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【J2:第35節 京都 vs 長崎】レポート:3位・京都と5位・長崎の直接対決は京都に軍配。激しい好ゲームは互いの気持ちが強く出るものとなった。(13.09.30)

3位・京都と5位・長崎の直接対決は、見応えのあるタフなゲームが展開された。
長崎は前線に小松塁を先発起用。京都は山瀬功治が体調不良のためベンチからも外れた。
ゲームは、早い時間に動く。13分、京都がFKからバヤリッツアが頭で合わせ先制。しかし前半は、試合後に京都・大木武監督が語った通り「自分たちが悪いというよりも相手の方が京都を上回った状態」で「前半頭から押込まれた」。
長崎の決定機は31分、長崎GKのキックのセカンドを拾い、左に展開しクロス。それを奥埜博亮がフリーで頭で合わせる。

後半に入ると早々に京都がスコアを動かす。後半3分、左に展開すると、横谷繁のキープから飛び出してきた福村貴幸に渡る。フリーの福村が逆サイドの裏へ送ると、これを駒井善成がスライディングしながら蹴り込み、逆サイドのネットを揺らして2−0とする。
これで勢いづいた京都は、ボールへの圧力を高めたためタフな攻防へと突入し、ゲームの迫力は高まる。
14分には倉貫一毅のループシュートがGKの頭上を越えるも長崎DFがクリア。26分には長崎が右サイドからクロスを入れ、奥埜が落として小松が走り込むも、京都DF秋本倫孝がクリア。33分には長崎のFKでこぼれ球を山口貴弘がミドルシュート。これは京都GKオスンフンがかき出す。39分には京都が、福村のボール奪取から途中出場の三平和司に送るとGKと1対1となるが、枠を捉え切れない。中盤の激しい攻防から、互いにゴールを目指すも結実せずタイムアップ。2−0で京都が勝利し、京都は4連勝とした。

試合後、長崎・高木琢也監督は「京都に対してやれることは精いっぱいやった」と口にした。ゲームの感想は、筆者から観れば「面白かった」の一言。その大きな要因は、長崎がタフで強かったから、となると思う。
長崎はボールに対しての圧力が強く「奪って前へ走る」が徹底されていた。表現を替えるなら「ラグビーみたい」な感じ。奪った瞬間、後ろから前へ走り出す。そこにボールを送り、また前へ。これをサイドで行い、後は中央へも人が飛び込んで行けば迫力ある攻撃になる。この意識がチームで統一されていて、誰も疑わず練習通りのことをやっているという様に観え、それが強さの要因の一つではと感じた。
京都は、この長崎に対し「同じ土俵で」勝負を挑んだ様に観えた。「ボールを奪いに来るなら、こちらもボール奪取に走りゴールへ向かうぞ」そんな感じに観え、選手の意気込みが強く感じられた。

互いに激しい攻防を見せる試合ではマークを剥がす、剥がされるが勝負を決めることもある。その中で、互いのワンプレーを抽出してみたい。後半3分の京都のゴールシーンで福村が飛び出した場面と、26分の秋本がクリアした場面。
後半3分のゴールシーン。長崎側に立つと「福村のマークは誰だったんだ」となる。前に飛び出してマークを剥がしていく長崎が、前に飛び出してきた京都の選手のマークを外したのは反省点だろう。逆に同26分、長崎がクロスを入れ、逆サイドで落として中央という場面で、秋本がマークを外さずクリアした。センターバックがボールに向かって出て行く中、中央にしっかりとマークに入るのは当然の仕事だが、それを当然としてプレーしたのは立派だ。こうして、マークを外されなければ、そう簡単には失点しない、という思いはある(個の能力でやられるということもあるが)。それを隙なくやり切った今節の京都の選手全員を、高く評価しても良いのではないか。

京都にとってはタフなゲームを制したのは素晴らしいこと。手応えと、そしてこのゲームにもある反省点を生かし(10月は天皇杯3回戦・鹿島戦もある)、さらにギアを上げて戦って欲しい。

以上

2013.09.30 Reported by 武田賢宗
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