本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第15節 愛媛 vs 神戸】レポート:神戸は有田光希の恩返しゴールで愛媛をねじ伏せる。一方の愛媛は松本翔のゴールで意地をみせ、敗戦の中に光も差す。(13.05.20)

試合前に降り続いた雨もキックオフの頃には上がり、ピッチは若干水を含むもののコンディションは良好。ゴール前での攻防が多い白熱したゲームになり、そこから数多くの得点が生まれた。その中で、まず先制点が生まれたのは前半10分。神戸はコーナーキックのチャンスをつかむと、岩波拓也のJ初ゴールで先制点を奪った。愛媛にとっては注意していたはずの立ち上がりの失点。首位の神戸を追いかけるという厳しい展開にいきなり追い込まれたが、すぐさま反撃を開始する。まずは赤井秀一のフリーキックで神戸のゴールを狙うと、続く前半17分には自陣でパスをつなぎ、吉村圭司の縦パスから神戸の左サイドを攻略。河原和寿の折り返しから吉村、加藤大が続けてシュートを放ったが、神戸は守備陣が体を張って守り抜いた。

すると今度は神戸がコーナーキックの高さを生かして愛媛のゴールを脅かし続けた。前半29分にはコーナーキックからイグァンソンが打点の高いヘディングで枠をとらえ、31分にはこぼれ球をポポがミドルシュート。迫力のある攻撃を続けたが、愛媛はいずれもGK秋元陽太のファインセーブで難を逃れた。後半開始直後にもコーナーキックから田代有三が頭で合わせたが、再び秋元が好セーブ。愛媛は苦しい時間を粘り強く耐えていただけに、同点ゴールが欲しかった時間帯だった。逆に神戸は攻め切れない嫌な流れだったが、それを断ち切ったのが途中出場のFW有田光希だった。

昨季、愛媛のエースとして活躍しながら今季は神戸に復帰して活躍の場を減らしていた有田。後半22分にピッチに送り出されると、慣れ親しんだピッチに登場した3分後の得点を皮切りに、3分間で結果を出した。まずは25分、左サイドからのクロスを田代が落とすと、有田は愛媛守備陣の間をすり抜けゴール。貴重な追加点を挙げただけでなく、有田は直後にセットプレーで失点をした後の愛媛の追い上げムードも振り払った。吉村のゴールで1点差になった28分、神戸はカウンターで一気に攻めあがると、再び有田が決めてリードを広げた。これで勢いをそがれた愛媛。ミスでさらに1点を失うと、最後は松本翔がPKで1点を返すのがやっと。首位神戸を追い詰めるまでには至らなかった。

試合後、愛媛の選手たちは口々に3失点目を悔やんだ。ゲームの流れと時間帯を考えれば、確かにあの3失点目で勝負が決まってしまった感はある。ただ愛媛としては追いかける展開であった以上、前がかりになるのはやむをえないところもあるし、3失点目はペナルティエリアに入った有田1人に対して4人のディフェンダーがいた。そこは有田の落ち着きと勝負強さを褒めるべきでもあるし、逆に愛媛の守備陣のカバーの甘さ、詰めの甘さも指摘せざるを得ない。そうした局面での力強さは愛媛にはまだまだ足りないし、さらに言えば警戒していたはずのセットプレーで次々とピンチを招き、先制点も奪われてしまったことも反省材料になる。次のG大阪戦(5/26@ニンスタ)までにできる修正は限られるが、この日以上に我慢強く戦えなければ勝点を奪うことは難しいだろう。

一方で神戸は力で愛媛をねじ伏せ、連敗を逃れた。終盤の失点には課題を残したが、きっちり勝点3を取れたことは大きい。さらに田代が2アシストでチームに貢献する中で、岩波はJ初得点だけでなく守備でも高さや強さを見せていたし、これまで控えに甘んじていた有田も結果を出した。こうした若手の成長はJ2優勝を目指して戦い抜く上では欠かせないし、大きな収穫だといえるだろう。もちろん、愛媛も劣勢のゲーム展開の中で最後まであきらめない姿勢を示したし、期待されていた松本翔にようやくJ初ゴールが生まれた。決して悲観的になる必要はないし、首位との戦いでつかんだポジティブな要素は成長の糧にしたい。愛媛が上位を目指す上ではまだまだ成長が必要で、そのためには結果も欲しいが、どんな相手であっても次につながる内容の戦いを続けることも重要だ。

以上

2013.05.20 Reported by 近藤義博
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP