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【J1:第1節 大分 vs F東京】プレビュー:注目の開幕好カード!「全員守備・全員攻撃」vs「魅惑の攻撃サッカー」(13.03.01)

3月2日、2013シーズンのJ1リーグがはじまる。いろいろな思惑が絡み合う開幕戦は掛け値なしに面白いが、それでも注目したいのが大分対F東京だろう。4年ぶりにJ1に復帰した大分は昨季、三位一体の支援でJリーグへの借入金を返済し、J2の6位ながら史上初のJ1昇格プレーオフを勝ち抜いた。数々の苦難を乗り越えてのJ1の舞台は、サポーターだけでなく大分県全体の期待は大きい。対戦相手は何の因果か2009年に大分を率いたポポヴィッチ監督率いるF東京である。今やポポヴィッチ監督の代名詞となっている“魅惑の攻撃サッカー”は大分で初めて披露された。J2降格、クラブの経営危機でポポヴィッチ体制を継続できず、悲しい別れとなったが、4年の時を経て相対する。

言うまでもないことだが、両チームの選手にとって、過去の情緒めいた話しは関係なく、今がすべてであり、それだけに開幕戦は重要な意味を持つ。この時期、チームとしての戦術なりスタイルを完璧に確立させることは不可能である。試合を重ねながら徐々に熟成を図ってくのが当然の流れだが、それはある程度の結果を伴っていなければ遅々として進まないことは確かだ。特に昇格した大分にとっては、成功体験とチームとしての自信をさらなる強化へのベースとしていくためには、開幕は単なる「34分の1」と割り切れない。
全員守備・全員攻撃を掲げるチームは、Jリーグ40クラブで最も早い始動をし、ここまでの8週間でJ1を戦うチームへと進化した。高木和道や松本怜、木村祐志など、個の際立つ選手を補強し、既存の選手のレベルアップを図りながら組織を成熟させた。ここ数日間で攻守の切り替えのギアは増し、ハードワークも徹底できている。「大分に来て3年目だが、今季は一番仕上がりがいい」と田坂和昭監督は手応えを感じている。
J1仕様へモデルチェンジしたチームの注目は、2トップ2シャドーで構成する“前線のボックス”である。大分オリジナルのカルテットは連携が高まり、これまでの練習試合で相手にボールを触られることなくシュートまでいくシーンが見られた。前評判はすこぶる低い大分だが、「自分たちのスタイル」で得点できれば、思いもよらぬアップセット(番狂わせ)を頻発し、台風の目となる可能性は十分ある。どんな結果になろうとも、J1で戦えることを証明するためには得点を奪うことに尽きる。大分のはじまりは得点であり、それが先制点であれば申し分ない。

「昨年は中位だったが、個の技術が高く、上位に入ってもおかしくない」と田坂監督が評価したF東京だが、充実のシーズンを送るべく、李忠成、東慶悟など若く、勢いのある実力者を補強。長年に渡ってチームの主軸を担った梶山陽平、羽生直剛がチームを去ったが、戦力的にはハイレベルな陣容となっている。新たな組み合わせや連携の再構築に時間を費やしたが、魅惑の攻撃サッカーは浸透し、今季からキャプテンとなった森重真人が統率するディフェンスラインは安定感を増している。
さらに基本布陣は4-2-3-1であるが、試合状況や対戦相手により4-1-2-3や3-4-2-1にシステムを柔軟に、しかも的確に変更できる。それは24日の群馬とのプレシーズンマッチでも証明済。明日は3バックの大分に対し、どんなドレスコードで開幕の舞台に立つのか楽しみな部分でもある。
古巣との対戦を前にポポヴィッチ監督は「楽しみだが勝負は別もの。感傷に浸ることはない」と勝点3を持ち帰ることをミッションとしている。クラブの悲願であるリーグ制覇に向け、“取りこぼせない”一戦だ。

昨年は広島が浦和に勝利し、5節まで4勝1敗と波に乗り優勝に至った。2年前は柏が清水に3−0で快勝し、その後、史上初の昇格初年度でリーグ優勝した。ここ最近のJ1のトレンドとして、チームの躍進において序盤の5試合でいかにポイントを稼げるかは“タイトル獲り”には欠かせないポイントになっている。指揮官が「タイトル」を口にする両チームにとって、明日の開幕戦の結果が重要な意味を持つことは確かだ。

以上

2013.03.01 Reported by 柚野真也
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