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【ヤマザキナビスコカップ 甲府 vs 湘南】プレビュー:水曜夜の激闘は似た境遇対決の隣県マッチ。勝点1はいらない、欲しいのは勝点3だけ。甲府はオルチが出る?湘南は何を出す?(13.04.03)

甲府と湘南は近年は似たような境遇。10年(湘南)と11年(甲府)にJ1を1年で陥落したものの、再昇格を勝ち取ったのが昨シーズン。そして今年のテーマは共にJ1定着への第一歩にしたいということ。しかし、シーズン開始から悪くない内容の試合をしているにもかかわらず、ワンチャンスを決められてしまって未勝利だということも同じ。おまけに、ホームタウンの中心となる甲府と平塚の駅南口のエスカレーターの運転が止まるのが早いということまで同じ。そして、ヤマザキナビスコカップ第3節では未勝利対決に勝って、週末のリーグ戦につなげたいということも同じ。

甲府と湘南のここまでのスコアだけみると、得点力は湘南が上で、失点は甲府が少ないという“数字”。甲府の得点はデジタル通信みたいに110101と1と0が並ぶ。ステージがJ1に変われば難しくなることは覚悟していたけれど、無失点で抑えることが難しいだけに2点目を挙げることが勝点3を奪うには必要。決定機を増やしてゴールにつなげる取り組みは継続しているが、オルティゴサ(25歳・元パラグアイ代表)の獲得もそのための期待の一手。3月22日に獲得を発表した選手なのだが、今節初出場の可能性が高い。城福浩監督は「(まだトップコンディションになっていないので)普通なら出場はない。しかし、少しでもチーム、日本のサッカーのスピードに慣れながらコンディションを上げていく。リスクを背負ってでもピッチに立たせるのは選択肢の一つ」と、起用する可能性が高いことを明言する。でも、これはギリギリの判断でもある。甲府が週末のリーグ戦で対戦する大分が水曜日はナビスコカップがお休みという条件で、週末に向けたコンディショニングでは甲府が不利な立場にいることが要因のひとつ。「ヤマザキナビスコカップは次(湘南戦)で勝点3を取らないとグループリーグを抜けることが厳しくなる。そして、我々は来年もJ1のステージで戦うことが絶対の目標。大分は水曜日にゲームがなく、ホームで我々を待ち構えることができる。我々の取るべき手段は、(湘南戦を)いい形で乗り切り、少なくとも相手(大分)と対等なコンディションでやるためにギリギリの選択をする」と、オルティゴサの起用だけでなく週末の大分戦に向けて中2日のコンディショニングのことも考えながらの先発11人とベンチメンバーを起用しなければらない難しさを城福監督は話した。

前節の湘南は3バックと予想されていたものの、始まってみれば4バック。下村東美をアンカーに置く4-1-4-1がハマったが、それでもワンチャンスを決める名古屋に敗れて悔しい思いをしている。今年の湘南は、3バックがベースのチームだと思うが、今節はどんな判断でどんな配置で最大値を出そうとするのか注目点。相手対策ありきではなく、チームの最大値を出すという考えで選手を組み合わせるという点は城福監督と同じだ。その曹貴裁監督が甲府をどう分析しているか次第だが、今節の分析は難しいだろう。オルティゴサが出場すると読んだとしても、彼はまだトレーニングマッチにも出場しておらず、ここ数日でようやくフルコートで練習に参加するようになったので、味方の甲府サイドも彼の本当の力を知らないからだ。彼を起用する場合、城福監督は細かく指示をするつもりはない。「オルティゴサが持っているものを隠さない程度にチーム戦術を伝えていく。オルティゴサがどんなプレーをするのか見せてほしい。(公式戦の)シビアな場面で見ないと分からない部分がある(城福監督)」ということ。ただし、「(コンディションや順応の問題もあるので)特別なものを見せてもらえるとは思っていない」と、現実的な視点は変わらない。あくまでも、ヤマザキナビスコカップのグループリーグ突破のために必要な勝点3を湘南から奪うことと、週末の大分戦に向けた対応などを考慮した上でのギリギリの判断での起用。その結果、堀米勇輝、新井涼平らここまで出場時間の短い若手や、出場機会のなかった若手にもチャンスが広がりそうな湘南戦。若手のモチベーションの高い挑戦を山梨中銀スタジアムで生で見てほしい。

ナビスコカップA組では横浜FMと磐田が2連勝中で、ペアを組んで走りそうな雰囲気だが、昇格同期の甲府と湘南もそれを見送るつもりはない。まずは、ここで勝ってこの2チームを追撃できる立場をつかみ取りたい。チームの飛躍、若手やサブのアピールのチャンスが満載のヤマザキナビスコカップで、今季初の勝点3をつかみ取るのはどっちなのか。勝点1を分け合うようでは横浜FMや磐田の背中には手が届かない。隣県対決でもある甲府対湘南は、J1の舞台では初の対決でもある。お互いの底力が試される水曜夜の激闘。この対戦、結構見どころ一杯です。

以上

2013.04.02 Reported by 松尾潤
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