●アフシンゴトビ監督(清水):
「合計10ゴールが決まって、ファンにとってはとてもエキサイティングな試合だったと思います。ロッカールームで冗談で言ったのですが、今日はウィンブルドンが日本に来たんじゃないかと。スコアが6-4でテニスのようだったからです(笑)。
また、守備では満足できていない点も多くありました。しかし、前向きな部分に焦点を置いていくことが重要だと思います。セットプレーから3得点決めることができました。とくに鳥栖のようなチームに対して3得点できたこと。なぜならセットプレーは鳥栖の強みだからです。そして、2度負けている状況から追いついたところ。さらに我々が1人足りない状況で2得点決められたことです。Jリーグでよく見受けられることかもしれませんが、1人足りない状況で戦っているときというのは、プレッシャーを感じずに戦えていると思います。たとえば11人だったとき、我々が相手との球際の競り合いで敗れていたり、走りの競争で負けていたりする部分があったと思います。しかし、10人になってからは、すべて勝つことができていたと思います。
伊藤翔がハットトリックを決めたことは、クラブにとっても、彼自身にとっても、この勝利にとっても非常に良かったと思っています。戦術面でいえば、高木俊、大前、村田の3人がトップ下のポジションに並ぶと、非常にダイナミックな動きが出てくると思います。そうすると、後ろの6人のブロックが良い守備をしなければいけなくなります。そこが戦術的なパズルのようなものになっていたと思います。だから、竹内を途中で投入しました」
Q:伊藤翔選手がハットトリックしましたが、彼のプレーに対する評価は?
「試合中ずっとハードワークしてくれたと思います。そしてすごく良いポジションに入ってきていました。3得点とも違ったゴールでした。距離があるところからの左足のシュート。そして空中戦に勝ってヘディングを決めたところ。最後の得点はワールドクラスのゴールでした。相手2人を抜き去っていかなければいけない状況で、ピッチの半分を走り抜けたうえで、冷静さを持ってGKをチップキックで抜きました。本当にファンタスティックで素晴らしいパフォーマンスでした」
Q:今日は得点シーン以外でも、良い流れの攻撃が多く見られましたが、どういう面が良かったと思いますか?
「その通りです。我々は多くのチャンスを前半に作れていたと思います。ただ、サッカーというのは二面あるスポーツです。もっと守備の部分は次の試合に向けて改善していかなければいけないと思います。ただ、今日の失点の多くは、個のミスから生まれていたと思います。チームの戦術や組織のミスというより、個のミスが多かったと思います。そういうところは、集中力の問題もあると思います。豊田選手のクオリティもあったと思います」
Q:前半は、その豊田選手を起点にチャンスを作られていましたが、後半はそれが減ったと思います。そのあたりは何を変わりましたか?
「センターバックの対応が良くなったところもあったと思います。また中盤でもっとボールに対してプレッシャーをかけられるようになりました。そうすると彼に入るボールや回数を限定できます。そしてセカンドボールをしっかりと勝てるようになりました」
以上