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【J2日記】北九州:スタジアムが一体となるダンスを目指して!(13.09.19)

陽が沈み始めると、めっきり涼しく感じられるようになった福岡地方。しかし、この日訪れたとあるスタジオの中は彼女たちのダンスで、座っている私が汗ばむほどの熱気に包まれていた。
彼女たちは、ギラヴァンツ北九州・オフィシャルチアダンスチーム「SPLASH(スプラッシュ)」。本城陸上競技場で試合が行われる時に、キックオフ前のギラヴァンツヴィレッジや、試合のハーフタイムの時にスタジアムを盛り上げようとダンスを披露している。

取材のために練習開始の30分ほど前にスタジオを訪れると、既に3名のメンバーと先生が熱心にダンスの練習を行っていた。それから続々と仕事や学校の授業を終えたメンバーたちが集まり、夜の10時までの3時間、次の岡山戦に向けて踊り続けていた。

「元々は、サポーターの方が立ち上げたダンスチームで、私はダンスの指導を依頼されたのが始まりでした。その1年後、私が全てを任された形になって、『ギラヴァンツ熱烈PR隊』として再スタートし、今年で4年目になります」と語るのは、SPLASHのダンス指導をしている猪口輝恵先生。

「練習は週1回なんですが、働いていたり、学生のメンバーも居るので、なかなか全員が揃わない事もあります。メンバー自体、ダンスの経験が無い子もいましたし、純粋にギラヴァンツを応援したいという気持ちで来た子もいました。普段私がやっているダンス教室は、ダンスが好きで入って来る人ばかりでしたから、そこら辺の苦労はありました。ただ、ギラヴァンツの為に何かしたいと思って入って来た子達ばかりですから、吸収力や集中力は高く、私の方が新鮮な気持ちで教えさせて貰っています。私もチアダンスは初めてだったので、この4年間彼女達と一緒に少しずつ成長して、前に進んで来られました」と、始動時の苦労も懐かしそうに話してくださいました。

彼女たちのダンスで、一番使われる曲は「燃えろギラヴァンツ」だが、初めは戸惑ったという。
「一番初めに「燃えろギラヴァンツ」を聴いた時、スローテンポの曲調だったんで、チアには少し不向きかなと思ったんですが、B面のラップバージョンを聴いた時、これはダンスでイケると感じて、ダンスの制作に取り掛かったんです。作曲は地元出身の有名な歌手大内義昭さんがされているんですが、作詞は市民の方が作ったモノなんです。その歌詞を考えながら振りを作っていきました。一番始めのサビの部分で、何度もVの形をするんですが、応援団の三三七拍子とビクトリーのイメージを先に取り入れて、他の部分に展開していったんです。一番の目標は、サポーターの方々と一緒に『燃えろギラヴァンツ』を踊って貰えるようになる事ですから、覚えやすい、分かりやすい踊りを目指して作りました」。

猪口先生は、ダンス以外にも彼女たちに伝えている事がある。
「スタジアムでのダンスもそうですが、イベントに出る時はギラヴァンツの代表として見られますので、そういう立ち振る舞いから教えています。メンバーの中には、初めは戸惑う子もいますが、スプラッシュを卒業して行ったメンバーから「ここで教わった事が、今生きています」と、今でも連絡くれる子達が居るのは、すごく有難いことです。今居る彼女たちにも、いつかスプラッシュを卒業する時、同じ気持ちになってもらえればと思っています」

リーダーの竹中梓さんは、スプラッシュ創立時からのメンバー。キツイ練習にも、笑顔が絶やさなかったのが印象的だったが、話を聞いて納得する事が出来た。
「昔から父親がサッカーが好きだったんですが、地元のプロサッカーチームギラヴァンツがJ2に上がった時に、初めて本城に観戦しに来た時、すごく感動して、ただ見るだけじゃなくて、私に何かサポート出来ないかと思ったんです。その時、たまたまクラブの関係者と話をする機会があって、チアチームを立ち上げる責任者の方で『入りませんか?』と誘っていただいたのがキッカケです。趣味で友達と踊る程度だったんで、ダンスの経験は無かったんです。始めは基礎のストレッチや、筋トレとかで大変だったんですが、いつも『ギラヴァンツの為に』という思いでやって来たので、楽しくてしょうがありませんでしたし、仕事以外の時間はスプラッシュの為にやっているので、仕事との両立も全く苦になりません。試合を観に来ている方が私たちのダンスを見て、元気になれたり笑顔になれたり、ギラヴァンツを応援しようと思ってくれればと一番に思っています。周りに『そろそろ卒業しないの?』とからかわれていますが(笑)、出来るだけ長くスプラッシュで踊り続けたいですし、MCなど他の事にもチャレンジして、いつまでもギラヴァンツに関わっていたいです」

9名のメンバーの中で、一番新しい平尾真子さん。先輩たちに追いつこうと、必死に練習に取り組んでいる姿が印象的だった。
「高校の体育祭でダンスをして、それからちょっと興味があったんですが、広告でスプラッシュの募集を見た時に「やりたい!」と思って今年の5月に入りました。全くの未経験だったんで、始めはダンスの基礎から先生に教わったんですが、先輩達との差に愕然としました。学校との両立は少し大変ですが、7月に初めて試合で踊った時、すごく緊張もしましたし、思ったより観客席が近いと感じたましたけど、たくさんの方に見てもらえたので、とても楽しかったです。
もちろんスタジアムには、ギラヴァンツを応援しようと来ている方がほとんどだとは思いますが、私たちスプラッシュの活動も応援して貰えるように、これからも頑張ってダンスを続けて行きたいです」

彼女たちは本城でのダンス以外にも、様々なイベントに参加し、ギラヴァンツをPRしてます。(※わっしょい百万夏まつりに参加した時の様子はこちら

今度の岡山戦では、新曲でのダンスを披露しようと、日々自分たちの時間を削って、練習に励んでいました。その真剣な眼差しから、普段笑顔で踊る彼女たちの、華やかなダンスの裏側にある絶え間ない努力を見られて、貴重な時間を過ごさせてもらいました。

以上

2013.09.19 Reported by 坂本真
(C)坂本 真

現在、社会人と学生の計9名で活動中のスプラッシュ。週一の練習以外でも、集まって練習をするそうです。

(C)坂本 真

あえてココには書きませんが、素晴らしい経歴の猪口輝恵先生。厳しいレッスンの中にも、彼女たちへの愛を感じます。

(C)坂本 真

普段は歯科助手として働いている、SPLASHのリーダー竹中梓さん。他8名のメンバーを、しっかりリード&サポートしています。

(C)坂本 真

北九州の大学に入学し、ギラヴァンツの魅力にハマったという平尾真子さん。メンバーから、妹のように可愛がられているようです。

(C)坂本 真

一分一秒を惜しむように、練習に励む彼女たち。

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