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【J2日記】群馬:チャンスの前髪〜前髪を持たないサッカー選手と、彼の断髪の旅〜(13.05.29)

遠藤敬佑が前髪を切った…。

チームメイトの中村英之によると、事件は5月26日の北九州戦のあとに起こったという。試合は0−0のスコアレスドローに終わったが、落ち込んだ選手たちは急きょ、決起集会を兼ねた食事会を企画。小林竜樹と平繁龍一のダブルドラゴンを中心に7〜8人が集まった。その会に出席したのが遠藤だった。

食事会は和やかな雰囲気で進んだが時間の経過とともに、話題は北九州戦へと移っていった。そして後半開始直後に遠藤が迎えた決定機のシーンについての激論がかわされた。左サイドからのボールに対して絶好のタイミングで飛び込んだ遠藤が右足で放ったシュートは完全なダフり。群馬はビッグチャンスを逸した。そのシュートに失望したエース平繁が、遠藤に対してこう言い放ったという。

「その前髪が長過ぎるからダフるんちゃうんか!!」

スコアレスドローの責任を感じていた遠藤は即座に店員を呼んで、業務用のハサミを拝借。その場で前髪を軽〜く切り出した。だが、そのチャラい態度にチームメイトは納得しなかった。するとハサミを奪い取った平繁が、遠藤に代わってその前髪をばっさりと切り落としたという。

硬派・平繁は「遠藤とは同年代だし、一緒にチームを引っ張っていこうという気持ちでハサミを取った」と笑いをこらえた。

話はそれで終わらなかった。前髪ぱっつんとなった遠藤は20節までに今季初ゴールを決めることを高らかに宣言。もしゴールを決められなかったら頭を丸めることをその場で約束したという。昨季から「自分を変えたい」と話していた遠藤は今季のテーマに「CHANGE」を掲げているが、その覚悟の表れだった。

28日の練習後、前髪を気にする遠藤にその「覚悟」を聞いた。その答えは「20試合っていっても僕はまだ11試合しか出てないのであと9試合あるんじゃないですか。それに坊主っていうのはちょっと・・・、さっぱり切るくらいにしておいてください」(遠藤)という驚愕の内容だった。往生際の悪さだけは一流だ。

「チャンスの前髪」という言葉がある。チャンスの神様は前髪しかない。あとから追いかけても捕まえられないというたとえだ。仲間の前で誓った言葉に、二言はない。残り4試合計360ミニッツ。遠藤は20節までにゴールを決めて、チャンスの前髪をつかむ。ゴールさえ決めれば断髪式はない。悩み無用。答えはシンプルだ。

ちなみに遠藤がゴールを決めた場合、長髪をなびかせるダブルドラゴンの一角・小林も前髪を切ることを視野に入れているという。

以上

2013.05.29 Reported by 伊藤寿学

遠藤敬佑、前髪ありのラストゲーム・北九州戦。後方の背番号11が小林竜樹

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