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【J2:第37節 千葉 vs 熊本】プレビュー:直近2試合で得たものを意識し続けるプレーが勝利には重要な千葉。スペースを消す熊本の守備を人とボールの動きで崩したい。(13.10.20)

千葉は、10月6日の前節(第36節)・神戸戦では前半に先制点を奪われたものの、後半開始早々に米倉恒貴のクロスをケンペスがヘディングで落として田中佑昌が得点し、ケンペスの豪快なシュートで追加点。逆転勝利を収めて連敗を3で止めた。攻守両面で『前へ』の意識が高いプレーが出ていたことが奏功しての勝利だった。神戸戦での警告2回による退場処分でケンペスが出場停止だった10月13日の天皇杯3回戦は、ボール保持はほぼ互角の展開の前半にPKで失点を喫したが、90分に交代出場の深井正樹のゴールで同点。その後は両チームとも点が入らず、千葉はPK戦5−6で4回戦進出はならなかった。F東京戦でも攻守に『前へ』の積極的な姿勢が出たが、ちょっとしたボールコントロールや連係のミス、F東京の速さや強さ、そしてうまさに対応しきれずに決定機を作れなかったり、逆にF東京に決定機を作られたりした。早急な向上はもちろん難しいが、直近2戦で得た収穫や課題を試合中にどれだけ意識し続けてプレーできるかが、今節は大事になる。

前節の熊本は、U−20日本代表の一員として東アジア競技大会出場のため不在の橋本拳人に代わって吉井孝輔が3バックの中央に入った。だが、開始わずか4分にボランチの原田拓が負傷交代のアクシデント。吉井をボランチの位置に上げて高橋祐太郎がセンターバックで交代出場すると、18分に高橋がCKからヘディングシュートを決めて先制した。前半のうちに大迫希がドリブル突破から追加点を奪って優位に立つと、5バックにして富山の反撃に対応。失点をミドルシュートからの1点に抑えて勝ち、第33節から4試合負けなし(3勝1分)と調子を上げてきた。だが、10月14日の天皇杯3回戦は吉井が一度はボールをカットするもののこぼれ球を奪われ、キックオフからわずか30秒で失点。広島にボールを保持される中で得点を狙うが、後半に再び失点してしまった。時間帯によっては5バックでの守りも見せ、4−2−3−1システムへの変更と交代出場選手(堀米勇輝と仲間隼斗)の奮闘の効果もあって得点機を作ったが、最後まで得点できずに0−2で敗れた。

今節の千葉はセンターバックの山口智が累積警告のため出場停止で、今季のJ2リーグ戦では初の欠場。また、天皇杯3回戦ではキム ヒョヌンが負傷欠場した。熊本は天皇杯3回戦では帰国していた橋本が負傷欠場。そして、今節は3バックの右に入っている青木良太が千葉からの期限付き移籍のため、契約によって出場できない。そのため、両チームともディフェンスラインの連係ミスやちょっとした隙を突いて攻める場面が見られそうだ。
また、千葉は前述の神戸とF東京が攻撃的なスタイルのため、相手の背後を突いたり、ゴール前のスペースを使ったりして攻めることができた。だが、熊本は失点を防ぐことを意識して試合に入ると思われる。千葉はケンペスが出場停止明けだが、ゴール前に引かれてスペースがないと攻撃が停滞しやすい。オフ・ザ・ボールの動きを工夫して動きながらパスをもらい、ボールを効果的に動かして熊本の守備を揺さぶることが必要だ。「闇雲に打てばいいわけではないけど、ミドルシュートを打つことで引いた守備を崩すこともできる。スペースがなければスペースを作る工夫が必要だし、クロスなどのサイド攻撃がうまくいかなければ真ん中の崩しもうまく使うことが必要」(兵働昭弘)なのは間違いない。

熊本は北嶋秀朗が10月17日に今季限りでの現役引退を発表した。北嶋がJリーガーとなった柏ではないにしても、千葉県習志野市出身で市立船橋高校在籍時にも大活躍した北嶋の現役引退発表直後の対戦相手が千葉というのも何やら因縁めいている。熊本は意気盛んにフクアリに乗り込んでくるだろうが、千葉は受け身にならずにしっかりと戦いたい。

以上

2013.10.19 Reported by 赤沼圭子
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