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【ヤマザキナビスコカップ C大阪 vs 浦和】レポート:C大阪完敗。興梠のアウェイゴール2発で浦和が先勝!(13.06.24)

5月の公式戦において、C大阪が5勝2分け、浦和が4勝2分けと、ともに負けなし。約1カ月の中断期間を経て、好調なチーム同士の激突となった、ヤマザキナビスコカップ準々決勝。その第1戦は、C大阪のホーム、大阪長居スタジアムで行われ、浦和が、興梠慎三の2ゴールにより、2-0と勝利。貴重なアウェイゴールを奪って、埼玉スタジアム2○○2での第2戦に凱旋することになった。一方のC大阪は今季公式戦2度目の無得点試合に終わり、初の準決勝進出に向けて、厳しい状況で、敵地へ乗り込むことになった。

ホームアドバンテージを活かしたかったC大阪だが、「全体的にみんな、身体が重そうだなというのはあった」と、藤本康太。2週間のオフ明けから、2週間での調整で臨んだC大阪は、北海道キャンプや練習試合などで3週間の念入りなトレーニングを行った浦和に出足で劣り、中断前の勢いを発揮しきれなかった。序盤の9分には、マルシオ リシャルデスのスルーパスから、興梠に抜け出され、GKキム ジンヒョンもかわされて、無人のゴールにシュートを流し込まれると、ここからは浦和のポゼッション力の前に翻弄され続ける。前半をなんとか1失点でしのぐも、ミスも目立ち、チャンスらしいチャンスも作れなかった。

ハーフタイムには、レヴィークルピ監督から「こんなひどいプレーはあり得ない。これは草サッカーか!準々決勝だぞ、もっと集中しろ!」と猛烈な檄を受けたC大阪イレブン。仕切り直して臨んだ後半は、枝村匠馬のシュートからスタートしたのだが、「カウンターとか、攻めのところで、セレッソがやりたいようなサッカーを、後半は(浦和に)やられてしまった」(酒本憲幸)。56分には浦和GK加藤順大がクロスをキャッチしたところからのカウンターで、ドリブルで駆け上がった梅崎司を経由し、鈴木啓太、柏木陽介と、ピッチをワイドにつながれて攻め崩されると、最後は再び興梠に押し込まれ、リードを2点に広げられた。さらに、その後も2度、あわやPK献上かというシーンも見られるなど、浦和の圧力に終始苦しんだ。

それでも、「今日の試合を振り返ると、実は2-2というスコアで終わってもおかしくはなかったという部分はある」とレヴィークルピ監督も言うように、後半、C大阪にもチャンスはあった。60分にはエジノ、68分と74分には途中出場の南野拓実に、それぞれゴール前で決定機が訪れたのだが、枠を捉えきれなかったり、浦和DF那須大亮の身体を張ったディフェンスに防がれるなど、ゴールが遠かった。また、C大阪の柱である柿谷曜一朗が、なかなかボールに絡めなかったことも、攻撃の迫力に欠いた一因でもあった。

「今日は我々が勝利に値するゲームができた」と開口一番述べたのは、第1戦を勝利した浦和のペトロヴィッチ監督。ただ、「4-0、5-0にならないといけないような試合だった。自分たちのサッカーができたとはいえ、今日のセレッソのコンディションに対してのプレーで、満足しているようでは、上にはいけない」(柏木)と、選手たちに第2戦へ向けての油断はない。「次のホームの試合は、0-0でいいという気持ちは決してなく、勝ちに行くつもりでやらないと勝てないので、気を引き締めてやっていきたい」と、殊勲の興梠も、2連勝での準決勝進出を誓っていた。

一方、「ゲームの内容をそのままスコアにしたような形であり、浦和さんのほうがC大阪よりもいいサッカーをされた」と、完敗を認めたのは、C大阪のレヴィークルピ監督。それでも、「C大阪はしっかりと集中力を見せることさえできれば、たとえアウェイであっても、勝つことは絶対にできると思う」と強気な姿勢は崩さず。桜色のイレブンも「アウェイで3-0以上で勝たないといけないですし、僕たちはホームで負けているので、初めから今日(浦和)レッズがやっていたように、どんどん仕掛けて行くようにやっていきたい」(藤本)と、敵地での逆転勝利へ強い意気込みを示した。

2年前同様、C大阪はホームで苦杯をなめた。しかし、今回はホーム&アウェイの2試合で決める勝負。戦いは、前半の90分を終わったのみで、場所を埼スタに移して、後半の90分が待っている。「ただでは終わりたくない」と酒本がいうように、意地を見せたいC大阪。「歴史を塗り替える」ドラマは、まだ終わっていない。

以上

2013.06.24 Reported by 前田敏勝
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