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【AFCチャンピオンズリーグ2013 ソウル vs 仙台】レポート:後半猛攻も、1点が足りなかった仙台。Kリーグ王者相手に得た手応えと悔しさは、来週のホーム戦で生かさなければならない(13.04.03)

長い5分間のアディショナルタイムに、時間を使おうとする相手から懸命にボールを奪い、守りを固める相手のサイドをこじ開けて、仙台はクロスの雨を降らせた。83分にソウルのGKユ サンフンが、ペナルティエリア外でウイルソンを倒して退場。既に交代枠を3人分使っていたソウルは、「多くのポジションでプレーできる」(チェ ヨンス監督)チェ ヒョンテをGKにせざるを得ず、仙台はこのGK相手にウイルソンがPKを決めたことを合図に、猛攻を続けた。
だが同点弾は生まれず、仙台は敵地で悔しい敗戦。ACLでの初黒星を喫した。

この試合をおおまかにいえば、前半はソウルの、後半は仙台のペースでそれぞれ進んでいた。
仙台は「(ボールを)持たせて、そこからいいカウンターを仕掛ける」(手倉森誠監督)というアウェイ仕様のゲームプランでこの一戦に臨んだ。しかし5分に仙台陣内でのパスカットから速攻を許すと、最後は元浦和のエスクデロ セルヒオに決められて失点。さらに22分にはまたも右サイドからの攻撃を受け、献上したFKから元磐田のキム ジンギュに追加点を許してしまった。
守備重視のプランの中でフィールドプレーヤーのパスミスやGKのキャッチミスが出る展開が続き、2点のビハインドを負う苦しい状態で、仙台は試合を折り返す。

しかし仙台は後半に富田晋伍をジオゴの代わりに投入してボールの「散らし役」を増やし、攻撃寄りのプランに切り替える。ソウルがリードを守ること、そして「週末の(Kリーグの)試合もあるので体力面も考えて」(チェ ヨンス監督)引き気味で守備を固めるかたちにしてきたことで、仙台がボールを持つ時間が増えた。なかなか相手の守備ブロックを崩せないまま時間は過ぎたが、時間とともにソウルに守備でミスが増えたこともあってPKをもぎ取り、1点差に詰め寄る。しかしあと1点が足りなかった。

負傷者の相次いでいる仙台は、敵地で連係と個人のミスを突かれて2点を失った。だが、自らのミスを取り返すように、後半に連係を立て直した。ソウルは間違いなく強かったが、勝てない相手でもないということもまた、わかった試合だった。
たとえば、先述のPK獲得の場面。レッドカードは得点機会を阻止した相手GKの責任だが、その前に「相手がブロックを組んでいた」(手倉森監督)はずのソウルが、ウイルソンに裏を取られていた。これは仙台が相手の守備の隙を突く努力が実った結果といえる。その後の猛攻でも、引いた相手のサイドにスペースを作ってクロスを上げるところまではできた。左サイドバックでフル出場した和田拓也は「最後のところで精度を上げていかないと」と反省しながらも「アシストやシュートの機会を作ることはできていたので、それを増やしていきたい」と、改善した部分に手応えも得ていた。

だからこそ、チームは悔しさを強く感じていた。
内容面でつかんだものも、つかみかけたものもあった。しかし、結果では勝点を1つもつかめなかったことも事実である。「試合が続くけれども、この状況の中では短い時間で失敗を取り戻すことができます」と柳沢敦が言うように、この反省はすぐ1週間後にやってくる、同じソウル相手のホーム戦(4/10@仙台)で生かさなければいけない。勝点3というかたちで。

以上

2013.04.03 Reported by 板垣晴朗
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