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【J2:第6節 東京V vs 岐阜】三浦泰年監督(東京V)記者会見コメント(13.03.31)

●三浦泰年監督(東京V):

「5節が終わって、今月ラストのゲームで、この3月で一番大事な試合だというのはわかっていた中で、起こりうることは2パターンあると考えていました。重圧に巻き込まれてしまうという展開と、逆に今日のような、プレッシャーに打ち勝って、我々らしさが出る展開。この2パターンあるだろうなという中で、後者になった。立ち上がりが非常に大事だということを選手に伝えていたのですが、この1週間の準備期間では一切彼らには伝えないで、ここへ来る前のミーティングでその話をして、それをしっかりと選手がこの試合の重要性と、立ち上がりが重要なポイントであるということをしっかりと頭に入れた中で、良い入りをしてくれた。その結果、最終的にこういう試合ができたのかなと思います。ただ、Jリーグを戦う上で、全てが解決したわけではないと思いますし、サッカーというのは、ここで笑ってしまえば笑われる世界だと思っていますので、スタートが切れたという中で、ここからより、自分たちの目指しているところへ近づいていけたらいいなと思っております。細かいことは、質疑応答でやりたいなと思います」

Q:ここまで引き分けが続き、ようやく1勝。終わったあと、まず最初に選手たちに伝えたことは?
「まだ何も伝えていません。ねぎらいの『ありがとう』と」

Q:それを踏まえての言葉は?
「まだ何も言っていません」

Q:得点の場面以外でも、今日は高原選手が先頭となってかなり動いていた印象があります。それに対する評価は?
「今週、この激戦へ向けての準備の中で水曜日に慶応大学とトレーニングマッチをやって、30分×3本の中の1本目に今日のメンバーがプレーしたのですが、その時のタカと少しコミュニケーションを取っていた中で、FWというのは頭から決めてやるという、前へ前へというプレーを温存するものではないのではないかと。自分が最初から決めてやるぞという、スプリントの数であったり、気持ちというのは必要なんじゃないかと。『後半もまだできたのに』という言葉が出るようであれば、やはり(前節がそうだったように)前半で交代だと。極端に言えばですが、前半で『もうやれない』というぐらいで初めて、後半必要だと思えるものなんじゃないかというようなコミュニケーションをとった中で、その慶応大戦ですぐに彼は実行していた。そういうトレーニングからくる『頭の柔軟性』が、今日のようなプレーを生む要因ではないかと思います。彼自身、素晴らしいキャリアを持ちながらも、このJ2リーグというものを上手く使って、もう一度彼らしさであったり、彼の良いプレーを見れる可能性というのを感じるし、彼自身もそういうことを感じながらプレーをしているんじゃないかなと思います。ただ、1点ですからね、今日。彼であれば、きっとこれで満足しているわけがない。もっとチームを楽に、または、終盤戦に向けて必要な得点が取れたと考えていると思います」

Q:6試合目での初勝利というのは、思ったよりも時間がかかったと思っていらっしゃるのでしょうか?
「かかる時はこれぐらいはかかるだろうなとは思っていましたし、そういう中で、引き分けが重なっていく勝点1というのは、どういうものなのかというのを経験できたことは、私にとっても大きいかなと。それだけ今日の試合というのは、逆に大事な試合だったと思いましたし、この(引き分けでの)勝点4というのを大きくするのも小さくするのも、『勝ててない』と表現するのか、『負けてない』と表現するのかがこの試合にかかっていると私は思っていましたので、そういう意味では、そういう状況になったということは、その時間はかかったという意味合いだと思います。早いに越したことはない。ただ、これから昇格を目指してチームが1つになってやっていく中で、こういう苦労であったり、乗り越える大きな物を経験していた方が、私はその経験が今であった方が、これから大事な時にプラスになっていくんじゃないかと、プラス思考に考えております」

Q:今日で東京Vの試合を観るのは3試合目でしたが、最高の出来でした。特に前の3人が縦横無尽に自由に走り回っていましたが、あれは三浦監督の指示なのか、それとも選手たちが自分たちで考えてやっていることなのか?
「マイボール時も相手ボール時も、ポイントをシンプルにどういうことを前線からやってほしいか。または、マイボール時にはどういう動きをしたいかというのは、トレーニングでも意識付けるために口うるさく言いますし、準備期間の中で言い尽くしているものは当然あります。例えばスプリントの数であったり、ボールを回す、フォーメーションのトレーニングだけでも、1つのサボったことに対してずっと言ったりと。そういう中で、過剰に試合でこういうことをやってくれということを私は一回も言ったことはありません。十分トレーニングの中で言っているものが、試合の中で自然と、攻撃であれば躍動するであろうし、守備であれば前から責任をもってプレスをかける、追うことがどれだけ自分たちのマイボール時になる可能性が高くなるか。あるいはマイボール時になった時にチャンスになるか。相手ボールの時にうしろが楽になるか。そういうことというのは前線の3人は理解しながらやっていたと思います。それをタカだから、飯尾だから、西だからといって免除はないということ。途中から出てきた18歳の前田もタカも同じ。そこに今日、チームが躍動できた要因というのはおっしゃるとおりあるのではないかなと思います」

Q:高原は今日、非常に良かった。特にヘディングで流して、そこに飯尾が抜けて行くなどの形は、今後も武器に使うべきなのでは?
「ひとつのオプションとしてチームが持つべきものだと思うし、今日の岐阜という相手に対しては、つなぐということよりも、よりシンプルに前へ狙っていくことは非常に大事だったと思います。ただ、試合を準備するにあたって、どのチームもヴェルディにはモチベーションをもってくる。緑のユニフォームを見れば『負けたくない』という気持ちでくる。それがどういうことをしてくるか。あるいはどういうことを怖がってくるか、それによって今おっしゃったような、タカを上手く生かせる。そして、今日の相手というのがそうであったと私も思うし、それを上手く使えている時とそうでない時があっただろうし。例えば、金鐘必がFKを、いつもであれば近くの森へ、または後ろへ下げることを、口うるさく『大丈夫だから今日はシンプルで前で大丈夫だから』という指示によって高原にシンプルに入れて、そこに常盤が反応したプレーであたったりもあった。それを考えれば、もちろんオプションとしてこれからも(持っていくつもり)。だからといって、単調にそれだけが狙いになるサッカーを私は考えてはいない。それは、それほどエレガントなものではないと思う。ただ、勝利することに向かって必要な武器だとは考えていますので、その辺の狙いというのはこれからも非常に大事になっていくのではないかと考えています」

Q:冒頭で、「ここへ来る前のミーティングで初めてこの試合の重要性と、立ち上がりが重要なポイントであるということを伝えた」とのことでしたが、伝える内容をタイミングによって分けていることについて。
「6試合の中で、どういう言葉を使うと彼らが頭の中でしっかり整理して、私と選手間でできている“目指すサッカー観”が体現できるのか。これは、集合してからキャンプの中で、そしてこの5試合の中(と経ていく中)でも、Jリーグという公式戦は、やはりトレーニングマッチとは違う。練習とも違う。その中で言葉をどう使うことが、彼らにプラスになっていくかというものを、自分は準備期間で進めてきたつもりではいた。公式戦で使う言葉は、私が2年間やったチームとここでは違う。その中でどういうタイミングでどういうことを言っていくと彼らがシンプルに勝ちを目指してピッチで躍動するのか。自分はすごく意識してここまでやってきました。今日はやったことを伝えれば、一週間の準備期間の中で『立ち上がりが大事だ』ということは1回も使いませんでした。今日初めて伝えました。今までの準備の中で、そういうことが大事であるということを意識づけてやってきた。ひとつ、もしかしたら本番で薄れる可能性があるのかなというふうに思ったので、今週はそれを言わないでトレーニングを続けてきた。少し、高原のところは前節半分で代えているところがあったので、そういう意味合いでタカ個人には、立ち上がりという意味合いよりも選手としてのパフォーマンスを出すタイミング、パワーをどこで出すかという話であって、試合の立ち上がりという意味合いではなく、高原とも“入り”という話をしましたけれど、チーム全体にはそういうことを話を伝えないで準備をしたということです」

Q:今の話を聞いていて、言葉が大事ということは、サッカーというのは現象とかロジックではなく心理ゲーム。一歩出るかどうかは意志の話でしょ?ということを三浦監督はわかっていて発言されたのでしょうと思うのですが。私の駄弁りでしょうが、どうでしょうか?
「非常に貴重なことを、こういう大事な席で発言してくれたと思いますし、これからも自分が監督としてしていく作業というのは、選手マネジメント、チームマネジメント。もちろん人がやることですから、戦術的な部分や戦略的な部分というんは大事になってきますけど、今おっしゃったような、人と人との間にできるものというのはどこにいってもやらなければいけないことだと思っていますので、私も自信をもってやっていきたいなと思っています」

以上
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