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【J2日記】北九州:スクール☆ギラヴァンツ〜子供達との貴重な時間〜(13.05.29)

日曜日にアウェイ群馬戦を終え、月曜日はリカバリー練習と紅白戦を行ったギラヴァンツ北九州。火曜日はチームにとって貴重なオフの日だが、このオフを利用してクラブが今季から始めた選手訪問事業「スクール☆ギラヴァンツ」が行われた。今回はGKの武田博行選手と、FWの柿本健太選手が参加するという事なので、訪問先である八幡東区にある高見小学校に向かった。今回で4回目を数える「スクール☆ギラヴァンツ」は、クラブが地域に根ざした活動の一環として、4月下旬から北九州市にある小学校を回って、選手達が実際に教壇に立ち、道徳の時間を利用して「夢や目標を持ち、それに立ち向かっていく大切さ」を子供達に伝える授業を行なっている。

授業の時間になり、待合室として使われていた校長室から出て来た武田選手と柿本選手。笑顔を浮かべているが、少し緊張している様子。この日2人は6年生の2クラスを担当する事になった。柿本選手の手には、前日にでも予習してきたのかプリントと、汗拭き用のタオルを持っていた。2組を受け持つ事になった柿本選手は軽く自己紹介した後、子供達に「カッキー」と気軽に呼んでと伝えるが、思ったような反応は得られず。「何歳に見える?」と聞くと、28歳や35歳と子供達の答えは容赦なかった(笑)。しかし柿本選手は気を取り直し、クラブが用意したDVDをテレビに流す。柿本選手のプレーを集めたそのDVDには、もちろん得点シーンも収められていて、子供達からは大きな歓声が上がり、笑顔が戻ったカッキー。自身がサッカーをやるキッカケを「お父さんが3歳の時にサッカーボールを買って来て、ボールでずっと遊んでいた。4歳からサッカーを始め、いつかはワールドカップでプレー出来る様な選手になりたいという夢を持つようになった」事、「それから毎日毎日ボールを蹴って、諦めないでプロになる目標に向かってサッカーを続けて来た。苦しかった時や逃げ出したいと思った時は、プロになりたい気持ちを思い出して、その壁を乗り越えて来た」と自らの経験を伝えた。その話に大きく頷きながら真剣な眼差しで聞く子供達。柿本選手は「なりたい職業がある人?」と子供達に質問すると、4人がサッカー選手、1人が野球選手とプロバスケットボールの選手と、男子にはやはりスポーツ選手は人気だ。中には、漫画家やゲームクリエイターという答えも出ていた。女子には薬剤師が人気の様だったが、「小学生の時、薬剤師なんて言葉知らなかった」と、柿本選手はびっくりした様子。授業が終わった後、2人の男の子は「諦めないで、1つの事に貫いている姿が格好良かった!」、「一生懸命やり続けていて、すごいと思いました」と、柿本先生の授業の感想を話してくれた。

1組を担当する事になった武田選手のクラスは、DVDを流すパソコンが不調というトラブルが発生!そのせいか、武田選手も表情が固く、子供達も少し緊張気味な教室内。しかし質問コーナーでは、子供達が積極的に質問してくれるおかげで、武田選手にいつもの笑顔が戻って来ました。サッカーに関する質問もですが、中には「彼女はいますか?」や「結婚したいですか?子供欲しいですか?」と、記者の私も躊躇する事を、簡単に投げかける子供達。「今はいません」、「結婚したいし、子供も欲しいですが、相手がいません」と、苦笑いを浮かべる武田選手。
お兄さんの影響で、サッカーを始めた武田選手。1人だけ違う色のユニフォーム、キーパーグローブが格好良いという理由で、ゴールキーパーになった事。兵庫県の高校卒業時に、どのクラブからも声が掛からず、数多くの加入テストやを受けて、プロの切符を掴んだ事など、苦しかった時期の経験談も話されていましたが「僕自身、親や周りの人達の協力のお陰で、乗り越える事が出来た。みんなも、自分に自信を持って夢や目標に向かって欲しい。そして、周りの人に感謝する気落ちは忘れないでね」と子供達に伝えていました。「小さな時から、努力し続けたところ」、「いろんな事に、チャレンジしていた点」と、武田先生の魅力を語ってくれた、女の子2人組はすでにファンになっていました。

授業が終わると、みんな楽しみな給食の時間です。柿本選手は子供達に囲まれ、急遽サイン会!一方の武田選手は、子供達と一緒に給食の準備と、2人共大忙し!みんなで手分けして給食の準備をする姿に、私も懐かしさを感じていましたが、運ばれた瞬間、全く迷い無く食事を始める子を見つた時に遠い記憶が蘇り、いつの時代も変わらないんだなぁと、少し安心した私でした。
楽しい給食の時間が終わると、体育館に移動して、選手とクラブのホームタウン推進部のコーチと共に、サッカーボールを使ったゲームで遊びました。選手と手を繋いで、楽しそうにゲームをする笑顔の子供達。武田選手、柿本選手2人もずっと笑顔でした。ゲーム終了後、2人はボールパフォーマンスを披露し、大きな拍手を浴びていましたが、楽しい時間はあっという間。これで授業はおしまいです。最後に2人から挨拶があり、武田選手は「楽しい時間が過ごせました。目標に向かって頑張って下さい。今度は、本城に遊びに来て下さいね」と伝え、柿本選手は「10年振りに給食を食べて、懐かしかったです。ぜひ、ギラヴァンツの試合に応援しに来て下さい」と話し、高見小学校6年生の子供達とお別れしました。

今回「スクール☆ギラヴァンツ」の受け入れ先になった高見小学校の原田直久校長は「北九州市唯一のプロスポーツクラブの、ギラヴァンツ北九州のこういう取り組みは、非常に有難いと思っています。実際に夢を達成した選手から、直接話が聞けるのは貴重な体験だし、夢や目標を持つ事の大切さを伝えてくれた。なかなか触れ合う機会が無いプロの選手と触れ合って、子供達が何かを感じてくれたら嬉しいですし、これを機会にギラヴァンツを応援する子供達が増えたらと思っています」と、貴重なオフの時間に訪問してくれた、クラブと選手に感謝の言葉を述べていました。

校長室に戻って、安堵の表情を浮かべている2人に改めて話を聞きましたが、「先生としての授業は最低でした(苦笑)でも、夢や目標を持つ事の大切さが伝わっていたら良いと思います。楽しかったんで、もっと時間が欲しかったです。自分達のクラブは、市民の協力があってこそ。また機会があれば、積極的に参加したいと思います」(柿本健太)「栃木では、体育の授業に参加する事はあったけど、教壇に立ったのは初めてで、最初は緊張しました(笑)でも楽しかったです。夢は、自分次第でどうにでもなる。授業の中で、子供達に上手く伝わっていたら良いですね。1回経験したんで、次は緊張せずにやれると思います」(武田博行)

シーズン中、中断期間も無く、毎週戦い続けなければいけないJ2だが、これからもこの取り組みはずっと続けて行って欲しい。あの子供達の笑顔を見れば、選手達と過ごした時間はずっと宝物として、永遠に記憶に残るだろう。選手達にとっても良い気分転換になり、またクラブが多くの人に支えられて、この地で戦う事が出来る事を再確認した事だろう。

次回の訪問先は、君の学校かも知れないし、あなたのお子さんの学校かもしれませんよ!

以上

2013.05.29 Reported by 坂本真
(C)坂本 真

掴みは微妙だったが、何とか子供達の心を掴んで授業を進める柿本選手。

(C)坂本 真

少し緊張気味の武田先生でしたが、子供達は食い入る様に話を聞いていました。

(C)坂本 真

柿本選手のクラスは今流行の「今でしょ?」ポーズで記念撮影。

(C)坂本 真

武田選手のクラスは、柿本選手のクラスに対抗してやっったのは陸上のボルト選手のポーズ!

(C)坂本 真

子供達と一緒に給食の準備に忙しい武田選手。

(C)坂本 真

今日のメニューは、・ご飯・納豆・みそ汁・たけのこのおかか煮・牛乳でした。

(C)坂本 真

子供達とサッカーを楽しんでいた柿本選手。ご自身の小学生時代を思い出したかな?

(C)坂本 真

別れを惜しみながら、子供達が作ってくれた花道を、ハイタッチしながら通る両選手。

(C)坂本 真

2006年に新校舎に生まれ変わった高見小学校は、今年で創立98年と歴史がある学校です。

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