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水戸のサポーターにとって「難波宏明」の名前は、これまで聞きたくなかった名前だったに違いない。水戸キラーとも呼ばれた難波は、対水戸戦は９試合出場（うち先発出場５試合）で５ゴール。その５ゴールは、先発出場した５試合のもの。さらにそのうち３ゴールは決勝ゴールだ。その嫌な相手である難波宏明が、水戸にやってくるということで大きな期待をする水戸サポーターは多いだろう。
難波のプレースタイルは非常にはっきりしている。小さいテレビを遠目から見たとしても、プレーしている選手が難波だとわかるだろう。常に全力で、必要なスプリントを何度でも繰り返す。そのこと自体が、チームの攻守に大きな貢献をするだけでなく、チームの他のプレーヤーに大きな勇気を与え続ける。そして、攻撃では難波が裏に飛び出して起点を作ることで、相手のDFラインを下げることができるため、アップダウンを余儀なくされるDFラインにボディブローを与える。もちろん、相手DFラインに疲労感が出る段階で途中出場すれば、難波の良さはさらに発揮される。難波の全力プレーとスプリント能力はまさに「尖った能力」であり、横浜FCの歴代の監督が重宝してきたものだ。柱谷哲二監督好みのプレースタイルであり、非常に貴重な戦力になることは間違いない。
そして、何よりもサポーターに愛される選手である。「難ちゃん」という愛称は自然発生的に生まれ、そして横浜FCサポーターに広く浸透している。それは、サポーターの勝利への思いを、常にピッチの上で一番表現しているからに他ならない。ケーブルテレビの横浜FC応援番組では、番組の中心として活躍。テレビCMでは、タクシー運転手役で好演するなど、サポーターへのサービス精神も一番。ピッチでも、ピッチ外でも、とにかく全力でプロフェッショナルである。
水戸に移籍してからのコメントも「水戸を熱くしたい」、「僕はFWなので、点を取るために来ました。水戸の勝利のために命をかけて戦うので、そこを見てほしい」と、実に難波らしい。すぐに、水戸サポーターからも愛されるプレーをピッチ上に見せる姿が目に浮かぶ。
「水戸からしか点を取れないと言われていたので、他のチームから点を取れるよということをアピールするために来ました」
この宣言を難波は必ず実行するだろう。彼のゴールは、常にファインゴール。それを、これまでとは逆サイドになる相手ゴールに決める姿に期待してほしい。
以上
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2013.02.01 Reported by 松尾真一郎
