置も変わるため、先制点も大きな意味を持つことになる。
いずれにしても、「メンタリティの部分がフォーカスされるでしょう」と高木監督が話していたように、この試合、最後は気持ちの強さが重要になる。長崎のゲームキャプテンの山口貴弘は「長崎の選手は下部カテゴリーから這い上がってきた選手と、他のクラブで戦力外になった選手で構成されたチーム。どこよりも弱いと予想されたし、経験など無い。だけど一年を通じて一つになり良いチームになった」と言えば、神崎大輔も「俺たちはエリートにはできないサッカーで勝つ」と。ハングリーさでは絶対どこにも負けない。一方、徳島はJ1という長年の夢を結実する場に今、立とうとしている。紡いだ夢は、流した涙はクラブやサポーターを強くしてきた。新参クラブとは違う。強い思いを胸に、大勢のサポーターとともに長崎に攻め入る。

クラブをプレーオフへ導く活躍をするヒーローは誰になるのか?全く想像がつかない。

以上

2013.11.23 Reported by 植木修平
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