●奥野僚右監督(山形):
「今日の試合は非常に難しい試合になりましたけれども、選手たちは一つ一つのプレーの積み重ね、それがアディショナルタイム含めた95分間での戦いで、最後に上回ったというのが本当に率直な感想です。ですから、先ほど(場内インタビューの)コメントでもしましたけれども、球際の戦いであったり、そういう部分を一つ一つコツコツと積み重ねた部分が最後、勝利に結びついたのではないかなと思っております。
前節から中2日であって、前節は午後4時のキックオフ、そして今節は午後1時のキックオフ、気温も高いなか、思った以上に両チームの消耗が激しく、栃木さんにおいては非常に整理された守備からの攻撃というものを展開されるなかで、同じ形を取っている山形としてもがっぷり四つのゲームになりました。なかなか思うようにボールと足が運べずに、ボール奪取される相手の強みというものが多少出た部分もありました。しかしながら、自分たちの形に持っていくということ、チャンスという部分ではつくれたんじゃないかなと思っております。そして後半に入って、得点が生まれたシーンというのも、自分たちの展開力を活かしたなかでの最後のフィニッシュという部分から、得点を生むことができたと。セットプレーで失点はしたものの、そこからというものも、またボールを保持する時間を長くして相手を揺さぶりつつ、結局は相手のミスを誘う結果になった。当然、最後勝ちきることが目的ですから、このホームゲームでは本当にサポーターのみんなと喜びを分かち合いたい。でも、そこにはサブメンバー、ベンチ外のメンバー含めて、それぞれが培ってきものというのが表現できたんじゃないかなと思っております。シュート数を見ますと、こちらが8本で相手が13本、そのような印象はないというのが実際の印象です。もう少し、こちらもシュートを打てるシーンが後半立ち上がりから数多くつくりたかったなということは思っております。今日はありがとうございました」
Q:こういう難しい試合のなかで、選手たちはどういう考えを持って試合を進めたと感じられましたか?
「前節から引き続き、まだピッチのコンディションも整わないなかで、この暑さのある展開、そして相手がいつも以上にロングボールを多用してきた、シンプルな攻撃を多用してきたところを、こちらはその対応プラス、自分たちの形をつくるという点で工夫がなされた。セカンドボールを積極的に拾いにいくところであったり、ボールを蹴らせないところであったり、攻撃においては、多少前半から間延びして前線が孤立する場面はありましたけれども、それでも、決定的とも言えるチャンスを守備から、またつくりからというのも何度か見えました。そういうところが、彼らが工夫したなかでの戦い方ですね」
Q:ボランチの選手が相手のボールの出どころに積極的に行っていたと思うんですが、監督からの指示でしたか?
「ハーフタイムには当然、そういう指示もできますし、ゲーム前には当たり前の話としてセカンドボールをしっかり勝ちきろうという話をしているわけですけれども、それ以上にポジションとか距離感であったり、スライドであったり、カバーリング、そういう部分で選手たちがいい距離感を保って拾いにいくと。多少、相手の力強さが上回った部分もあったと思いますけれども、全体的に見れば、そういう工夫をよくしてくれました」
Q:栃木の當間選手が「鹿島時代にお世話になったのでいいプレーを見せたい」と言っていましたが、プレーを見ていかがでしたか?
「コーチと選手という立場ですから、当然関わりは深いわけですけれども、教え子というよりも、彼は当時からしっかりとした選手ですし、年代別の代表に選ばれたりしていたわけですから。彼のプレーは年々たくましくなるなと感じています。昨年も戦ったんですけれども、昨年よりももっと栃木のなかで中心選手としてやっているなという部分を見受けられましたね。ですから、非常に嫌な相手でした」
Q:先制点の場面はロメロ フランク選手がうまく前線に飛び出しましたが、相手の隙間をしっかり埋めてゴールに結びつけるという攻撃の形について、ゴールシーンをどのように見ましたか?
「多少、中盤で運動量が落ちてきたところで、中島君をサイドにして、山崎君を前にして、フランクを(本来のポジションである)ボランチの位置に戻して、彼の前への推進力と、彼の球際の強さと突破力を期待していたわけですけれども、そういう部分でルーズボール、こぼれ球を拾ったところから展開してゴール前へ走り込むという形が、トレーニングから、また、彼のゲームで出していく特長が本当によく出たプレーのひとつだと思います」
Q:後半の比嘉選手の交代のところですが、宮阪選手と代えたというのはどういう意図ですか?
「宮阪君の展開力と頭脳的なプレーという以上に、あそこの運動量というものを求めたかった。そういうところからフランクを中盤に置いて、比嘉君に間で受けてもらうというプレーを求めました。背後で受けるのと、間で受けるのと。そしてまた、フレッシュな選手が出ることによって、守備でも貢献することで、チームに力を与えられるんじゃないか。そういう意図で交代しました」
Q:前めの選手との交代でなかったのは?
「全体的に、相手のロングボールに対して、こぼれ球を相手のクリスティアーノであったり、ボランチのパウリーニョであったり、そういう選手がパワーを持って拾いに来てたので、そこをどうしても押されてるなという印象と、展開されたときにスライドで自分たちが遅くなってるなという印象からですね。そういう判断です」
Q:オウンゴールが決勝点になりましたが、オウンゴールに対してはどのような考えをお持ちですか?
「オウンゴールが生まれるということは、結局、相手が困った状態に陥っているという表れだと思うんですね。ですから、相手選手のミス云々以上に、自分たちがそういう危険な状況をつくり出したというところを褒めてあげたいなと。ボールを奪ったところから展開をして、中央へクロスを入れたと。それに対する動き出しもいい動き出しがあったから。誰もオウンゴールはしたくてするもんじゃありませんから、相手をそういう状態へ追いやった、それがオウンゴールだと思っています」
以上