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【J1:第27節 C大阪 vs 磐田】レポート:C大阪、6戦ぶりの勝利でJ1通算200勝達成! 磐田は残留圏が遠のく痛恨の連敗(13.09.29)

「何が何でも諦めへん」。サポーターの強い想いを実行に移したのは、C大阪だった。上位戦線生き残りをかけたC大阪と、J1残留に向けて後がない磐田。サバイバルマッチとなった両者の対戦は、C大阪が柿谷曜一朗、山下達也のゴールで磐田を2-0と下し、連続引き分けを5でストップ。第21節・清水戦以来となる6試合ぶりの白星で、J1通算200勝を達成し、同日引き分けた首位横浜FMとの差を8に縮めた。一方の磐田は、痛恨の連敗。15位甲府との差を詰め切れず、残り7試合でのJ1残留に向けて、状況はますます厳しくなった。

約1カ月ぶりのキンチョウスタジアムでのC大阪J1ホームゲームは、前回の第21節同様、この第27節の磐田戦でもチケットは完売。スタンドは15,704人の大観衆で埋め尽くされた。秋晴れのなか、ピッチも約20日間の播種作業できれいに整備され、絶好の環境で行われた一戦。そのなかで、ホームアドバンテージを活かしたいC大阪は、柿谷、杉本健勇の2トップ、中盤の攻撃的なポジションに山口螢と楠神順平が並び、左サイドバックには3試合ぶりの先発となった丸橋祐介が入った布陣でこの試合に臨むと、序盤から敵陣へ攻め込んでいく。

ただし、C大阪が攻撃的になった隙を突き、ボールを奪って速攻を仕掛ける磐田も応戦。前田遼一、山崎亮平ら前線からのハイプレスも機能し、前半のうちに再三セットプレーを獲得。30分にはCKの流れから、駒野友一の縦パスを山崎がダイレクトボレーで合わせる決定機も作ったが、シュートはC大阪GKキム ジンヒョンの正面。34分のカルリーニョスの直接FKもクロスバーを叩き、得点には至らない。

すると、30分過ぎからC大阪ベンチ前でレヴィー クルピ監督と柿谷、山口を中心に話し合う光景が見られ、そこから、ピッチでも変化が起こる。前線の並びを、当初の2トップから、杉本をサイドに回す1トップ3シャドーに変更。サイドにいた山口がボランチに入り、シンプリシオが攻撃的なポジションに上がって立て直しを図ると、「前に仕掛けて行くことができ、僕たちがチャンスをつかむようになった」(シンプリシオ)。ハーフタイム直前には柿谷の直接FKや、酒本憲幸の右クロスからゴール前に詰めていた丸橋がヘッドで合わせるなど、C大阪も好機を作り出す。磐田GK八田直樹の好セーブもあり、得点には至らなかったが、そのいい流れが後半開始直後の先制点につながった。

手元の時計では、後半キックオフ後、わずか33秒での出来事だった。ボランチの山口が、相手DFの縦パスをインターセプトし、すぐさま前線の柿谷へスルーパスを通す。これをきっちり収めながら、ゴール前へ抜け出した柿谷は、左足で冷静にシュート。ボールはGK八田のわずか上を通る、絶妙なコースへ跳び、ゴールネットに吸い込まれた。エースの2戦連発、今季16得点目に、スタジアムのボルテージは最高潮。これで、桜色のチームは完全に勢いを得た。

そして、追加点は57分、セットプレーから生まれる。丸橋の左FKに、ニアサイドへ藤本康太が果敢に飛び込む。これは惜しくも合わなかったが、GK八田が弾いたこぼれ球に鋭く詰めていたのは、山下。この日、再三好守備を見せていたセンターバックが、頭で押しこんだ。本人曰く「ごっつぁんゴール」というものの、リーグ最少失点の立役者であるDFの気迫のこもった一撃が、C大阪に勝点3を大きく引き寄せた。

その後は、「最後ちょっと危ない部分があって、全体的にひいてしまった」(山下)C大阪だったが、相手CKからのピンチを途中出場の枝村匠馬がゴールライン上でクリアするなど、最後まで「集中して守れた」ホームチームは、第20節・大宮戦以来の完封勝利。また、この試合では南野拓実が、77分からプレー。ケガから復帰したスーパールーキーの存在も、今後に希望を抱かせる明るい材料となった。

「いいサッカーをして勝利につながったということで、サポーターの皆さんだけでなく、選手、スタッフ、関係者、みんなが喜びを分かち合える、本当にいいゲームができた」と、この1勝にレヴィー クルピ監督も手応えをつかんだ様子。また、「しっかりとこれから残り7試合、全部勝つ気持ちでやり切りたい」と扇原貴宏も言うように、桜色のイレブンも逆転優勝に向けて、前を見据えた。

一方の磐田は、シュートを11本放ったものの、山田大記の決定機が立て続けにGK正面を突くなど、運にも見放された。「選手は足を止めることなく、ひたむきにやってくれた。ここを何としても次につなげたい」と関塚隆監督はイレブンをかばったが、チームとして一丸となって戦う姿勢を示せなかったことは、不安な要素。残り7試合での逆転残留のためにも、「自分たちの未来を信じてやっていくしかないし、こういう状況だからこそ前を向いてポジティブにやっていく」と山田。サックスブルーの意地を、終盤戦で見せてほしいものだ。

以上

2013.09.29 Reported by 前田敏勝
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