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【J2:第17節 横浜FC vs 札幌】プレビュー:アウェイに強い札幌を迎え、横浜FCは念願のホーム初勝利を果たせるか。その鍵は、やはりゴールへの執念。(13.06.01)

関東地方は、5月29日に例年より10日早く梅雨入りした。横浜FCはこの季節になるまで、聖地ニッパツ三ツ沢球技場での勝利を挙げることができていない。一方で、試合の内容が梅雨のように湿っているかというと必ずしもそうではなく、後一歩のところで勝ちきれないという試合が続いている。対する札幌は、アウェイで5勝1分2敗と大きく勝点を稼いでいる一方で、ホームで1勝しか挙げられず全体としては15位と伸び悩んでいる。混戦J2の中で上位を伺うには、得意のアウェイの試合を確実にモノにしていく必要がある。この試合は、アウェイに強い札幌を迎え、横浜FCが自らの強みを発揮してホーム初勝利を呼び込めるかが焦点となる。

横浜FCは、前節栃木戦をスコアレスドローで終えた。非常に堅く組織的である上に、パウリーニョ、クリスティアーノという強烈な外国籍選手を擁する栃木を相手に、相手の良さを消しながら、数少ない隙を突くという戦い方はよくできていた。2本のバーを叩くシュートもあり、結果としては引き分けに終わったが、内容としては手応えのあるものだった。また、この5試合で3失点、その3失点もセットプレー絡みのみということで、守備についてはかなり安定してきている。その状況については、選手からも「共通意識」という同じ言葉が聞かれた。

「守備では共通意識を持ち始めている。ポジションの取り方、距離感はやっていればやるほどよくなるし、しゃべらなくてもできるようになる。そういう面で良くなってきていると思う」(野上結貴)

「ぺ スンジンの出場停止は関係ないし、誰が出ても同じ。キャンプからやっていますし、縦、横、誰と組んでも大丈夫」(西嶋弘之)

その上で山口素弘監督が求めているのは、守備から攻撃へのつながり。「奪った後の最初のパスを大事にすることもそうだし、意図的に奪えればいい形で速い攻撃につなげられる」と語るように、よりゴールに近い攻撃に向けて質を高めるトレーニングを行っている。あとは、ゴールだけ。エース大久保哲哉にはどの試合でも2人以上の厳しいマークも付くが、「マークが付かれていていも、1回や2回はマークを外すシーンだったり、ミスマッチが生まれるシーンがある。そこでしっかり得点、アシストしたい」(大久保)とゴール前での決定的なシーンでの活躍を誓う。前節、惜しくもゴールを奪えなかった鬱憤を晴らしたいところだ。

対する札幌は、ある意味札幌らしい、ボールを奪うと前へのスピードとパワーを押し出してくるサッカーを展開する。「特徴のある選手は何人かいる」(山口監督)というように、個々の局面で相手を上回る特徴を持った選手をうまく生かしている。かつて札幌に在籍した西嶋は「僕がいたときの選手はだいぶ減って、若返った。ユースからの選手がしっかりして、若い選手が堂々とのびのび思い切ってやっている。上原慎也はもともと能力が高くて、すごい足も速いし、高さもあるし、勝負を分けるポイントではあると思う」と、前節はスタートからトップに起用された上原を警戒している。今節は本来のサイドバックに戻る可能性があるが、要注意ポイントであることには代わりがない。そして、2列目以降の選手が素早くサポートし、ダブルボランチを含めて厚みのある攻撃を仕掛ける力は十分にある。

山口監督が「どれだけコンパクトにできるかが勝負を分ける」と語るように、札幌に攻撃の切り替えを行うスペースと時間を与えないことが横浜FCにとっての大きなポイント。栃木戦では成功していたこのポイントを継続できるかが、試合の流れを形作るだろう。ただ、勝点3をもたらすのはゴール。1本のゴールの効果は絶大だ。横浜FCには大久保哲哉、札幌には前田俊介などパワーにあふれたフォワードが君臨している。両チームのフォワードが、ゴール前でいかに有利な体勢でシュートを打てるか。その駆け引きにも大きく注目したい。

幸いにも、試合が行われる6月1日(土)の横浜の天気予報は晴れ時々曇り(原稿執筆時点)。良いコンディションでの試合が期待できそうだ。「基本的には控えめなタイプなので」と言いながらも、今シーズン加入した西嶋は「まだ、三ツ沢で勝った後のお立ち台を知らないんで、何をするのかも知らないし、どういう雰囲気になるのかもわからないけど、ゴール裏のサポーターと一丸になって、厳しい状況を乗り越えて、みんなで喜びたい」と語る。すでに遅くなってしまったが、三ツ沢での初勝利に向けたスタジアム全体の努力の結晶を期待したい。

以上

2013.05.31 Reported by 松尾真一郎
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