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【J2:第33節 千葉 vs 京都】レポート:後半は一気に運動量が低下して防戦一方となった千葉。攻守に『前へ』のプレーを最後まで貫いた京都が逆転勝利。(13.09.16)

台風の影響が心配された中での一戦だったが、試合中に雨が降ることはなかった。だが、試合前は一時激しい雨が降り、その後、真夏のような陽射しが照りつけて気温が高くなったことで、フクアリは非常に蒸し暑かった。今季、チーム全体のスタミナに問題があった千葉は、その影響を受けたか後半に運動量が低下して苦戦し、京都に逆転されて敗れた。

千葉の試合の入り方は悪くはなかった。京都のパスワークに対して前からプレスをかけてボールを奪うと、動きながら縦方向へのパスを出せる町田也真人がスタメンに入った好影響か、無駄に横につなぐのではなく『前へ』という意識が高いパスをつないでチャンスメークを狙った。11分には京都がCKから三平和司がヘディングシュートをするも、ボールは味方(酒井隆介)に当たってクロスバー上へ。あわや失点のピンチを免れた千葉は16分、伊藤大介のCKをファーサイドでケンペスがヘディング。ワンバウンドでニアサイドに来たボールを田中佑昌が京都の選手2人と競り合いながらヘディングで押し込み、千葉が先制した。その後は京都がゴールに迫っても千葉の選手が体を張って守り、京都のミドルシュートは千葉のGK岡本昌弘の守備範囲内かミスで決定機とまではいかない。一方で千葉もその後に京都ゴールを脅かしたのは、39分のケンペスの強烈なミドルシュートを京都のGKオ スンフンがクロスバーぎりぎりの枠内でセーブした場面だけだった。

後半に入ると、京都は細かいパス回しだけでなくロングボールやサイドチェンジの大きな展開を増やした。一気に運動量が低下して前半のように『前へ』の意識が高いプレスをかけられなくなった千葉は、勢いのある京都の攻撃に押し込まれ、自陣のペナルティエリア近くまで全体が引いてしまう。そのためボールをクリアしても京都に拾われ、ボールを奪って攻めに出てもミスで京都に奪われて、一方的に攻められる展開となった。

スペースができたことで京都はドリブルでの仕掛けが増え、カウンター攻撃もはまるようになった。サイドの攻防でも千葉を上回り、63分には右サイドからのクロスをファーサイドで工藤浩平がオーバーヘッドでシュートするもゴールポスト直撃でノーゴール。だが66分、左サイドから山瀬功治が仕掛けて入れたグラウンダーのクロスを千葉の岡本が防ごうとしたが、こぼれ球を拾った秋本倫孝がパス。それに対する千葉の高橋峻希のクリアボールが自分のところに来た安藤淳がすかさずゴールへ蹴り込み、京都が同点にした。

千葉の鈴木淳監督は「サイドの中盤でミスが多かったのとなかなか起点になれなかったということで、疲れている選手、ミスが多くなってしまう選手を代えて活性を図ろうとした」と、失点前の59分に谷澤に代えて大塚翔平を、失点後の72分に田中に代えて兵働昭弘を入れた。ボールを収めて起点になるパスを出せる選手ということだが、スタメンの運動量が低下していた状況ではパスを受けて京都ゴール前へ飛び出して行ける選手が不足していた。この日の大塚と兵働はパスの受け手になって仕掛けるには、運動量もスピードも不足していた。スタミナとスピードがある田中を下げるならば深井正樹を入れてもよかったのではないか。また、勝つための『1点』を取るために交代出場した森本だが、流れを変えるスーパーサブではなくスタメンで力を発揮するタイプだと思う。ケンペスとの2トップで試合に入り、森本が行けるところまで行くという策もありではなかったか。森本のボールキープ力があれば、千葉はあれほどまでにスタミナを消耗しなかったかもしれない。

ボールへの執着心を剥き出しにして後半は球際の勝負に勝ち、攻守で『前へ』のプレーを最後まで貫いた京都は、77分にカウンター攻撃で中村祐哉のクロスから山瀬が決勝ゴールを奪った。後半に攻守で『前へ』のプレーが激減した千葉の敗戦は必然とも言えた。

以上

2013.09.16 Reported by 赤沼圭子
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