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【2013Jリーグプレシーズンマッチ 新潟 vs 東京V】レポート:距離感の良さ光った新潟が2点快勝。東京Vは思うような形披露できず「まだまだやることが多い」。(13.02.17)

「こういう相手じゃないと出てこないものがある」とのDF坪内秀介のコメント通り、新潟、東京Vとも、Jリーグのチーム相手に、それぞれ自分たちの力が確かめられた、有意義な試合となったようだ。

新潟は、GK黒河貴矢、右サイドバックから坪内、金根煥、濱田水輝、金珍洙の4バックに、ボランチが三門雄大、レオ シルバ。両ワイドが右に成岡翔、左が田中亜土夢、2トップに川又堅碁、ブルーノ ロペスの4-4-2でスタート。注目の新加入・田中達也は「少し張りが出たため、無理をせずに」(柳下正明監督)との理由で欠場した。対する東京Vは、GK佐藤優也、4バック右からぺ デウォン、井林章、刀根亮輔、福井諒司、ダブルボランチで西紀寛と安田晃大が組み、右サイドが鈴木惇、左に飯尾一慶、2トップには、高木大輔(二種)、巻誠一郎が先発出場した。

立ち上がりから、両チームとも主導権を握るべく攻防が続いた。そんな中、試合は早くから動いた。
前半14分、東京V陣内での金珍のロングスローから、DFがクリアし、そのこぼれ球を田中亜が出し、坪内がペナルティエリア外から思い切ってミドルシュートを放ち、先制した。「勝ちにこだわろう」と、柳下監督に送り出された新潟にとっては、幸先良いスタートとなった。

その後も、新潟ペースで試合は進んだ。「互いの距離間が良くてボールを失ってもまたすぐに奪い返す動きが非常によかった」ため、ボールを奪うとすぐに攻撃のスイッチが入った。ボランチがボールを奪い、サイドに出して自分も前線に絡んでいき、それをおとりに成岡が右サイドから中に入り込み、ボールを受けて縦パスを最前線に送って崩すという形。また、その成岡の空けたスペースを使って坪内がドリブルで突破を仕掛け、クロスからの流れ、さらに逆サイドでは田中亜が積極的に仕掛け、1対1の勝負から相手を交わして自らシュートなど、多彩な攻撃パターンで、決定的なチャンスも何度か作った。

前半30分すぎから後半のあたまにかけては、距離間が崩れ、東京Vに主導権を握られ、シュートまで持っていかれるシーンも何度か作られたが、後半42分、相手DFのミスを途中出場の岡本英也がミドルレンジから迷わずゴールを狙うと、美しく豪快なスーパーゴールがネットに突き刺さり、試合を決定づけた。「今日もしっかりと結果を出さなければダメだと思ってピッチに立ちました」。熾烈なFW争いが続いている中、開幕先発のピッチへ向け、大きくアピールしてみせた。

全体的に振り返り、柳下監督は「今シーズンキャンプでやってきたことを意識してやってくれたと思います」と語ったが、あえての反省として、「高い位置でボールを奪ったら、とにかくシュートで終わるということ」を挙げた。その課題を19日から静岡・清水での3次キャンプへ持ち越し、無事に高知での2次キャンプを締めくくった。

東京Vにとっては、厳しい結果となった。ここまでの練習試合では、三浦泰年監督は試合ごとに選手たちにテーマ付けをし、そのテーマをクリアさせることによって強化を続けてきた。しかし、開幕を2週間後に控えた公式戦、しかも相手がJ1チームだけに、「この試合は1つのことをテーマにするよりも、リーグ戦でG大阪、神戸といったチームと対戦する上で、新潟相手にどんな戦いができるか。本番を想定した戦い」だと位置づけていた。

その中で、練習では非常にうまくいっている、スペースと時間を使ってから、逆サイドへ精度の高いボールを入れてサイドチェンジから崩していくという形が、「狭い方向を選択して、そこに突っ込んでいってしまってボールを取られてしまう」(三浦監督)など、試合ではなかなか出せなかった点を「自分たちの未熟さ」だと語った。そして、新指揮官は「これからやらなければいけないことは多い」と、開幕へ向けた今後のチーム作りにかける決意を新たにした。

また、この試合を仮想G大阪、神戸だと強く意識していたというDF刀根は、「一番の差は個のレベルだと思いました。チームでは回せる部分もあったので、あとは個々がしっかりとスキルアプしていく必要があるなと感じています」と、話した。新潟のゴールはミドルシュート2本だったが、いずれのシュート精度も非常に高かった。だが、東京Vもミドルを2本放っているがいずれも枠を大きく反れ、相手に驚異を与えることができなかった。そうした、“精度の差”もまた、今後東京VがJ1で戦っていくチームになっていく上では、欠かせぬ課題となっていくのではないだろうか。

ただ、「一からのチーム作りというのは、時間がかかるのは仕方がないと思っています」と、飯尾主将は語る。「1試合目より2試合目、2試合目より3試合目と、確実に良くはなってきています。まだあと2週間あるので、まずは点を取れるようにみんなでやっていきます」と、前を向いた。

以上

2013.02.17 Reported by 上岡真里江
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