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【J1:第28節 大分 vs C大阪】プレビュー:J1残留が崖っぷちの大分と、優勝争いへの生き残りを掛けるC大阪。負けが許されない両者の対戦に引き分けなんていらない。(13.10.05)

地力残留の可能性が消え崖っぷちの大分が、ホームでC大阪を迎える。今節の負けは降格を意味し、勝っても引き分けでも残留ボーダーラインにいる15位甲府の結果次第で降格は免れない状況にいる。「どんな状況になっても相手を倒すために戦わなければいけない。その気持ちを試合前までに選手に植え付ける」と田坂和昭監督は、わずかでも可能性がある限りファイティングスピリットを崩さないことを強調した。

前節の鹿島戦では、組織的な守備が機能した。これまで簡単に裏を取られるシーンや、間延びした中盤でボールを回される場面が散見されたが、高木和道を中心にこまめにラインを上下し、鉄壁な守備を見せた。先制した52分までは。
先制すると気が緩むのか、逃げ切らなければいけないプレッシャーで精神のバランスを崩すのか、立て続けに失点を許し今季6度目の逆転負けを喫した。15試合勝利のないチームは、以前に比べて守備の意識は高くなっているし、球際のチャレンジも、はっきりとした狙いを持って激しく当たる。トレーニングの効果が見られたし、約束事の整理と意識づけが徹底されていた。監督も選手もやるべきことをやったと感じたはずだが、それでも勝てない。ひとつの方向を向き組織力を高めても、埋まることのない個の力量差に屈す。「どうすれば勝てるのか分からない」とゴール裏のサポーターから、そんなぼやきの声が聞こえてくる。
もはや策も尽き、最後はロウソクの炎を吹き消したように静かに終わるのかもしれない。ただ、この1週間の練習を見る限り、チームに諦めはない。「ホーム初勝利」を合い言葉に、最後にパッと大きな炎を燃やすつもりだ。あくまでも攻め勝つ姿勢を貫き、攻撃のバリエーションを増やしてポジティブに試合に臨む。

負けられない試合という点ではC大阪も同じ。前節磐田戦で6戦ぶりに白星を勝ち取り首位横浜FMとの勝点差は8。優勝戦線に残るためにも負けは許されない状況だ。それゆえに前節の勝利は大きかった。勝利はどんなチームでも良薬であり、選手も自信を取り戻しつつあるはずだ。特に若いチームなだけに、その特効薬の効き目は早いはず。自慢の攻撃陣は昨日、日本代表の欧州遠征に招集されたエース柿谷曜一朗が2試合連続ゴールで勢いを取り戻し、同じく代表に呼ばれた山口螢が眩い輝きを放っている。彼らを支える守備陣は、前がかりになる分、攻め込まれる時間が多かったが数的不利をモノともせず、さらに攻撃を促している。
今季のC大阪を牽引するのは、得点ランク上位にいる柿谷で間違いないが、エースに対するマークは試合を重ねるごとに厳しくなっている。そうしたなか、柿谷以外の選手が、どれだけ得点を奪えるか。磐田戦では「アグレッシブにいくことを恐れず、前に仕掛けた」とシンプリシオが話したように、個々の意識の変化が柿谷の負担を和らげるだろう。シーズン終盤に向けて総力戦を強いられるなか、丸橋祐介や南野拓実らが戦列に復帰し、盤石な状態になっている。優勝するためのピースが揃い、大分戦で上昇気流に乗り一気にタイトル獲得に向けて駆け抜けたいところだ。

互いに負けられない一戦である。俗にいう「勝ちたい気持ちが強い方が勝つ」というような有り触れた物言いをしようとは思わない。ここまで貫いた「自分たちのサッカー」を見せてほしい。

以上

2013.10.04 Reported by 柚野真也
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