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【川崎F:特別対談チェアマンに聞く!】中村憲剛選手と大東和美Jリーグチェアマン対談の内容を公開します!(13.11.21)





2013年11月10日の清水エスパルス戦のマッチデープログラムの企画として、川崎フロンターレの中村憲剛選手とJリーグの大東和美チェアマンとの対談が先日行われました。2015年より導入が検討されているポストシーズン制について等、中村憲剛選手が大東和美Jリーグチェアマンに、率直な意見をぶつけたこの特別対談を一部ご紹介します!



●中村「まず最初に、この対談は本当に大丈夫なんでしょうか? 1クラブの発行物で2ステージ制やポストシーズン方式についてチェアマンと直接対話ができるって、普通に考えたらありえないことですよね?」



●大東「まぁ個別に選手と言葉をかわすことはありますけど、こういう形で話すのは初めてかもしれないですね」



●中村「今回の話は事例が事例ですから、皆さん注目してくれるでしょうし、フロンターレ以外のJリーグのクラブのサポーターも気にしてくれると思います。僕自身、もやもやした気持ちですし、どうしてそうなったのかを大東チェアマンの口から聞きたいというのが正直な気持ちです」



●大東「まずJリーグ実行委員会のメンバーでもある川崎フロンターレの武田社長が、選手やサポーターとしっかり向き合って説明していただき、我々としても感謝しています。そして選手の立場から聞いておきたいことがあればどんどん質問してもらいたいですし、逆にポストシーズンだけじゃなくて日程の問題やメディア対応などについても、選手がどう思っているのか聞きたいですね」




●中村「選手である僕は武田社長から直接説明を聞きましたが、今回の話は外に出るものなのでみんなが見て『ああ、そうだったのか』ってなると思います。まだ本当の意味での経緯を知らない方も多いでしょうし、うやむやに決まったみたいな印象を持っている方も多いと思うので」



●大東「そこは今までの経緯を含めてきっちりとお話したいと思います。まず観客数についてですが、入場者数からお話しますと、08年をピークにしてここ数年右肩下がりになっています。これはいろいろな理由があると思いますが、世間では08年にリーマン・ショックという大きな事件があって世界、そして日本の経済が大きな影響を受けました。それが直接的な原因でないでしょうが、そういう時代の中で入場者数が下がってきている。微減傾向がみられるということです。

 それから我々Jリーグの大きな収入である、協賛金とテレビの放映権料についてお話します。協賛金についてもここ数年下がってきていて、来年を見た場合、全体で最悪10億円規模の落ちこみが懸念されます。これは放映権料についても同じで、地上波の試合中継が06、07年あたりでは15本ぐらいだったのが現在は7本と半分以下です。また我々が一番心配しているのは、世の中の感心事という部分です。これはJリーグだけじゃなくて他のプロスポーツも含めてですが、06年頃のJリーグの調査では45%ぐらいの方がJリーグに関心を持ってくれていたのが、今年では30%ぐらいに落ちています。こういった状況をふまえてこの先どうしていくんだということで、昨年の10月から戦略会議を開き、Jリーグの将来、各クラブの将来について議論を重ねてきたわけです。というのは選手の皆さんもそうだし、ファン、サポーターも同じでしょうが、現行の1シーズン制が一番わかりやすいということなんです」



●中村「そうですね。みんなそう思ってるんじゃないでしょうか」



●大東「皆さんご存知の通り、ヨーロッパの主要国のリーグも1シーズン制です。ですが、その周辺国や南米などのリーグはポストシーズン制を採用しているわけですね。そう考えると、世界全体の主要サッカーリーグ50カ国中の40%ぐらいが何らかのポストシーズン制を敷いていて、それぞれが国の事情に合わせて危機感を持ってやっている。そういった中で我々がどうするかということで、たどり着いたのが今回のポストシーズン方式です。メディアへの露出を増やす、そして下がりつつある収入を回復させるということで、今回のポストシーズン、2ステージ制という話になりました。

 もちろん収益がすべてというわけではありませんが、我々の協賛金と放映権料の中から約70億円をJリーグの40クラブに分配しているわけです。全体の収益が減り、かつ分配金をキープするとなると、Jリーグが投資すべき育成にかけるお金やメディアへの対応費がだんだん減ってくる。これを何とか食い止めなければいけません。育成がおろそかになってしまうと日本のサッカーの将来はないと思うので、これはしっかりやっていかなければならない。そして地上波の放送を含め、メディアに対してもっと露出を増やしていくことも重要です。落ちてきた国民の関心を回復させる。J1は18クラブでホームゲームは20試合開催という前提があり、その中でいろいろ試行錯誤しながらやってきた結果、この結論に至ったということです」




●中村「そうですよね。まぁ、お金の問題ですよねえ。それがすべてじゃないけども、なくなると立ち行かなくなるし、リーグは先細りになる。背に腹は変えられないんだろうなあと、僕もニュースを見ながら思っていました。Jリーグを良くしたいというのはみんな同じじゃないですか。ただ、そこでのコミュニケーションの行き違いというか、上の方でずっと話が進んでそのまま決まっちゃったみたいな印象があって、個人的には残念だし、寂しかったです。その話が僕ら選手に落ちてきたとしても、おそらくいろいろな意見があるので1つひとつ吸い上げる時間はなかったと思うんですが、あまりにも話を聞いてもらえず決まっちゃったなというのがあったので。

 その理由は武田社長にも聞きましたが、だいたいの予想はついていました。Jリーグの人気が落ちてきたのは自分たち選手にも責任があるし、Jリーグだけのせいだとは思いません。ただ、僕がフロンターレに入ったのが03年で、スタジアムに3、4千人しかお客さんが入ってないところから、どうやってお客さんを増やしていくかっていうことをみんなで考えてきました。スタジアムが満員になるまで選手もスタッフも本当にいろいろなことをやってきて、自分たちの努力が認められてきたという自負があるんです。その一方でJリーグは、果たしてそこまでやってきたのかなっていうのが正直なところです。できることはすべてやったけど、どうしようもないからこうなったっていう風には僕には見えなかったので。まぁ、今さらなんですけど」



●大東「確かに憲剛が言うように、各クラブが知恵を出して汗をかき、本当に目一杯やってきたのかというのはありますね」




●中村「すごく努力しているクラブもあって、まだまだやれるところもあると思います。でも、それがいい悪いじゃなくて結局こうなってしまったので、もう一度見直すいい機会なんじゃないかなと思います。Jリーグと各クラブがもっと密になって盛り上げていこうよと。クラブの数も40になって、全国をカバーしつつあるわけじゃないですか。各クラブが自分たちの町を興すつもりでやらなければいけないし、サポーターの人たちも胸を張って『このクラブはうちらの町の代表だ』ぐらいのクラブになって欲しい。そうなっているところもあれば、まだ浸透していないところもあるし、地元では浸透しているのに露出しきれていないクラブもあると思うんです。それが全体的にいいレベルになったときに、真の意味で変われるんじゃないかなって。

 今回こうなった事情も分かるし、自分としては今日ここに会いに来るまでもやもやしていました。チェアマンを責めてもしょうがないし、かといって僕の気持ちをどこにぶつければいいんだろうって。正直、選手としてはポストシーズン制になって面白くなればいいですけど、ショックなところもあります。もちろん僕とは違う意見の選手もいると思うんですが、サポーターがあれだけの反応をしてますからね。その意見をまったく無視して決めたとも思っていないし、決まった以上、ここから先は僕ら選手はもちろん協力しなければいけないんですけどね…。ただ本当にもやもやした感じです。クラブ、サポーター、Jリーグ、ここまで一緒にやってきたと思いますが、もっとみんなで盛り上げていかないと」



●大東「そう、それはまったく言うとおりで、みんなでひとつになってやっていかなければなりません」





続く…



★この対談の完全版は、川崎フロンターレ公式サイトに掲載されています。続きはこちらでご覧ください!
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