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【J2:第17節 福岡 vs 熊本】プレビュー:11回目を迎える熊本との九州ダービー。ホームで戦うダービーには、勝利の2文字しか見えない。(13.06.01)

リーグ戦は42試合の長丁場。1年間を通して好不調の波の小さいチームが栄冠を掴む。シーズンの中には、時に流れを変える試合や、ターニングポイントと呼ばれる試合が存在するが、だからと言って、どんな試合であろうとも、勝点3を奪い合う事実に変わりはない。そういう意味では特別な試合は存在せず、常に安定したパフォーマンスを発揮し、コンスタントに成績を治めることが求められている。

しかし、それでも特別な試合がある。勝つことだけに意味がある試合がある。得られる勝点が3であることに変わりはない。しかし、サポーターは、それ以上の価値を、その試合に見出す。その試合にかかっているのは単なる勝点だけではない。それは、おらが町の誇り。それは、おらが町のチームを愛する気持ち。それはプライドとプライドをかけた戦いだ。それがダービー。それを制するのは、互いの順位でも、互いの勢いでも、そして、互いの間にある実力差でもない。それは、絶対に勝つという強い気持ち。いつの時も、その気持ちに勝るチームが勝つ。そして第17節、アビスパ福岡はレベルファイブスタジアムにロアッソ熊本を迎えて、今シーズン2度目の九州ダービーを戦う。

ここまでの通算対戦成績は、4シーズンを戦って5勝2分3敗と福岡がリードするが、シーズン毎の対戦を振り返れば、ダービーにふさわしい戦いを繰り広げて来たことが分かる。熊本と初めてダービーを戦ったのは、熊本がJリーグ参入を果たした2008年シーズン。レベルファイブスタジアムで行われた試合(第12節)は、大久保哲哉(現横浜FC)のゴールで福岡が先制したものの、高橋泰(現愛媛)がハットトリックを達成する大活躍で熊本が逆転勝利。このシーズンは1勝1分1敗の五分の成績だったが、ホームゲームで一度も勝てなかった福岡にとっては屈辱とも呼べるダービーだった。その想いもあってか、翌2009年シーズンの成績は福岡の2勝1分。福岡が「俺たちが強い」と言う気持ちを結果で表した。

だが、激しい戦いは、その後も続く。2010年シーズンの最初の対戦は第11節。福岡が14位、熊本が8位で迎えた。この時の福岡は4連敗中だったが、レベルファイブスタジアムで迎えた戦いで熊本に6−1と圧勝。そして、この試合がターニングポイントとなって、福岡は5年ぶりのJ1復帰を果たした。しかし、熊本も負けてはいなかった。第29節、3位に付ける福岡が昇格に向かって着々と勝点を積み上げる中、立ち上がりから主導権を握って試合を進める熊本は松橋章太(現長崎)が2得点。福岡の反撃を高橋泰の1点に抑えて、ホームゲームで意地を見せた。このシーズンの福岡は、後半18試合でJ2トップの成績を残したが、熊本はホームのダービーで勝利を譲らなかった。

2012年シーズンも互いに譲らなかった。最初の対戦はレベルファイブスタジアムで迎えた第1節。坂田大輔、城後寿のビューティフルゴールでリードを奪った福岡は、熊本の後半の反撃を抑えて2−1で勝利する。対する熊本は、ホームで迎えた第35節の戦いで1−1のスコアから北嶋秀朗が2得点を奪って福岡を下した。そして迎える11回目の対戦。この戦いも激しいものになることは間違いない。

前節、岐阜に勝利しながらも「最悪のパフォーマンス」(プシュニク監督)だった福岡は、自分たちのサッカーを再確認。「目指すサッカーは勝つサッカー。自分たちのサッカーをすれば勝利できることを信じて戦う」(同)と話す。いつものように、高い位置からのハイプレスと、奪ってからシンプルにゴールを狙う縦に早い攻撃で勝利を目指す。一方の熊本はポゼッションサッカーがベース。ファビオが復帰した前線はハイボールにも強く、両サイドのスピードも熊本の特長のひとつだ。現在14位の成績も、第8節から3連敗を喫した後は、4勝1分1敗と好調。その勢いのままにレベルファイブスタジアムへ乗り込んでくる。

両チームの特長から見れば、福岡がハイプレスで熊本をはめ込むのか、熊本が素早いパスワークで福岡のハイプレスをはがすのかが勝負の鍵。しかし、ダービーは、これまでの試合がそうであったように、それだけでは勝負は決しない。結局のところ、勝利に対する気持ちを相手よりも強く表現できるかどうかで勝負が決まる。勝負の火ぶたが切って落とされるのは6月1日(土)16:00。もちろん、より強い気持ちを表現するのが福岡であることを、ファン、サポーター、そして福岡に関わる全ての人たちが信じている。

以上

2013.05.31 Reported by 中倉一志
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